「五線譜に託した最期の想い」
NHKラジオ第1 8月8日(水) 午後9時05分~午後9時55分
~75年前の学徒出陣で戦場に駆り出された音楽学校の生徒たち~
7月末に大学時代の友人からメールが来て、
学生時代にお世話になった指揮法の先生を囲んで
来年の10月に「メサイア」全曲を大学の同窓生でやる企画があり
その試演会を8月12日にやるから行こうよ!という連絡が来た。
いやあ、懐かしいなあ。。。
会場に行ったら、次々と昔懐かしい顔、顔、顔・・・。
そして懐かしい先生。
久し振りに会った先生は、私が学生時代の時もけっこうなお年だったけど
あんなにオシャレだったのに、今は本当におじいちゃんになってる。
足下も危なげだしね。
でも一回みんなの前に立つと、昔と変わらない口調で注意し始めたからビックリ!
一気に学生時代に戻っちゃうね、はは
その後の飲み会のとき「先生、何日か前にNHKラジオ番組出てたんだよ」っていうのを聞いた。
で、先生に直接「どうだったですか」って聞いたら
「アナウンサーと全然話が噛み合わなかったんだよね」って。
一体どんな内容だったのか知りたかったので、友人に番組を教えてもらって聞いてみた。
予想外の内容だった。
東京音楽学校に在籍していた戦没学生の話だった。
自分が一生懸命勉強してても、世間から西洋音楽かぶれの「非国民」呼ばわりされたり、
また「非国民」呼ばわりされたくない為、進んで日本人を鼓舞する曲を作って演奏したり・・・。
そんな中で自分が望む音楽を作って、それをレコードに録音したり楽譜に残した学生たちは
学徒出陣して、8月15日に日本が降伏したのを知らないまま
南洋の島でピストルを口にくわえて自決したり、特攻に行く前に事故死したり・・・という
最期を迎えてしまった、そんな内容でした。
でも現代の演奏家によって再現された学生たちの曲は、そんな悲壮感漂う時代とは全く関係ない、
キラキラしたものだった。
ラジオから流れてきたその曲は、
自分たちが本当に創作活動の中で追い求めている最中であることを伺わせるような、
若々しくて瑞々しいものだった。
うーむ、自分たちが行ったことのないフランスの印象主義に興味を持ってるような作風のも
あったなぁ・・・。
きっと死なずに生き延びていれば、さぞかしの作品をつくってたんだろうな・・・。
番組としてはすごくいい内容だったと思うけど、
先生としてはもっともっと証言者として伝えたいことがあって、
きっと言い足りなかったんだろうな・・・と思って。
この指揮法の先生には学生時代、とてもお世話になりました。
特に一番お世話になったのは、就職の時。
ある音楽高校で常勤を1人オーディションをして採用することを知ったのですが
そのオーディションが主科だけでなく声楽、楽典、そして最後に指揮法もあると聞いて
しかもその曲がベートーヴェンの交響曲1番第4楽章で、出だしが結構気を遣う
で、先生に泣きついたら授業と関係ないのに指導してくれました。
なもので、26人もいたらさすがにちょっと無理かも?っていうか、中には
ドイツやオーストリアのムジークシューレのマスターを終了した人もいたので
こりゃ、けっこうダメかも?と思ってたオーディションでしたが
先生のお陰で受かっちゃいました
で、しばらくこの音楽高校にいたんですけどね。
でも若くて甘ちゃんだった私は、今時の学生とおんなじ根性で
先生が指導してくれるのが当たり前、と思ってたんですよね。
今だったら、昔の私に喝!を入れたい気持ちでいっぱいです。
こんな甘い根性のまま、戦後の平和な時代の真っ只中で好きなことをやってますが
でもこの平和な時代が長く続くように日本人の一人として、
世の中に翻弄されないよう、小さな努力をしないといけないと思わされましたね。
ちなみにこのラジオ番組は、8月16日で見逃し配信終了だそうです。
なんかもったいないな、と思いつつ・・・。
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