私の息子は、言葉を話せない。
重度の知的障がいのある、自閉症児だから。
けれど、私自身が優しい言葉で話せる母親だったら、
この子の発語を促せたのかもしれない。
鳶が鷹を産む…
という諺もあるけれど。
現実は、何事も親の器の大きさで、子供の成長が決まるような気がする。
それでも、子の成長を、出来る限り伸ばしたい…
という想い(欲)は、膨らみ続ける。

主人のお気に入りの、動画に出てくる小鳥は、
飼い主さんと、とても、可愛いらしい会話をする。
私自身も、可愛いなぁ…と思う。
けれど、同時に、クァンとの想い出が蘇り、まだ悲しくなる。
クァンも喋っていたよ。
と主人に言ったら、
クァンのは、鳥語だったと返して来た。
主人に悪気は無い。
いつものこと。
ズレたデリカシーの無い会話。
分かっているけれど…
猛烈に、怒りが湧いてしまった。
クァンは、話していた。
一生懸命、話していた。
理解できない人間が、劣っているんだ。
その言葉の奥には、私の深い悲しみがあることは、分かっている。
我が子に、話して欲しい。
我が子と、会話がしたい。
我が子に、ママと呼んで欲しい。

昔むかし、息子に診断が下った頃。。。
街中で、小さな子供が、母親と楽しそうに話しているのを見る度に、
羨ましくて、羨ましくて、仕方がなかった。
あんなに甲高かった声が、声変わりをして、野太くなった今でも、
未だに、私は夢を見る。
幼い可愛い息子に、ママと呼ばれ、嬉しそうに笑う自分を。

けれど、今になって分かるのは、
どんな時も、ママの笑顔を探していた、幼い君の姿。
ごめんね。
長い間、気づいてあげられなくて。
ママは、心を、病んでいました。
これからは、君の人生が、豊かなものになるように。
君の笑顔を探しながら「君の好き」を、拾い上げていくよ。
クァンも光を携えて、天上からママを、応援してくれていることでしょう。
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お盆ということもあり、亡くなったクァンを思い出してしまいました。
クァンも、傷ついた私の魂に光を当て、癒やしてくれた、大切な我が子です。

最後まで、お付き合い下さり、誠に有難うございました。