名古屋市立大大学院医学研究科の岡嶋研二教授(58)と原田直明准教授(44)らの学術論文に
データの改ざんがあると学外から指摘された問題で、名市大が設けた調査委員会は、発表された論文に
データの流用や捏造(ねつぞう)があったと断定した。大学は近く結果を公表し、2人を懲戒処分にする。
関係者によると、2人は共同研究者。岡嶋教授は委員会の調査に「指摘は不適切」と反論。原田准教授は
「仮作成した画像を誤って使った」などと訴えている。
岡嶋教授らは、論文の不正を告発するインターネットのサイトで、1997~2007年の論文17本に、
画像の流用や改ざんの疑いがあると指摘された。大学は昨年3月に学内メンバーの調査委員会を設置し、
真相解明を進めてきた。
委員会は複数の論文について原田准教授が不正を主導したと判断。岡嶋教授の直接の関与は確認
できなかった。しかし、論文は2人の共著で、責任著者は岡嶋教授となっていることから、大学側は
「不正に気付かないはずがない」と結論づけた。
岡嶋教授は、マウスを使ってインスリンに似たタンパク質の働きを研究。育毛や老化防止、認知機能の
向上につながるとする研究を手がけたことで知られている。
▽中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012031790100509.html