写真は夏のぴょん吉です。
以下たんぽぽ舎より転載
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┗■4.<連載-8>『原発真近への米軍へリコプター墜落事故』
│ ●神風さえも蹴ちらす
└────
※この連載は著者(斉間満氏・故人)の夫人(斉間淳子さん)の承諾を得て
掲載しています。本文は、2002年5月発刊『原発の来た町-原発はこうして
建てられた-伊方原発の30年』の一節です。
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米軍ヘリの伊方原発近くへの墜落後、愛媛県や伊方町は、相ついで国や米軍
などの関係機関へ「原発上空の飛行禁止」を要請した。さらに墜落事故一年後
の一九八九年三月には、三基の原発建屋の屋根上に閃光式灯火を設置、定期的
に空に向かって光を点滅させ原発の存在を示す、方式を取った。
ヘリの墜落事故は、「絶対安全」を強調してやまない原発を抱える電力会社
が、その言葉とうらはらに自らが頭上の飛来物に怯えていることを、図らずも
さらけ出したかたちとなった。
飛行機や人工衛星が飛び交い、どんな大事故が起こるかもわからない科学技
術文明優先の社会。大国の利益の下で複雑な関係をつづける国際社会の中で、
一度大事故が起こると取りかえしのつかない破滅を招きかねない原発が存在し
ようというのが、そもそも無理な話なのだ。
米軍ヘリの伊方原発近くへの墜落は、そうしたことを暗示している。
二〇年来、伊方原発の地元で反対運動を続けていた、当時七〇歳を越えてい
た浪下繁春さんは、「これは神風だ。きっと神風だぞ」と、墜落の恐怖からさ
めたあとに叫んだ。
その浪下さんも九一年に、反原発の志半ばで病死した。しかし、伊方原発は
なくならなかった。逆に、伊方原発は衰えるどころか、ヘリ墜落後に一基増設
されて三基になり、ますますその恐ろしい姿を太らせていた。
ヘリ墜落は、浪下さんが叫んだ「神風」にはなりえなかった。いや、神風さ
えも蹴ちらしたのだ。
あの日から一〇年以上の時間が経っても、今なお墜落の恐怖は語られている
が、サタンの火と呼ばれる原発は、そうした地元民の悲鳴をも飲み込んで
チェルノブイリの悪夢を高め続けている。
<完>
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※『原発の来た町-原発はこうして建てられた-伊方原発の30年』は
たんぽぽ舎で取り扱っています。1冊1000円。
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※この連載は「たんぽぽ舎 ひろば情報」サイトにも掲載中
http://www.tanpoposya.net/wp/?p=2046
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│ ●神風さえも蹴ちらす
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掲載しています。本文は、2002年5月発刊『原発の来た町-原発はこうして
建てられた-伊方原発の30年』の一節です。
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米軍ヘリの伊方原発近くへの墜落後、愛媛県や伊方町は、相ついで国や米軍
などの関係機関へ「原発上空の飛行禁止」を要請した。さらに墜落事故一年後
の一九八九年三月には、三基の原発建屋の屋根上に閃光式灯火を設置、定期的
に空に向かって光を点滅させ原発の存在を示す、方式を取った。
ヘリの墜落事故は、「絶対安全」を強調してやまない原発を抱える電力会社
が、その言葉とうらはらに自らが頭上の飛来物に怯えていることを、図らずも
さらけ出したかたちとなった。
飛行機や人工衛星が飛び交い、どんな大事故が起こるかもわからない科学技
術文明優先の社会。大国の利益の下で複雑な関係をつづける国際社会の中で、
一度大事故が起こると取りかえしのつかない破滅を招きかねない原発が存在し
ようというのが、そもそも無理な話なのだ。
米軍ヘリの伊方原発近くへの墜落は、そうしたことを暗示している。
二〇年来、伊方原発の地元で反対運動を続けていた、当時七〇歳を越えてい
た浪下繁春さんは、「これは神風だ。きっと神風だぞ」と、墜落の恐怖からさ
めたあとに叫んだ。
その浪下さんも九一年に、反原発の志半ばで病死した。しかし、伊方原発は
なくならなかった。逆に、伊方原発は衰えるどころか、ヘリ墜落後に一基増設
されて三基になり、ますますその恐ろしい姿を太らせていた。
ヘリ墜落は、浪下さんが叫んだ「神風」にはなりえなかった。いや、神風さ
えも蹴ちらしたのだ。
あの日から一〇年以上の時間が経っても、今なお墜落の恐怖は語られている
が、サタンの火と呼ばれる原発は、そうした地元民の悲鳴をも飲み込んで
チェルノブイリの悪夢を高め続けている。
<完>
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たんぽぽ舎で取り扱っています。1冊1000円。
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