最近読んだ本について。
・米澤穂信『追想五断章』
リドルストーリーという形式の小説の面白さと、それを基にしたミステリーが凄い心地良かった。
こういうオチを敢えて付けずに読者側に結末をゆだねるっていうやり方の小説ってめっちゃおもろいなって。
そしてそれとミステリーをしっかり合わせてきたのはマジでスゲーと思った。
・伊岡瞬『ひとりぼっちのあいつ』
人間の持つ底抜けのクズさとか、コミュニケーションのズレから来る人間関係の崩壊がかなりリアリティあったな。
結構人間味がある作品だと思う。
エピローグの部分は救いがあるラストにしたかったんだろうなとは思うけど、ここまで人間のクズさをリアルに描いていた分、蛇足でもある気がした。
良くも悪くも人間味のある作品なので、最後まで突っ切って救いのないエンディングでも良かったじゃんと思う反面、人間の底抜けな愚かさと不幸の連鎖が渦巻くリアル路線の結末はウケないと判断したのかなとも感じた。個人的にはリアル路線で走り切って欲しかったところ。
でも、あそこで救いがあるのはちょっとホッとした部分もあったので、これはこれでアリかなとも思う自分がいる。
文章としては結構読みやすかったので、2日程度でサクッと読めたのも良い。
こういうスルスル入ってくる文章書きてぇよな~。
・今村昌弘『兇人邸の殺人』
屍人荘シリーズの第3弾。何気にこのシリーズ追っかけてるのだけど、スゲースッキリする謎解き。
安楽椅子探偵タイプで来たわけだけど、今回もおもろかったわ~。
『折れた竜骨』にも思ったのだけど、ファンタジーな舞台設定にミステリーぶつけてきてしっかり成立させてるのめっちゃ凄いなって。
ゾンビだったり予言者だったり巨人だったり、舞台設定がファンタジーなのにしっかりロジカルにミステリになってるのが凄いわ~。
「そんな設定ナシじゃん!?」みたいな後付けなハナシではなく、しっかり物語の中に謎を解くヒントだったり伏線があって、それがファンタジー世界にもしっかり落とし込めているのが素晴らしい。
あと今回はジェイソン的なスプラッター的な緊迫感も良かったですね。
ミスリードもしっかりと騙されてもうたよ……
・乾くるみ『イニシエーション・ラブ』
よくある恋愛もので読みやすいな~と思ってたら、終盤で「おん......?」ってなりだして、ラストで「なんやこれえええええええ!?うわこわあああああああ!!!11」ってなった。
おもろかったけど、意味が分かると怖いヤツだね。すげえ。最後のページで一気に持ってきて、ラスト2行でドカーンみたいな。
めっちゃ快感だった。
昨今よくあるNTR展開での脳破壊展開なんて目じゃなかった。これぞ本当の意味での脳破壊や。
そんでもって、真相が明らかになった後、絶対読み返すねこれ(笑)
「ああ~......ここのシーンのお前これ......お前マジかよ~......!」みたいな。
舞台設定もテレカとかA面B面とかあってね。
昭和~平成初期ネタが満載なので、今の子達には文化的に入りづらいところもあるけど、よう練り込まれてるわ。
・森博嗣『すべてがFになる THE PERFECT INSIDER』
犯人は朧気ながら見当がついたんだけど、密室脱出の謎や犯行の手口は全く分からんかった。
プログラミングやPCに関する単語が出てくるから、その知識が初めからあるとより物語に入っていけるなとも感じた。
あと、小説を読み終わった後、アニメ化されていたことも知ったので、大正義dアニメストアで観てきた。
アニメ版はキャラクター原案が浅野いにお。
『ソラニン』『素晴らしい世界』『虹ヶ原ホログラフ』が好きな俺にとってはマジ大好物なチョイスでとても心躍ったのは言うまでもない。
内容も原作とはちょっと違いを付けてはきたけど、大筋は一緒なので楽しかった。
小説は文章から状況を想像していく作業があるけど、やっぱ映像化されているとイメージがしやすいですね。
・國友公司『ルポ歌舞伎町』
ここ数年の歌舞伎町がどうなっているのかが描かれたルポルタージュで、めっちゃ興味深く読めた。
一番興味深かったのは、いわゆるホス狂いと呼ばれるタイプの風俗嬢たちの悲哀や、その彼女たちからお金を貢がせるホスト達のリアルな状況とかだったな。
ホストにお金ぶち込む人達のリアルな姿をこの本を通してみると、色々大変な世界なんだなって。
あと、マイメロのパーカーにMCMのリュックってマジで歌舞伎町のランドセルなんやね......
ああいう地雷系メンヘラ女みたいなのって、俺にとっちゃファンタジーみたいな存在だったけど、実在するんやね。
・甲良幹二郎『劇画日本史』
親父が『ゴルゴ13』とか好きだったので、小学生の頃一緒になって読んでたんだけど、ふと懐かしくなったので買い直した。
実は最初さいとうたかをの漫画だと思ってたんよね。めっちゃ絵がゴルゴ13だったから。
「さいとう・プロダクション」に所属していた劇画家さんだったんか。
やっぱ構図の魅せ方とかが今観てもスゲー説得力持ってておもろいよな~。
あと浦沢直樹も「漫勉」で言ってたけども、ナニか心の中で思うところあるけど特に何も言わないあの「......」だけのセリフとかはマジ発明だと思ってるよ。
・米澤穂信『追想五断章』
リドルストーリーという形式の小説の面白さと、それを基にしたミステリーが凄い心地良かった。
こういうオチを敢えて付けずに読者側に結末をゆだねるっていうやり方の小説ってめっちゃおもろいなって。
そしてそれとミステリーをしっかり合わせてきたのはマジでスゲーと思った。
・伊岡瞬『ひとりぼっちのあいつ』
人間の持つ底抜けのクズさとか、コミュニケーションのズレから来る人間関係の崩壊がかなりリアリティあったな。
結構人間味がある作品だと思う。
エピローグの部分は救いがあるラストにしたかったんだろうなとは思うけど、ここまで人間のクズさをリアルに描いていた分、蛇足でもある気がした。
良くも悪くも人間味のある作品なので、最後まで突っ切って救いのないエンディングでも良かったじゃんと思う反面、人間の底抜けな愚かさと不幸の連鎖が渦巻くリアル路線の結末はウケないと判断したのかなとも感じた。個人的にはリアル路線で走り切って欲しかったところ。
でも、あそこで救いがあるのはちょっとホッとした部分もあったので、これはこれでアリかなとも思う自分がいる。
文章としては結構読みやすかったので、2日程度でサクッと読めたのも良い。
こういうスルスル入ってくる文章書きてぇよな~。
・今村昌弘『兇人邸の殺人』
屍人荘シリーズの第3弾。何気にこのシリーズ追っかけてるのだけど、スゲースッキリする謎解き。
安楽椅子探偵タイプで来たわけだけど、今回もおもろかったわ~。
『折れた竜骨』にも思ったのだけど、ファンタジーな舞台設定にミステリーぶつけてきてしっかり成立させてるのめっちゃ凄いなって。
ゾンビだったり予言者だったり巨人だったり、舞台設定がファンタジーなのにしっかりロジカルにミステリになってるのが凄いわ~。
「そんな設定ナシじゃん!?」みたいな後付けなハナシではなく、しっかり物語の中に謎を解くヒントだったり伏線があって、それがファンタジー世界にもしっかり落とし込めているのが素晴らしい。
あと今回はジェイソン的なスプラッター的な緊迫感も良かったですね。
ミスリードもしっかりと騙されてもうたよ……
・乾くるみ『イニシエーション・ラブ』
よくある恋愛もので読みやすいな~と思ってたら、終盤で「おん......?」ってなりだして、ラストで「なんやこれえええええええ!?うわこわあああああああ!!!11」ってなった。
おもろかったけど、意味が分かると怖いヤツだね。すげえ。最後のページで一気に持ってきて、ラスト2行でドカーンみたいな。
めっちゃ快感だった。
昨今よくあるNTR展開での脳破壊展開なんて目じゃなかった。これぞ本当の意味での脳破壊や。
そんでもって、真相が明らかになった後、絶対読み返すねこれ(笑)
「ああ~......ここのシーンのお前これ......お前マジかよ~......!」みたいな。
舞台設定もテレカとかA面B面とかあってね。
昭和~平成初期ネタが満載なので、今の子達には文化的に入りづらいところもあるけど、よう練り込まれてるわ。
・森博嗣『すべてがFになる THE PERFECT INSIDER』
犯人は朧気ながら見当がついたんだけど、密室脱出の謎や犯行の手口は全く分からんかった。
プログラミングやPCに関する単語が出てくるから、その知識が初めからあるとより物語に入っていけるなとも感じた。
あと、小説を読み終わった後、アニメ化されていたことも知ったので、大正義dアニメストアで観てきた。
アニメ版はキャラクター原案が浅野いにお。
『ソラニン』『素晴らしい世界』『虹ヶ原ホログラフ』が好きな俺にとってはマジ大好物なチョイスでとても心躍ったのは言うまでもない。
内容も原作とはちょっと違いを付けてはきたけど、大筋は一緒なので楽しかった。
小説は文章から状況を想像していく作業があるけど、やっぱ映像化されているとイメージがしやすいですね。
・國友公司『ルポ歌舞伎町』
ここ数年の歌舞伎町がどうなっているのかが描かれたルポルタージュで、めっちゃ興味深く読めた。
一番興味深かったのは、いわゆるホス狂いと呼ばれるタイプの風俗嬢たちの悲哀や、その彼女たちからお金を貢がせるホスト達のリアルな状況とかだったな。
ホストにお金ぶち込む人達のリアルな姿をこの本を通してみると、色々大変な世界なんだなって。
あと、マイメロのパーカーにMCMのリュックってマジで歌舞伎町のランドセルなんやね......
ああいう地雷系メンヘラ女みたいなのって、俺にとっちゃファンタジーみたいな存在だったけど、実在するんやね。
・甲良幹二郎『劇画日本史』
親父が『ゴルゴ13』とか好きだったので、小学生の頃一緒になって読んでたんだけど、ふと懐かしくなったので買い直した。
実は最初さいとうたかをの漫画だと思ってたんよね。めっちゃ絵がゴルゴ13だったから。
「さいとう・プロダクション」に所属していた劇画家さんだったんか。
やっぱ構図の魅せ方とかが今観てもスゲー説得力持ってておもろいよな~。
あと浦沢直樹も「漫勉」で言ってたけども、ナニか心の中で思うところあるけど特に何も言わないあの「......」だけのセリフとかはマジ発明だと思ってるよ。