涙目筑前速報+

詰まるところは明日を知る。なだらかな日々につまずいて
向かうところはありもせず、未来の居場所だって未定―秋田ひろむ

【私的メモ】ギリシャ危機の簡易的なまとめ

2014-12-20 10:35:27 | テレビ・映画・動画
2010年~2013年にかけてユーロショックが発生。
ユーロの価値が下がり、世界中の投資家が日本の円を買い、円高になる。
円高の影響を受けて、国内の輸出産業に打撃。

ユーロ危機でヨーロッパの輸入が減る→中国からヨーロッパ向けの輸出が減る→中国は日本からモノを買ってそれを加工してヨーロッパに売っていたため結果として日本から中国への輸出が減る→併せて東南アジアからもヨーロッパに輸出があり、その部品等で日本が関わっていたため、その部分も打撃を受ける。


■ユーロショックの発端

「ギリシャ危機」からユーロショックが始まる。

2009年、ギリシャで政権交代が発生。
政権が変わり、それまでの政治・経済運営の洗い出しがされた。
その際に、国家財政の粉飾決算が発覚。
つまり赤字を隠していた

ギリシャは日本同様、財政赤字を補てんするために国債(借金)を発行していた。
ギリシャは当時、国債を発行する比率をGDPの4%程度と言っていた。
4%なら大したことはないと思っていたが、新政権の洗い出しで、13%だったことが発覚する。
EUとして調べなおしたところ13.6%と、より酷い状況だった。

これを受けて、金融の格付け会社が、ギリシャ国債の信用度を下げる。
=満期になっても金が返ってこない、紙屑になる危険がある。→投資家は勿論そんな危険な国債は買わないようになる。

税収では国家予算を賄えないため、国債(借金)は発行するもの。
日本は破たんはしないだろうという信用があるため、低い金利でもまだ国債が売れる。
が、信用の下がったギリシャ国債は買ってもらえない。
紙屑になりそうな国債は買えない=低い金利では買えないと投資家は考える
→年利30%越えの金利をつけないと、国債が売れない状況になってしまった。

結果、ギリシャの財政が破たんした。
これがギリシャ危機。


■ギリシャ危機を受けて

同じ通貨を使っている他のEU諸国がギリシャの救済に乗り出す。
経済力のあるフランス、ドイツが中心にお金を出して、ギリシャの国債を変えるような仕組みを作る。
結果、ギリシャ国債の金利が下がってきたので、借金ができるようになった。
一方フランス・ドイツはギリシャに対し、国の支出を切り詰めるように提案した。

まず行ったのは年金の切り詰め。
ギリシャの年金は非常に充実していた。
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日本の年金制度の一応の見通し→現役時代の5割程度
ギリシャの年金→現役時代の10割が貰える
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そして、ギリシャの問題の一つに「増える国家公務員」があった。
選挙戦の度に、候補者が「私が当選したらあなたを国家公務員にしてあげる」と公約する。
経済的に豊かとはいえないギリシャで、国家公務員になれればクビもないし、安定する。
それが選挙ごとに行われていて、政権が代わっても前に国家公務員になった者は辞めず、新たに国家公務員が増えていくという循環ができてしまった。

併せて、ギリシャでは脱税が横行。
例として商店で、「レシートを発行しなければ価格をまけてあげる」ということがあった。
レシートを発行することで売り上げがあった証拠になる。→売上額によって納税額は決まる。→これを出さないことで売り上げに記録されないので、その分の収益は納税額に反映されなくなる。
※歴史的な背景があり、ギリシャがかつてオスマン帝国に占領されていた際に、抵抗運動として「オスマン帝国に税金を払わない」という風習があり、その名残である側面もある

結果として、「税金は払わない」「公務員が増え続けている」「年金制度が手厚い」というむごい財政状況にあった。
これがバレると破たん不可避であったので、粉飾決算で隠していた。


■支出削減政策を受けて

公務員の数の削減や年金削減に対し、国家公務員がデモを行う。
こういった激しい反対運動は、ドイツやフランスにしてみれば「アリとキリギリス」のような構図。

→我々(ドイツ・フランス)がアリのように働いていた時に、ギリシャはキリギリスのように遊んでいた。
冬(経済的に苦しい時期)が来て助けてくれと言っても、我々からしてみたらやってられない。

メルケル首相が「ギリシャ人は、せめてドイツ人並に働くべきだ」と発言。
しかし、年間の労働者の労働時間はギリシャの方が多かった。
=ドイツは労働生産性を重視し、残業は殆どない状況だったが、ギリシャは漫然とした労働生産性であった。
※ちなみに、ドイツの労働者の労働時間は、日本よりも少ない。


■ギリシャ危機以降の対立

ギリシャ危機以降、財政状態が酷いヨーロッパの国のことを「PIGS(PIIGS)=豚」と呼ぶようになった。

P→ポルトガル
I→アイルランド
I→イタリア
G→ギリシャ
S→スペイン
※最初はイタリアは除かれていたが、後に入った

アイルランドを除けば、主に南ヨーロッパの諸国が財政が悪いと低く見られる。

「南ヨーロッパ=ラテン系の国々は陽気で不真面目」
「北ヨーロッパは真面目で安定的」という構図が出来上がる。

結果として、EUは南北で対立を深めていくことになる。
現在はギリシャやスペインの破たん状態は免れたとされている。
が、スペインの失業率が26.7%(2013年11月段階)という、4人に1人は仕事がないという状況。



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参考元「池上彰の経済教室 EUとユーロ その1」

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