直列☆ちょこれいつ

最近は神社や神道などの古い文書の解読をしています。
研究のまとめはカテゴリ『自作本』から。

ドライブの2

2005年09月22日 | 旅行


 支笏湖はこの前行った富士五湖なんかとは
比べ物にならないくらい感動したのに、
洞爺湖は……なんだかがっかりでした。
なにががっかりだったのかは
そのときはよくわからなかったのですが、
いま整理すると理由がいくつかあるようです。

 まずは、荒々しかったこと。
時間のせいかはわかりませんが、
支笏湖が湖だったのにくらべ、
波が荒くて海のようでした。
ただ、海のにおいがしなかったのは
ちょっと驚きです。

 次に、汚れていたこと。
ほんとの観光地なので周りには
ホテルのようなものもたちならび、
町並み……というか、人の思惑だけが
ねっとりとまとわりついているような気がします。
そして水も着た人がすてていったごみや、
枯れ草がうちよせていたりと、
おもわず水に誘い込まれるような
色はありませんでした。

 それから、周りの整備です。
支笏湖はただ車が入れる場所が
あっただけのようなものですが、
こちらはアスファルトなどで
整備されてしまっています。
いくつも駐車場があり、
まわりはわざわざ芝生を植え、
遊歩道のようなものを作り。
変な彫像がいくつもありました。

自然は自然でいいのに、
ここまでしてしまっては興ざめです。


 ふたりでがっかりして、
友達の目的の日帰り入浴をしようと
車を進めました。

そのうちに郵便局があり、
そこで別の友達あてに郵便を出そうと考えた末、
デジカメ写真をプリントして
はがきにして出そうということになりました。

そのそばにあるコンビニで
デジカメプリントができるので
これ幸いと思ったらプリント機械は修理中。
しかたなく自分あてに出して、
日帰り入浴の場所を探しました。

わたしの最近の趣味のひとつに、
証紙集めがあります。
オークションで定形外のスタンプを
おしてあるのをそのまま捨てるのはもったいなくて
なんとなく集め始めたら
なかなかおもしろく、最近では自分あてに
手紙を出すときは切手ではなくこれにしています。
するとそばにいたお客さんに、
どうしてそんなこと、と不思議がられました。

 それはそれとして温泉。
日帰りができるというのの値段が安いところを探して、
でもなんだか雰囲気が違うので友達が尋ねると、
なんと3時までだそうです。
今は3時45分。その後も別のところでたずねたら
午後1時で終わりだというところもあって。

 そばに観光案内所のようなものが
あったのを思い出して、そばに車をとめて
二人で出ようとすると、なぜだか
リュックを持っていったほうがいい気がしました。

しかも今まで何も言わなかったのに、
「リュック持っていく?」とたずねる友達。
これはなにかありそうだと
二人で変な気分になりました。

 これは……悪夢の再来? 
駐車禁止を切られるかレッカー移動?

 びくびくしながら降りて案内所にいくと、
閉まっています。
がっかりして向かいの小さな案内板を見ていると、
パトカーが近づいてくるのが見えて、
友達をあわてて車の元へ。
久しぶりに本気で走る友人。

 どうなったかなあ、注意されたのかなあと
心配していたら車が来て、
とくになにも言われなかったそうです。

 そのあと注意して見てみると、
どこももう終わったような感じ……。
そこでふと気が付くと、考えてみれば
泊まり客が動き出すころに
ぶらり客を入れていては
上客に不都合が生じるので
そんなことはしないのでしょう。
カラオケ日中100円のようなものだと
納得させました。


 軽く失望しながら、こうなればと
有珠山を目指します。
 そのときはすっかり失念していたのですが、
もともと洞爺湖を目指したのは
微妙ないきさつがあります。

 さっぽろ近くに来るなら、
湖にいきたいと思ったのがはじめ。
前の河口湖の影響なのか、
わたしの何かが求めているのかわかりません。

それから地図で湖を見ると
洞爺湖があるのを発見し、
どうせなら洞爺湖で柄に洞爺湖と入った
木刀を買いたいというのがわたしのたくらみ。
なぜ洞爺湖で木刀なのかは
わかる人にはわかるネタです。

そこで友達に調べてもらうと、洞爺湖への道で
支笏湖もいけるということがわかり、
とりあえずで冷やかしたはずなのですが、
実は一番楽しかったという
まさにわたしたちなドライブでした。

 有珠山をめざして走っていると、
すぐに赤むけたような岩が見えてきました。
お気楽な言い方をすると、
『森を叩いたらたんこぶができた』という感じ。

 駐車場に入るとなんとなくここも閑散としていて、
もしかしたらもうだめかとも思ったのですが、
こっそり入るとまだロープウェーは動いている雰囲気です。
たしか4時40分くらいで、最終の戻りが5時半。
上って左の展望台に行くのに往復で15分かかるということで、
なかなか余裕がありません。

 ロープウェーにわたしたちが乗ると、
二人のまま動き出しました。
105人くらい乗れるのが、お客はわたしたちだけ。
貸切気分でちょっといい感じです

 だんだん上にあがっていくと、
車で見上げたあの山がだんだんと低くなっていきます。
そして目の下になり、小さくなっていくのです。
あらためて、すごい高さをのぼっていくんだなあとびっくり。

 頂上につくと、風がつきさすような寒さ。
あわててもっていったジャンバーを羽織りました。
東京で言えば11月くらいの体感です。

 こうなれば、と左手がわにあるという展望台まで
ようよう歩くとだんだん暑くなったものの、
上りきるとまた寒くなります。

 目の下には海のようなものがあり、
いったいなにを見ているのかと思ったら
どうやら青森らしくてびっくり。
わたしたちとすれ違いで何人かがおりていき、
今ここにはわたしたちだけ。

こうなると……あれをやらねば、です。
「みーそー!」

 かつて合唱部だった声を震わせて力いっぱい叫びます。
するとすぐに、
「みーそー……」
 なぜか向いている方向とは違う山側から
声が返ってきました。

そこでさらに調子に乗って、
『やっほー』や『にくー』などなど、
気のむくままに叫んでいると、屋外放送が入りました。

 どきっとするわたし。

もしかしたら、ばかなことは叫ばないでくださいと
いわれるかと思っていると、
最後から2番目のロープウェーの発進案内でした。
しかもその放送のほうが音が大きく、
やまびこにもなっているので
再び気が済むまで叫んでみました。

ほかのところでこんなことをしたら変人扱いですが、
それができてしまうところが旅のいいところです。
……まあ、多少恥ずかしかったのですけれど。

 そのうちにどんどん日は傾いていって、
空の色がとても深い色を帯びていきます。
赤いような紫のような。
風は塩の匂いもせず、ただつめたく吹き抜けていきました。


   今日のベストショット

山の反対をみれば、山の陰が大地に大きく広がって。
日を浴びているわたしの姿も出ているはずなのに、
そんなのは見えないほどの壮大さです。
とても気持ちよくて、それよりも
何か悪いものが抜けたような、神妙な気分になりました。

 そろそろ時間なので戻ろうということになったのですが、
どうせなら反対側の展望台も見てみたいと思って
ちょっと足を伸ばすと、遠いどころか
ロープウェー駅のほんとにそば。
あわてて向かって2階にものぼって写真を撮りました。
気まぐれでのぞいてみてよかったです。

 最終ロープウェーではわたしたちのほかに2組ほど。
下につくとほぼ真っ暗で、
あとでのぞいてみようと思っていたお店も
すっかりしまっています。


 まんなかの駐車場にはわたしたちだけ……。
そこでともだちがふと冗談でいった言葉。
「車、運転してみる?」

 ぴきゅーん! 胸の奥のスイッチが入りました。

こんなに広ければわたしも運転できそう……。
そこで久しぶりに運転席に入り、友達は助手席。
ちょっと見ていてもらいました。

 ブレーキを踏み、キーを回転、
サイドレバーをダウン。
シフトをドライブにして、
ブレーキを離すと……動きました!
それでも意外と速くなったので
ブレーキを踏んだところ、友達の突っ込みが。

「左足でブレーキ踏んじゃだめー!」

 ああ、そういえばそうでした。
そこでだいたいわかったので、
外でわたしの勇姿を写真にとっていてもらいます。

まずは車庫入れ……。
これだけ広いと、どれを狙って
いれていいのかわかりません。
なんとなく場所を決めて、リア。
ふらふらと向かった後、さらに切れていきます。
あわててハンドルを戻してもだめだめ。
前に進み、後ろに下がり。なんども繰り返しますが、
ハンドルの切り替えがぜんぜんです。
後ろを右にいくからハンドルは……?

 あわあわ。

友達の車庫入れを見ているときは、
右に行くんだから右ハンドル、
なんてわかったのに自分でやってみるともうぼろぼろ。
むかしは車庫入れには自信があったのに……。

 そんなこんなで気が付けば日が落ちていて、
あの山道を帰るのは怖かったこともあり、
高速に乗って帰りました。
車についていたナビは大変おおあじで、
曲がるべき角に入っているときに
「次の角を右折です」なんて
いけしゃあしゃあと喋ります。
それを信じて次の角にいくと、
通り過ぎたので再検索します、と
画面に出てくるのです。

 高速では今まで喋っていないのに、
札幌南インターあたりで急に喋りだし
降りる場所かとおもって降りたら、
本来降りる場所は札幌北インター。
下に下りても高速の横を走るわけで、
ぜんぜん意味がわかりませんでした。
カーナビ装備なのはありがたいですが、
もうすこし気が利いたものにしてほしいと
ちょっと思った次第です。

 わたしの借家についたのは10時。
車を返すのは11時です。
後の話では今日だけで334キロ走り、
ガソリン代金は2600円くらいだったそうです。
ちなみに河口湖のときのガソリン代は2000円ジャスト。


 なかなかたのしいドライブになりました。
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