寝ようとして枕元の耳栓をみたとき、ものすごい違和感に気づきました。
たしか昨日までの耳栓は、表面がもっとつるつるしていたはずなのに、
目にするそれはごびごびしています。
これは……? と考えると、即座に思い至ったのがあれの存在です。
多少疑う気分もありましたが、考えてしまってはもう止まりません。
とりあえず耳栓をごみ箱に投げ入れ、
どたどたと音を立てて存在をアピールしてからびくびくと寝ました。
そして、次の日。
部屋に入った瞬間、ものすごい違和を感じました。
そこにあるべきものがない、そこにあるべきでないものがある、
それは大きな脅威です。
とりあえず反射的に部屋を飛び出し、スプレーを取って戻ります。
その視覚に対する暴力的な黒い塊はその場から動いていなかったので、
見たくもないのにひたすら動きを伺って、
こっちにこないように願いながらスプレーを吹きかけます。
下に落ちていやな音を立てながら動くところにもかけます。
これで倒したと思い、すこし離れて気分を落ち着けてから戻ると、
倒した成果がどこにも見当たりません。
びくびくと物を動かしてみますが、
隙間に落ちている感じもありません。
あれだけやったのに逃げられた……!?
愕然としながら探しますが、やっぱり見つかりません。
でもそれから4時間くらいあけて、また部屋に戻ってみると
最初に見たあたりの場所にまたいました。
今度はもう容赦はしません。
さっきは周りに薬が散ったらべとついて嫌だとか、
部屋の中に殺虫成分が散って嫌だとか考えていましたが、
あれを逃しておびえるほうがもっと嫌だとわかったからです。
そこでひたすら狙いうちしたところ、
今度は完全に動きを止めて下に落ちました。
とりあえず掃除機で吸って処理終了です。
本当に嫌な時間を過ごしましたが、
とりあえず倒せてよかったです。