豪華なお弁当

豪華なお弁当が買ってありました。
なにかと思ったら、普通なら持ち帰りはやっていないようなお店の
持ち帰り用お弁当のようなものだそうです。

このコロナ不況で苦しむ中、なんでそんな贅沢を……
とわたしは思いますが、言うには、
コロナが終わったら持ち帰りは やらなくなるんだし、
せっかくだから今のうちに今しかできないことを
楽しんでおけばいいじゃない
と。

驚きました。
そんな概念はわたしにありません。

わたしには稼ぎもないし、なるべくお金をかけず、
最後苦しんで死ぬときに向かって、
粛々と最低限の暮らしを進めるだけだと思っていました。
でも、日々に楽しみを見つけるなんて。
なんて前向きな気持ちでしょうか。

正直わたしは、旅行に出たら、その旅行先でしか食べられない
高いものなどがあっても食べません。
基本的に、旅行という無駄金をすでに使っているのだから、
すこしでもこれ以上の贅沢は控えなければと、
おにぎりと水とかで済ませようとする人間です。

土地のお店にでもはいって、土地の空気を感じながら
土地のものでもお金を気にせず食べられれば
楽しいんだろうなあと思いますが、
贅沢をすると考えるだけで罪悪感で押しつぶされそうです。
わたしは旅をまともに楽しむこともできません。

この、魂の奥にまでねじこまれた
贅沢は敵、みたいな気持ちはなんなのでしょうか。

こんなわたしでも、三億円くらい与えられたら
どこかの成金みたいに意味のない豪邸を建てて
無駄な高級車を買って、
ザギンで無駄に高いシースーをベーターするように
なったりするんでしょうか。

そういう実験なら受けるのはやぶさかではないので
たわむれに三億円くれる存在が現れて欲しいものです。