牡蠣と毒と食糞

一般的に食材として用いられているもので、
わたしが強制されない限り口に入れたくないすこしのものは、牡蠣です。

チラシで生牡蠣の写真を見るだけで鳥肌が立つくらいなので、
たぶん前世にでもよっぽどひどい目にあったのでしょう。

火を通してもすごく苦手で、カキフライを出されて、
食べろと命令されたときには、
ソースを衣の色がなくなるまで全体にかけ、
しょっぱさで味をわからなくしてから、
鼻をつまんでなるべくかまずに飲み込む、くらいでしか食べられません。

食べられるか食べられないかの二択で言ったら『食べられる』ですが、
正直まったく食べたいものではありません。
心情的には生きたハチノコをかじって殺しながら食べるのと
似た感じの嫌さです。

という感じの牡蠣ですが、好きな人は牡蠣のどこが好きなのでしょうか。
牡蠣の何が好きなのでしょうか。
どこを食べれば牡蠣を食べたとして満足するのでしょうか。


この前、牡蠣やフグの話を見た後でぼんやり考えていたのですが、
牡蠣やフグは毒を食べ物から摂取しているそうです。
とすると、毒がたまる部分をのければ、あたらずに食べられるわけで。

加熱用の生牡蠣は、加熱で毒が分解されるのでそのまま、
生食用の生牡蠣は、生で食べられるように、処理をしてから
出されるという話を聞いたことがあります。
とすると、牡蠣のほうの毒は捨てられる、ということになります。

……ならば、牡蠣の毒成分は、
腸とかにたまった便のところにあるのではないでしょうか？

考えれば、熊や鹿を狩っても、肛門周りは毒で、
破裂したらくさくなるし食べられなくなるからと
肉を大きく切って捨てるはずです。
他生物の便なんて、わざわざ食べるものでもないでしょう。
なのになぜ、牡蠣だと好き好んでうんちも一緒に食べるのでしょうか。

牡蠣が好きという人は、牡蠣のうんちが好きなのでしょうか。
牡蠣の大便も一緒に食べなければ気がすまないのでしょうか。

肉の種類で牛が好きという人は、牛の大便はたべません。
たぶん好き好んで食べる人もいないでしょう。
なら、牡蠣が好きという人も、別に大便を食べなくても
いいのではないでしょうか。

生牡蠣が好きだけど、中るのは嫌だという人がいたら、
生牡蠣は生牡蠣のまま、腸含め大便部を取り除いて食べれば
わたしの想像上では中らずに食べられると思いますが……
食糞しないと満足できないのでしょうか。

わたしは巻貝でも牡蠣でも魚でも、大便の場所は食べなくていい派です。