京都に行ってきたという友達が、
緑寿庵清水というお店の金平糖を持ってきました。
なんでも、おいしんぼに直接でてきたお店なので寄ってみたのだとか。
珍しそうな味のそれをわくわくと口に入れてみると……
――なんちゅうもんを食わせてくれたんや……
なんちゅうもんを……
こんな旨い金平糖は食べたことない……
これに比べると、今までの金平糖はカスや
と、思わず言葉が漏れるかと思いましたが、
そんなことは一切ありませんでした。
スイカバーの味がする金平糖と、
小さな四角い箱に、四個まるいガムが入った
マーブルガムを思わせる味がする金平糖。
人工的な臭いと味がして、別においしいものではありませんでした。
そんな感想を出し合ったのちに
これが本当に有名なの? とたずねるとがっかりする友達。
実は、そんなマーブルガムやスイカバー程度の味のものが、
まったく安くないどころか、お高いものだったのだそうです。
ものによっては一万二万するものもあるのだとか。
同梱の冊子を見てみると、
旅館に飾れそうなかわいい引き出しのもの、
ちょっとしゃれた陶器のものと、おもしろいものがあります。
たしかにお高そうです。
この、見た目はおしゃれでお高そうなのに
食べてみたら別になんてことない味という残念さは
東京で例えたらどんなものだろうと
友達に訊いてみたところ。
すこし考えた末に、
「TAKANO じゃない?」
そう言われると、確かに。
ケーキのお店のTAKANOは、見た目はかわいくてきらきらして、
お値段も高いのですごくおいしいのだろうと思わせるのですが、
食べてみたら別になんてことありませんでした。
あのお店はわたしたちの中では、
見た目と値段さえよければ味はどうでもいいという
外側至上主義の人におみやげを買うお店という位置づけです。
とりあえずは緑寿庵清水はTAKANOのようなお店、ということで
わたしたちの中では落ち着きました。
わたしは香料にすごく苦手なものがあるので、
今回はとても気になりましたが、
ほかの人はあれが気にならないのでしょうか。
香料なんか使わずに味で勝負する金平糖のほうが
おいしそうに思えますけれど。