PS3のゲーム、アトラスの『キャサリン』をクリアしました。
一言感想は、『意外とおもしろい』です。
基本はパズルゲームなのですが、
爽快感がまるでないのがマイナス点です。
ゲームの雰囲気としては、かつてのファミコンの
『ソロモンの鍵』みたいな感じです。
ただ、向こうはパズルっぽいゲームでも、
クリア手順に再現性がありました。
でもキャサリンはクリア手順に再現性がありません。
その点も、普通のパズル系ゲームとは違います。
その違いが、プラスになるのかマイナスになるのかと言えば、
わたしには正直マイナスとしか思えません。
このゲームでいちばん邪魔なのは、
そのランダム性だと思うからです。
わたしはやさしいモードでプレイしましたが、
ボス戦などは理不尽にきつくて、
二度ほどコントローラーを投げかけました。
ゲームを破滅的に悪くしているのが操作性です。
立体で描かれた四角い石を押したり引いたりして
足場を作って上っていくのですが、
手前に引くうちはいいものの、
奥に押すとまったくわからなくなるのです。
フィールドの残り時間やボスの追撃は秒単位で成否が分かれるのに、
カメラのパンはすごくゆっくりです。
体感で5秒くらいかからないと、真横からの視点に動かせません。
しかも、カメラはそれ以上後ろに回りません。
なぜ見えないのかは疑問が残ります。
個人的には、カメラ視点は45度ずつとか、90度ずつとかで
回転できるようにしてほしかったです。
また、見えているときの操作は思うとおりに行くのですが、
見えないところに行くと、操作がおかしくなるのは困りました。
普通なら、右に行きたいと思ったら、
右・右と連続で押しても右に行きます。
でも裏側に入ると、右・右と右だけを押していても
表には出てきません。
表から見えそうな場所に来るとキー操作が入れ替わるため、
右・右・左と押さないと、同じ場所をうろうろするだけなのです。
まったく意味がわかりませんでした。
そのため、ろくに回転できないカメラでは主役がどこにいるかわからず、
いつキーを入力すればいいのかもわからず、
後ろに行って見えなくなった時点で、
70%は死んだも同然になるのです。
イージーモードならアンドゥで一手戻せますが、
イージー以外では戻せないのですごく不便です。
戻せるイージーでも、地味にいらいらがたまって行きます。
カメラワークの悪さは、とにかくめだちました。
ボス戦闘ではとにかくボスが攻撃してきて
一撃でやられてしまうので、秒単位を争って逃げるしかありません。
でも、カメラが上から下からとぐいんぐいん動くので
自分がどこにいて、どの石をつかんでいるのかが
まったく見えなくなることもあります。
そういうときに入力中だと、触れるだけでやられるつぼに
勝手に入れられてしまうことも何度もありました。
なんというか、パズルゲームなのか、アクションゲームなのか
区別がつかない感じです。
いっそまとめてパズルアクションかなにかに
なってしまうのかもしれませんが、
それは正直微妙だったと思います。
ラーメンと半ライスでラーメンライスならおいしいですが、
ラーメンの中にライスをぶちこまれたら、
どちらも台無しになってしまう、ああいう雰囲気がします。
操作も、石をつかもうと振り返るのに、
その前に石に飛び乗ってしまうなど、
ミスがしやすい操作になっているのが気になりました。
つかむなら必ずつかめるような方法にしてほしかったです。
話は結婚に踏み切れない男性が浮気をしてしまい、
のらりくらりするもので、途中修羅場に陥ったりして
先が気になる感じではありました。
バーの雰囲気などもにおいが伝わりそうに描いていて
なかなかよかったです。
ただ、一度目でネタが割れてしまうと、
二度目に行く気がしないゲームでもあります。
クリアデータを使ってニューゲームができるならいいですが
どうもそうではないみたいなので、
またはじめからやり直さないといけません。
すると、初心者でもないのに、最初のチュートリアル説明が
ぼこぼこでてくるのはすごくうっとうしく思います。
ノーマルでもちょっとやってみましたが、
アンドゥがないとすごくつらいです。
ボスの激しすぎるランダム攻撃などは、
ランダムボックスでジャンプが出るまで
アンドゥを繰り返して逃げ切ってきたので
ボス戦闘をクリアできる気がしません。
雰囲気はおもしろかったですが、
ゲームとしてはまだ未完成という感じがしました。
今後そこらへんが改善されるとしたら、
格段におもしろくなりそうなゲームだとは思います。