久しぶりに宮本輝さんの小説を読んだ
三千枚の金貨(上)(下)
桜の木の根元にメープルリーフ金貨を埋めた。1/4オンス、1/2オンス、1オンス、合わせて三千枚。みんな自分の金でこつこつと買い集めたのだ。場所は和歌山県。みつけたら、あんたにあげるよ」。斉木光生は五年前大腸ポリープで入院していたときに聞いた、ある男の話を思い出した。その男は、芹沢由郎と判った。芹沢は本当に一億円を超えるほどの金貨を埋めたのか。ついに金貨の場所は特定できた。だが、光生等は金貨を掘り起こすのをやめ、ある約束をした。金貨よりもはるかに大きな宝物を見付けるために……。