4話 目的
当然帰ったと思っていた守里だったが、ジャンク屋の前で鏡と安藤は腕組みをして半分睨んだように守里を待っていた。
「…あのさ、ごちゃごちゃしてからなんだけど、待ってたんだぁ」
と頭を掻きながらいいわけをした。
「心配したんだぞ!ったく…」
と鏡は言いつつ興味深々で、「何があったんだよ、え?ただ買ってきたわりには遅いしなぁ」という話になったのを安藤。
「目的のものは見つかったのか?ってか買えたのか?」と聞いた。
「それは…まあ!ってかなんて言えばいいんだろ…まあ大丈夫!かな…ん!」と変な返事をした守里。
「何か怪しいこと満載なんだけどなぁ、剣って秘密主義者か?」
と言い出したが、それを遮るように安藤は根っからの優しさもあったのだろう「まあさ、無事に帰ってきたんだし良しとしようぜ、な?」すると鏡も仕方がないように安藤も頷き、「ま、そうだな、無事な姿見れただけで良しとしますか」
何だか仕切り役みたいにその場は落ち着いた。
安藤は根っからの優しいところから、安藤は「あんど」
イイ奴なんだけどちょっとずるがしこい鏡は、「かが」というあだ名がついていたのですが、
そのあんどもかがも自分の家があるのでそこへ帰っていくことになりました。
何とか切り抜けたなぁと思っている守里でしたが、守里はジャンク屋にあるプレハブ暮らし。
守里はガリレオ号でのことを、夢のように感じながらプレハブ小屋。
守里剣はあえて「百夜(ビャクヤ)」と呼んでいる自分の家に帰っていったのだ。
ところがお腹はゲンナ号で満たされているはずなのに、何だか眠れず倉庫に行くことにした。
シュッとした顔の部分、大きく広がった肩の部分、スッキリとしたボディを眺めながら、
ゲンナ号にはあるけど何が足りないかを細かくチェックするように見始めた。
相変わらずの工具は持ったまま、自分が必要なのは武器だけじゃないと痛感していた。
日本を離れてイタリアに来た守里たちは、いつか大きな夢を叶えるためだった。
鏡や安藤とは違った夢が守里の中にはあった。
守里は真剣に確認をしていたのだ。
「やっぱり武器だよなぁ…でもその前にエネルギーはどうすんのさ」
途方に暮れながら白夜へ帰っていくことにした。
そういえば…「明日の夜ね、またゲンナ号に来てくれるかなぁ」
とのセイナとの約束を思い出して、またゲンナ号へ行ける!と熱意すら覚えていた守里剣。
それと同時に、ゲンナ三姉妹とトキノのことで緊張したことも思い出していた。
倉庫を出る時、振り返った守里は、
「完成させてみせるからな!」
と真剣な顔で倉庫を後にして帰路に着いた。
「カンナ姉、あれってどうよ?」
とララに言われたカンナ・唯は、訳が分からないようにパンを食べながら、「ん?」
と聞き返した。
ララは「なんでもない…」と、内心、ビーフシチュー食べたのにまたパン?と呆れていた。
「分かった!ララちゃんさっき!の自動戦機でしょう?」
と言い、ララの様子を見ながら、「…気になる存在登場よね、この先関わっていくことになるかも分からなし…」と夜更けは飲まないといっていたコーヒーを飲んでいた。
「んで、肝心なセイナちゃんはどこにいるわけなの?」
とトキノが聞くと、
カンナとララは、同時に「コックピットで考え中!立ち入り禁止だって」顔を見合わせ出すが「さすが姉妹!意気投合ね!」と怪しくクスッと笑った。
セイナは、コックピット内でロロナと計算しながら、
刀をあの自動戦機に合う、しかもエネルギーのかからない方法を計算していた。
「自動戦機の大きさ、きっちりスケッチに描いたつもりだったのになぁ」
と手の部分を描き忘れたことにかなりショックを受けていた。
「ロロナ~大体分からないかなぁ」ときゅんと悩みながら聞いてみると、「入力ミス、入力ミス、珍しいなぁ~」とロロナは答えてセイナは残念に思い落胆した。
「立ち入り禁止さんはどうなんだろね」
とトキノは唐突にカンナやララに言った。
「私たちの目的はマーズの鉱石を取り戻すことが最優先なんだから!」
と言い「窃盗罪で訴えたいところよ!」と怒りが込み上げてくるような感じでいた。
「まあね、でもね、あの自動戦機が動いて戦えたとしたらどう?戦力になるわ」
とトキノは言いだした。
ララは手を挙げて「カンナ姉に関わってきているんだから、自動戦機は関係ないと思う」とまた座ってすねたように言う。
しばらく沈黙があったのち、セイナのいるコックピットの方をみんなで見た。
「悪い子じゃないわねあの子」とトキノがいうと「まあ、ちょっとドジっぽいけど真剣な目をしているわね」とカンナも答える。
ララは黙っていたが、まあ悪くはないけど、けどなのよ!と思っていたのだ。
「あの~…明日の夜、また剣を呼んだんだけどね」と恐る恐る聞いてみると、みんなでため息をつきながら、「ああ、もう勝手に…」
と言いかけるララに、トキノとはカンナは仕方ないかと諦めるように、カンナが「いいわよ、だって呼んでしまったんでしょ?」と。
「カンナ姉ありがとう!トキノさんも、ララ姉も!」と満面の笑顔で答えると、ララは手を挙げながら分かった、分かったという意味を込めるのだった。
「今日はロロナと一緒に寝るからね!」と本当はエネルギーのこと、刀のことを考えたいから言うと、みんなは察していたので、どうぞどうぞという意味を込めて、部屋へと向かっていった。
朝になる頃までセイナはエネルギーのことや、刀について考えていたが、気付くと午後になっていて、いつの間にか眠ってしまったようだ。
ロロナはひたすら、「午後2時になったよ~起きて~ちょ」
と繰り返し言っていました。
え?ずっとロロナは繰り返し言っていたのに気付かなかった!
頭を叩いたり、首を振ったりしてみた。
青ざめながら、カンナたちのところへ行って、「なんで?起こしてくれてもいいのに~」
星月が言うと、みんな澄ましたようにいて、葉月が、
「セイナ…立ち入り禁止の紙取り忘れているから」
というと、トキノもララも笑いながら、「いじわる~、あ、でもあたしが書いたのか、えへ」
と、舌をぺろりと出しながら頭をポリポリ。