第23話 「GV(ジーヴィー)」
「GV(ジーヴィー)だけじゃない攻撃方法が出来上がったよ」
シークル艦に呼ばれていた守里は、整備士のサイから聞こうとしていた。
これから教えてもらう段階だったが、ベラーナから連絡が入った。
「シークル艦!デロリデ2機がそっちに向かっている!こっちはどうすれば良い?追うか?」
アル・レレン艦長から指示が飛ぶ。
「Gビャクヤ発進!GV(ジーヴィー)使用可能!ベラーナ機待機!シークル艦このまま維持!」
守里が急ぐとサイが急いで告げた。
「GV(ジーヴィー)はここぞという時に使うんだ!紫に光ったら両手剣でVの字に!」
頷くことしかできなかったが、急いでGビャクヤに乗る。
「Gビャクヤ発進!」
シークル艦においては発進時に勢いをつけるための装置がある。
カウント5秒後に飛び立つようになっていた。
守里は最初違和感があったが、今では勢いがある分馴染んでいた。
シークル艦では麻生がサイと話していた。
「GV(ジーヴィー)だけじゃないって何だい?」
「まだ使うことがないだろうけど、広範囲に渡って残像を残してクロス攻撃するんだ」
麻生が興味津々で聞いているとサイが自信有り気に言った。
「まだ守里君には話していないけどね。「アトランデス攻撃」と名付けたよ」
サイがつけた名前だったが麻生はニッコリしながら、こう言った。
「他にもベラーナとの連携攻撃でもあれば良いがな」
サイは考え込んでから、ベラーナ機の設計図を取り出した。
Gビャクヤとベラーナ機ができること…サイは麻生に告げた。
「よく調べてから一緒に考えてくれないかな?麻生さんやリリアンさんの案も必要だから。それに2機をよく知っているし」
麻生は快く了解すると、デッキに向かった。
サイは整備士として残っている。
デッキでは、Gビャクヤにデロリデが近づいていることを告げていた。
20kmと近い。
「まずはミサイルで!」
デロリデが二手に分かれる。
それは守里も想定していた。
Gビャクヤの両手刀が青く光った。
「死にたくなければ離れろ!」
オープン回線を使ってデロリデに向かって告げるが答えはなかった。
「GV(ジーヴィー)しかない!」
守里の乗るGビャクヤの左側、シークル艦からは右手に入る位置のデロリデに攻撃する。
V字型に切り刻んだようになって爆発した。
勢いのまま突き進むと、右手から逃げまずにデロリデが攻撃してくる。
「このまま!」
守里が同じ手を使おうとしたが、連続で使えるとは聞いていない。
「やってみるさ!」
デロリデが攻撃してくるのをかわしながら、もう1度GV(ジーヴィー)を使う。
かわそうとしたところを狙ったためか、斜めにV字のようになったがそのまま爆発した。
あのままだと、右から来たデロリデのコックピットは大丈夫そうだった。
おそらく生きている。
最初の左から来た方はダメだろうと思った…大破している。
その光景はシークル艦からも見えていた。
2度も使えるとは誰もが予測していなかった。
守里の秘めている力なのか、Gビャクヤの持つ特別な何かなのかは誰にも分からなかった。