ねここねこの家

アモクロノス~旅の戦い(battle of the journey)~ 39話 「マイール艦」

39話 「マイール艦」


「缶バッチには、友達が書いた『勇気』の言葉しかない」


守里は賭けに出るように答えると、マイールは意外にあっさり答えた。


「良い言葉だな。『勇気』とは」


拍子抜けしそうな、でも緊張していた守里とベラーナが顔を見合わせるとさらに話し出した。


「これなら何も言えないだろう」


無線からトキノの声がしたが、らしくない返事だった。


「旅を邪魔してはいけない。戦いが始まるから。教会の近くにある」


ふっと微笑みながらマイールは言った。


「セイナ・凛、解読をしてもらおうか?」


守里はトキノがシロハタ・カンパニーの人工知能で完成させたのがセイナだったことを思い出した。

ベラーナを突いて走るように促すと、ベラーナはセイナを連れて走り出した。


滑走路までそんなに遠くはないはず。

守里は後ろを気にしながら走った。

不思議と誰も追ってこない。


Gビャクヤとベラーナ機まで来ると、ゲンナ号が近くに見えて驚いた。

しかも攻撃をしている。

Gビャクヤは2人乗れない。


「セイナ!早く!」


ベラーナ機は先に飛び出している。

セイナが困っていると、近くにマイールがきていて拘束してしまった。


「セイナ!!」


守里が叫ぶと、ベラーナが叫ぶ。


「一旦ゲンナ号に行こう!幾ら何でも不利だ!」


セイナを置いてベラーナと共にゲンナ号へ急ぐ。


「必ず来るから!!」


守里には考えがあった。

麻生が改造が足りないと言っていたことで、万全の体制で臨みたいと。


不思議とマイールがセイナを殺すとは思わなかった。

奴らがマーズの鉱石が必要ならくれてやってでも、セイナを取り戻すと守里は決めていた。


マイールはセイナに告げた。


「人質になるっていったならこれが本来だよ」


平然と答えるとセイナも落ち着いて答えた。


「トキノの暗号は解読できないから」


初めてマイールの表情が変わって言った。


「君はかなり変えたんだね。トキノを。いや、あの人工知能を」


セイナはチップを全て変えていた。

欠陥があるとしたら言語だったかもしれないほど、完全に変えていた。

セイナの腕を引っ張ってコックピットまで急ぐマイール。


「出るぞ!」


マイールの言葉とともにアゼラの戦艦も動き出した。


優しく頼もしい主人とねここねこ。猫ちゃんず(しまちゃん♀おおちゃん♂さきちゃん♀)と生活中。

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