第31話 「脅威となるアゼラ」
「かなり力がある割には出てこない…が、どこか怪しいと思わないかい?」
いつもはコーヒーを飲んでいる麻生は紅茶を飲みながら話し出した。
キッチンにいたみんなも、どこか異様なアストラーダの言葉が気になっている。
口火を切ったのはトキノだった。
「ゲラザロナな強化されている…としても、アゼラ自体はどうなのかしら…」
アル・レレン艦長はその場にいなかったが、麻生が言葉を放つ。
「Dと名乗る人物じゃがな、多分どこかに何かを隠しているかもしれん。それが証拠に戦力がないならゲラザロナはとっくに出てきていてもおかしくない」
その場にいた守里やベラーナ、麻生やリリアンもその意見に納得をした。
セイナは、整備士のサイと何か強化について話し込んでいてその場にはいない。
トキノは麻生と同じ紅茶を飲みながら、ふと思いつきを話し出す。
「まだ…そうね、はっきりしないからだけど…アゼラには隠している何かがあるのかも。それがどれだけは分からないけど…」
守里が気になっていたことを話し出した。
「マイールの姿がないっておかしくないですか?D…つまり親父も隠れているような存在に思えない。去っていったゲラザロナがあのまま無事とは思えないし」
麻生とリリアンが顔を見合わせて一言。
「守里君はかなりマイールの存在が気になっているようだね」
麻生の言葉に守里は答える。
「あのままマイールが生きているとは思えない状態だった。でもマーズの鉱石と一緒に存在があるのが不思議だから…」
そこにいたメンバーの誰もがその状況を知っている。
トキノが話し出す。
「瀕死でも生きていられるって何かあるのよね…じゃないと説明つかないわよ」
ベラーナだけはパンを食べながら緊張感なくいた。
もぐもぐさせている状態から紅茶で潤させて答える。
「クローンなんじゃねぇの?ってないか」
麻生は血が出ていることからもそれはないと否定した。
リリアンがゲンナ号では何も分からないか、確かめてみると言った。
ゲンナ号からタイミングよく通信が入る。
アル・レレン艦長が通信を受け取った。
「ロロナの話によると大変よ!アゼラには部隊が残っている!20機はくだらないわ!」
カンナの言葉にアル・レレン艦長は思い出していた。
確かゴウラムとか言った部隊がいたが、戦力は当時なかった。
アル・レレン艦長はカンナに言った。
「武器が中距離のミサイルで飛行形態のか?」
カンナが驚いたようにまさにその通りと告げる。
その話は守里たちに伝えられた。
アル・レレン艦長はさらに告げる。
「ゴウラムで間違いないな。まさか使われているとは思わなかったが、復活しているのか。極端強くはなかったが、強化されているかもしれん」
リリアンが考え込んで分析をしつつ、答えを出す。
「…多分、それが最終的にゲラザロナと現れるかもしれないわね」
麻生がヒゲに触りながら話し出す。
「アストラーダはその前の力試しってわけか。しかも戦艦もいるからな。思うがゲラザロナは2機残っているが、そこにマイールが乗る可能性は高い」
ベラーナが真剣な口調で話し出す。
「大体の戦力は分かってきたな。あとはどうするかだ」
話の途中だったが警告音が響いた。
「Gビャクヤとベラーナ機出撃用意!」
何事か分からなかったが、守里とベラーナが急ぐ。
アル・レレン艦長は信号がどこからかチェックする。
ジャイワナーゾが死海からは離れているものの偵察に出ていた。
Gビャクヤとベラーナ機が発進の準備をする。
「Gビャクヤ発進!」
「ベラーナ機発進だ!」
死海のシークル艦が気づかれないように、間合いを見て2機が別行動をとった。
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