第21話 「ダズラル攻撃のミス」
新型デロリデだったがシークル艦から離れて、守里に少しずつ近付いていた。
シークル艦はバミューダ海域から少し離れることにした。
レーダーからは入らない場所なことに変わりはない。
「イギリス領域ですが、海域の許可は得ていますから。アメリカからも」
シークル艦の広報のライは、アル・レレン艦長にそう告げた。
イギリス領域やアメリカ海軍の許可を得ているなら領空侵犯にはならない。
アル・レレン艦長は麻生にバミューダではない、イギリス内の別の場所に行くことにした。
守里から少し離れることになるが、新型デロリデに見つかってもまずい。
戦艦が飛んでいるところでも、下に人の気配はなかった。
「剣!新型デロリデは何機だ?」
リキュール酒でクラクラしていたものの、ベラーナは徐々に意識がマシになってきて質問した。
「新型デロリデだけじゃない!新型ジャイワナーゾがいる…おぼつかないようだけど」
新型デロリデにはベテラン操縦士らしい人物だろう。
新型ジャイワナーゾは新米なのかどこかフラフラしている。
「ミサイルは使わない!この刀で!」
新型デロリデに向けて刀で立ち向かう。
慣れている様子でハサミのようになっている部分で刀が捕まった。
サーバ攻撃とかいう刀のような行動じゃない。
いつの間にか無線がオープン無線になっていた。
「ダズラル攻撃を使え!」
相手の無線が聞こえてきたが、聞いたことがない攻撃だった。
何をする気なのか!と思った時挟まれた部分とジャイワナーゾのフェンシングのサーブル部分から雷のように電気が走った。
「させるか!」
守里の両刀が青く光りサーブル部分に直撃した。
そのままならおそらく感電していただろう。
サーブル部分をジャイワナーゾが離した。
「何をやっている!」
相手の声が丸聞こえだったが、どうやらミスったらしい。
「このまま一気に!」
GV(ジーヴィー)を使う必要はなかった。
あれは完成させてから、アストラーダに対して使うことのなるだろう。
新型デロリデとジャイワナーゾが重なった。
「今だ!」
ここで使うしかベテラン操縦士に向かう方法はない。
パワークロノスを使う。
新型デロリデとジャイワナーゾに向かって発射した。
至近距離からは無理だったが、この場所なら効果がある。
「いっけー!」
新型デロリデとジャイワナーゾを貫通した。
大きな爆発が起こる。
シークル艦からオープン回線じゃなく連絡が入った。
麻生が守里に聞く。
「大丈夫なのか?ここまで火花が見えたが?」
守里は冷静に答えた。
「新型デロリデとジャイワナーゾは爆発して散っていきました。ダズラル攻撃とかいうのが成功していたらまずかったですが、ミスったみたいで…」
アル・レレン艦長と麻生はお互いで感じていた。
相手もバカじゃない。
新たな攻撃が加わったことで、Dの存在を改めて感じていた。
そして麻生が言った。
「アル・レレン艦長…守里君の父親は完全に敵に回っていますね。アストラーダの味方のようだ。マイールの仲間でもある…」
アル・レレン艦長は頷きつつ、黙って聞いていた。