現実世界で明るく振舞うが、本音を見せない心に病を持つ少女サラ。
カウンセリングに通っても、淡々と話すために心が通じない。
あるとき夢か現実か分からない謎の世界にいる。
そこで出会った少年アイザックに謎の世界はノクスという名と知る。
自分を表そうとする現実社会と違いノクスで安堵を覚えるも、謎の異世界で出会いと裏切りにあいながら、戸惑いつつ恋愛を知らないがために彷徨い、本当の気持ちに向き合う物語。
プロローグ(序章)
「たまには淡々と話さないサラさんに会ってみたいね」
ため息交じりに半分笑みを浮かべて話すのは、カウンセラーのサト。
「これが普通なので…」
困った様子で話すも、サトにはこの病院が好きで本心を語っているつもりだった。
家族の愛を知らない。
それをサトは知っていた。
ー「私は忙しいんだから!」
参観日だけではなく、3者面談も家庭訪問も無視をする父親と母親。
不思議な想いで家族はこんな感じ何だと思っていた。
幼いときから、日夜問わず家にいない両親に疑問すらなかった。
これが当たり前だと思えばそうなっていく。
同級生が笑いを交えて両親と話す光景が不思議だった。
無視のように自分の存在はなかった。
たまに朝方起きたときや夜帰ってくると、ちょっとしたことで罵声が飛ぶ。
「カウンセリングを受けた方が良いですよ?」
学校の言葉に家族が同意するわけもなく、意味も理解できないまま時間は過ぎる。
転校する前は、その上にさらに悲惨な無視が学校でも近所でもあった。
いじめと片付けることができないほどの状況。
急な転校でも変わることはなく、近所が知らない人に変わったのみ。
学校のいじめもそれほどではなくなった。
家族が変わることだけはなく、当たり前のように続く。
初恋を覚えたのもこの頃。
でもそれが何かに発展することはなかった。
幼少期の家庭も、中学では少しだけ変化があった。
自分勝手ができたから。
極端曲がることはなかったことは「これが当たり前」と感じていたからかもしれない。
刻は流れサラは中学を出て職に就き、18歳になっていたー
そんな家庭環境で育った主人公サラが遭遇する未体験ストーリー。
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