時代は戦後あたり。大正レトロの懐かしさもありつつ、戦後の混乱期のようなバタバタ感、場所も日本のような、海外のような。
木目が美しい豪奢な建物の中、豪華なソファで、くつろいでいる。となりにはスレンダーな女性がこちらを見つめて座っている。女性の服装は、モダンガールという言葉が似合いそうな赤いドレス。戦前の「愛人」か「女スパイ」という単語がしっくりくる雰囲気。顔は分からないけど、美人だと分かる。
僕の服装もコットン素材の白っぽいスーツにネクタイ。まったくしないスタイル。われながらオシャレ!
そこに1,000万円近いお金が紙袋で届けられる。「このお金は?」と聞くと政府官僚のような人が「革命は成功した」と。その成功報酬の半分と。もう半分は別の人が受け取ったらしい。それが伝えられているさなか、外が騒がしくなっていく。
事態は飲み込めないけど、周りの人たちの話を要約すると
・いまは混乱期
・他国の指導者の暗殺に成功(この報酬)
・その国は、新体制に移行
・その中で、この国にも内乱が起きた
とりあえず、ここは危ないということで、避難することに。ある程度の荷物を持って、女性や仲間とともにかなり電車に向かう。
もちろん自動券売機はなく、窓口に並ぶ。が、やや混雑。前に並んでいる人を見ると、I先生。10年以上前に辞めた医師。となりには白いドレスの女性。手をつないでいるわけではないけど、女性の手をつなぎたいけど、つなげない、奥ゆかしい態度から恋人同士な感じが伝わってくる。
みんな順番を待ちながら、外の喧騒を気にしている。白いドレスの女性はI先生の順番になった時、顔を覗き込むように横を向いた。中学時代に大好きだったKさん!! 当時の可愛らしさ全開の横顔! いや待て待て、あれから何年経ってる、もっと大人びていないとおかしい…。でも、久しぶりに見かける(思い出す?)と、嬉しい! でも今はI先生の恋人なんだろう…。こちらも赤いドレス女性がいっしょだし(関係は分からないけど)、アクションしづらい…。
そうこう考えているうちに自分たちの切符を受け取り、引きずられるように電車に向かう。
電車は新しいけどレトロ。床は板張り、座席はなく、吊り革もない。手すりをつかんで乗るスタイル。電車の外は、逃げ惑う人々が走ったり、険しい顔で話し合っている。
切符を買うあたりから「夢だな」と感じ始める。「夢なら何してもいいんじゃない?」と。女性との関係性はよく分からないけど、少し触ってもいいんじゃない、間違いなく夢だし、と、目の前に立つ赤いドレスの女性の左手を軽く手を握る。女性は驚くことも嫌がることもなく、白く細い指が握り返してくる。
悪くない関係なんだな、と
思ったところで、目が覚めた。
おしい…。気づくのが遅かったな…。
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