こわい。こわい。
お部屋に入ったままのさっちゃん。
ジローと別れて治療に専念しはじめた矢先、
大きな余震が関東にきました。
こわい。こわいよ。ジローさん…
その日も、その次の日も来た大きな余震。
そう。あの日から5日。さっちゃんはごはんを口にしていません。
今日、たった一握りのペレットをやっと食べたさっちゃん。
呼び水に…なるのかな。
ごめんね。さっちゃん。
2、3日に一度外に。という情報を信じ、
「あれ?今日もジローさんだけなの?寂しいねぇ」
一生懸命ジローに声援を送っていた私。
より寂しかったのはさっちゃんの方だったね。
余震のたびに起き上がるジロー。
プールの中のさっちゃんはどうだったんだろう。
夕方、ジローが収容されて初めて会えるさっちゃんは
いつもいつも緊張した目をしてました。
私の知ってる優しいさっちゃんの目じゃない。
あたりを見張るような。そんな厳しい視線。
お腹すいてるだろうに。
さっちゃんにとってジローがどんなに大きな存在か
思い知った瞬間。
見えること。触れられること。
とっても大切なことだったんだね。
どうか。どうか。
さっちゃんの元気が戻りますように。