斉藤文夫写真展が開かれました。
斉藤さんが住んでいる福井の山里の四季を撮った写真です。
その場にくらすものしか撮れないような写真です。
写真家の石川直樹さんが寄せてくれた文を紹介します。
斉藤文夫さんに出会わなかったら、ぼくはこんなにも新潟で写真を撮れなかっただろう。斉藤さんの昔語りを聞きながら、その土地に眠る歴史を知り、以降、新潟の風景を見る目が自分の中で変わっていった。
斉藤さんの写真は、その場所に暮らしている人にしか撮れない写真だ。遠くからかすかに響いてくる土地の声に耳を傾けながら、過ぎ去る時間を愛おしむように、シャッターを切る。こうした記録はいつしか斉藤さんの手を離れ、集落に生きる人々の記憶と直結していくことになるだろう。
80歳を超えた今もなお旺盛に撮影を続ける斉藤さんの姿勢に心底勇気づけられる。このたびは写真展の開催、おめでとうございます。
石川直樹