あめつちの詩

「あめつち」に響く歌声の持ち主「にいや」こと「新屋まり」が奮闘の日々を綴る。

お盆休み

2023-08-14 | 心の栄養

お盆の準備と言えば

お墓掃除と買い出し。

「本家」の我が家。

盆暮れには親戚が大勢来て

賑やかだった。

父や伯父、叔父、叔母も

何人か亡くなり甥は未婚。

不幸なことに私は子も孫も

ひ孫もいない身の上。

あ、更に不幸なことに夫もいません。

先だって「ヒロシマ」がテーマの

主催ライブでこれをネタにしたら、

「シリアスなMCの合間に

ユーモアをかましてくる新屋まり」

と有難い評価を頂いた。

結果、身内や親戚が増えるどころか

どんどん減るのです。

お盆休みはずいぶん静かになった。

ゆえに母と麻呂で時間を持て余す。

お盆前になると「買い物」「買い物」と

大騒ぎした母もすっかり落ち着いて?

お墓参りさえ面倒がるようになった。

我が家のお墓は2か所あって

ひとつはお寺の管理にあって

父が男兄弟と建てた。

先祖代々のお墓は裏山で

急こう配の道を上がれない母は

3年くらいご無沙汰だ。

年を取るにしたがって

とうろうも花もいらないと

めちゃ合理的な母になった。

とうろうは中国地方とりわけ

広島県の風習。

お盆にはお墓に色とりどりの

とうろうが建てられる。

初盆は白。

今年は初盆を迎える人が多いのか、

2店舗のスーパーで白いとうろうが

売り切れていて

「入ってくる予定はない」と

店員さんが対応に追われていた。

母は以前と違って買い物自体に

気乗りしない様子。

私にすれば1年に1回の

大切な行事だから最低限の

とうろうとお花を買った。

お墓にお花を飾ったらあまりに

貧相で買い足しに走ったが

前日199円の菊の束はほぼ完売。

ありったけを買ったが貧相感は

ぬぐえず。

とうろうは1本を裏山のお墓に。

もう1本を母の実家用に調達した。

母の実家のお墓参りに行き、

ものの20秒でミッションを終えた。

妹の家族が来てくれて

2時間のお盆気分を味わえた。

めったに帰省しない甥は3泊した。

夕方、母と麻呂と私だけになった。

暇になったので畠の草刈りをする。

そのままお風呂へ。

お風呂が面倒なお年頃になった母は

本人が「意を決して」やっと入る。

めでたく早々にお風呂に入り、

玄関先で晩御飯を食べた。

今年はトマトが大豊作だ。

出来過ぎた。

いかにしてトマトを食べるかが

当面の私の問題だ。

採れたなすとピーマンそして

おくらと炒めてみた。

大皿に鰆、ポテサラとご飯も

盛り付けてワンプレート・ディナー

の出来上がり。

寝てばかりの麻呂も起きてきて

二人と一匹でささやかなイベントだ。

午後6時半。

「はあ(もう)寝るばっかりだの」と

安心したのか気が抜けたのか

母が笑う。

日が暮れたら甥たちと花火を

やったものだ。

ずっとずっと昔、子供だった頃は

皆でネギを持ってほたるを取りに

夜道を歩いたっけ。

今年はほたるを2匹見ただけ。

ほたるも親戚も絶滅寸前だ。

家々には「墓守り」がいる。

我が家は私だ。

いつかお墓を整備したり

お盆を気にする人間が居なくなる

んだろう。

少なくとも我が家はその傾向が

ケンチョだ。

お盆にお浄土から生まれ故郷に

帰ってくるという「楽しみ」は

もはや死者も手放さなくてはならぬ。

それとも死者としての

「ミッション」が減るのかな。

 

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