【飲食店経営】にすぎのコンサル日記

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<2015年の振り返りと2016年の業界展望>

2015-12-20 22:38:35 | 繁盛のコツ
今年もあと数日となりましたが、皆様のお店の業績はいかがでしょうか?

今回は、年末ということもありますので、今年1年を振り返りながら、2016年の業界展望について書かせていただければと思います。いつもよりも少し長いですが、お付き合い下さいませ。



【2015年トピックス】

①異物混入騒動で業績悪化のマクドナルド、業績が回復せず大量閉店
②高級グルメバーガーシェイクシャック日本上陸(ハンバーガー680円)
③円安、需要増大供給不足などによる食材原価高騰⇒値上げする店舗が続出
④ワタミ昨年度に続き2年連続大量閉店(全体の約30%)
⑤人材獲得難が加速 ⇒1人あたり採用コストの上昇
(都内外食関連で職業別有効求人倍率は5倍超を記録、地方都市でも3倍超続出)
⑥訪日外国人観光客の増大
(2012年800万人⇒13年1000万人⇒14年1300万人⇒15年11月末時点1800万人)
 ※池袋に中国火鍋チェーンの海底ロウも進出
⑦280円均一焼鳥チェーン「鳥貴族」400店舗突破(15年11月末時点438店舗)
⑧喫茶・珈琲・カフェ市場の活発化


2015年は上記のようなニュースが印象的でした。当社の創業者故船井幸雄さんは、未来の予測は過去のビックリ現象に着目すると予測可能とおっしゃっておられました。この1年のビックリ現象から来年1年を予測しておきたいと思います。



【2016年の業界展望】

①コンプライアンス(法令順守)力の向上が必須となる
②消費の二極化が更に広がる
③既存ガリバーが構造不況になりやすい(成熟化のあとの次なるゲーム)
④2016年以降の安定成長実現には「人材採用&定着化戦略」が最も重要


ここからはひとつひとつ解説して行きたいと思います。


①コンプライアンス(法令順守)力の向上

マクドナルドやワタミの凋落のトリッガーを引いたのはいずれも企業不信でした。サプライヤーとしての食材提供過程の衛生管理、異物混入管理、事故発生後の対応力、これらへの注力を怠ると“明日はわが身”となるでしょう。また、労務コンプライアンスについても今後一層厳しくなっていくでしょう。逆に言えば、これらのマネジメントにヒト・モノ・カネ・時間を割けないプレーヤーは自然淘汰されていくでしょう。また、職場でのセクハラ、パワハラ、モラハラなども大きな問題になってきています。職場環境の悪い現場はたいてい離職率が高いですので、いわゆる“人材閉店”につながって行きます。現場からの情報を吸い上げる仕組みを持ち、ハラスメントの発生源にしっかりと対処していかないと放置⇒企業責任と繋がりかねないので、注意が必要です。

②消費の二極化が更に広がる

 訪日観光客が取り込めているエリアや好調な大企業を抱えるエリアは比較的潤っているように思います。一方で、外貨が獲得できないエリア(地方に多い)は生活コストの上昇にともない、消費を抑える傾向にあります。アメリカから来たステーキチェーン「ウルフギャング」もグルメハンバーガーの「シェイクシャック」も同ジャンルの他社と比較すると高価格帯に位置しますが、いずれも行列ができる好調な集客を持続しています。一方、日常使いのお店として好調なのが「鳥貴族」です。また手軽に肉料理を食べられる「ニクバル」業態も好調です。日常使い型の業態のキーワードは①手軽さ②便利さ③付加価値の融合です。低価格だけがウリの日常使い型業態では集客できず、苦戦しますので、しっかりと付加価値を業態設計時には盛り込むことが大切です。

③既存ガリバーが構造不況になりやすい(成熟化のあとの次なるゲーム)

 マクドナルドやワタミの不振化を見ていると、既存マーケットが成熟化しつくした印象を覚えます。既存マーケットの成熟化が進んだ時に次なる業態が誕生しますが、今までは「規模の大型化と低粗利化」が主流でした。焼肉業界や回転寿司業界、ファミリーレストラン業界はその典型でしょう。しかし、もはや「規模の大型化と低粗利化」路線はやりつくした印象を持ちます。多くの業界で食べ放題や低価格均一料金などは出尽くしました。つまり既存業種や既存業態の枠組みの中で業績を伸ばす設計をすること自体が非常に困難になってきているのです。うどん業界も同じような流れになりそうです。総合型FRで成長したのが第1次成長期だとすれば、第2次成長期はセルフうどんだったと思います。セルフうどんの成長によって第1次成長期を担ったプレーヤーは赤字転落や業態転換などを迫られました。そして、ここに来て、セルフうどん業態も飽和感とマンネリ感が出てきました。丸亀製麺を展開するセルフうどんの代表企業トリドールさんは、不振店を自家焙煎珈琲と食パンを核商品にした郊外型カフェ店への業態転換に乗り出しています。様々な業界で成熟化のあとの次なるゲームが始まると思われます。
④2016年以降の安定成長実現には「人材採用&定着化戦略」が最も重要
最後になりますが、来年以降最も大切な安定成長するための戦略は「人材採用と定着化」です。どんなに良い業態を開発しても、店舗運営するスタッフを揃えられない会社は、出店できません。2015年は多くのお店で人不足を原因とした問題が起こりました。

★アルバイトが揃わないから社員が休めない ⇒休日減少によるモチベーションの低下
★社員を休ませるために本社スタッフが現場へシフトイン ⇒本来やるべき業務が停滞
★募集を打っても反応がなく、やむなく定休日の設置
★予定していた新店オープン日に人が揃わず、オープンを延期
★せっかく採用したスタッフも、育成の仕組みが整っておらず離職が止まらない
★アルバイトに辞められては困るため、言わなければならないことを言えずバイト天国化
★需要期や繁忙日にお客様は沢山来てくれるが、運営スタッフが足りず、売上獲得の機会ロスが多発 ⇒それによる売上低下
★スタッフが揃わず、日常的に人材派遣頼みに陥っている
★新店舗を出すために、既存店を閉店もしくは休業



ざっと、書き出してみましたが、皆様のお店でも同じようなことが頻発したかと思います。2018年にはいわゆる「2018年問題」というのが待ち構えており、ここ数年安定していた18歳人口が激減していく流れになります。つまり、これからは益々「人が足りない」というのが当たり前になっていきます。そのような環境の中でも持続的安定成長を実現するためには、誰がどう考えても「人材確保」が企業経営の最重要課題といえると思います。まずは現状の店舗別の離職率を見える化してください。そして、その数値をどの水準まで高めるのか!?の目標設定をしてください。すると自ずとやるべきこと、整えなければならないことが、見えてくるはずです。人口減少、少子高齢化という言葉は聞き古された言葉かもしれませんが、これからこの言葉の意味を痛感する日々が連続的に起こってくる。これがこれからの時流であると私は思います。どんなに優秀なリーダーも「時流に沿わないことをやると淘汰されます」。ですから皆様の会社やお店におかれましても、是非今後の「人材不足が深刻化する」という時流に適合すべく、マネジメントやリクルートの設計図を描きなおしてくださいませ。そして、業態開発の視点においても“人が集まる”という視点を盛り込んでいってもらえればと思います。



それでは、2016年も皆様にとって良い年となりますことをフードビジネス支援部スタッフ一同祈念しております。


長文にお付き合いくださり、ありがとうございました。



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