新川 アロマ お願い!
訪問看護スタッフからアロマの依頼がありました。
5年ほど前のことです。
それは忘れられない出会いでもありました。
先発スタッフが訪問していたのはがん末期の方。
がん細胞で自壊した皮膚のケアと
体のだるさに足や背中のマッサージを行ってくれてました。
その時マッサージをしながら
アロマケアを勧めてくれたみたいです。
60代の男性だった彼はアロマ未経験でしたが
スタッフの提案に「受けてみようかな。。。」と。
ということで私が訪問に加わりました。
他のスタッフ同様の創部の処置を終え
アロマケアをして差し上げると
「気持ちがいいし、楽になるよ~
マッサージも良かったけどアロマはもっといいね!」
と喜んでくださいました。
奥様にも笑顔で話しかけ嬉しそうでした。
とてもアロマケアを気に入ってくれて
訪問看護以外でも来てほしいと言われ
夕方や休日など訪問看護で対応できない日や時間帯は
サロンからの出張という形で伺っていました。
痛みや倦怠感がある時もアロマを始めると
表情が穏やかになり色々お話をしてくれるのです。
子どもの頃の話し
今までの仕事のこと
奥様との出会い
そしてこれからのこと・・・
でも病魔はとどまらず進行していきます。
徐々に病状も進み ひとりで起き上がることも出来なくなる時がやってきました。
「もう我慢するのをやめて 強い薬(オピオイド)を飲もうと思うんだ」
「最期は家ではなくて緩和ケア病棟でお世話になりたいんだ。往診の先生に相談したらいいかな~」と
オピオイドも定期的に時にはレスキューも内服して痛みはコントロールできてきました。
「なんかボーっとしているんだけど
辛くはないんだよ!アロマの気持ちよさもよく分かる」と
「そうだ!本を読むのがあったらあげるよ!もう整理しないといけないから・・・」
本棚にある沢山の健康に関する書籍に目をやると
「あ!これはあげられない、今読んでいるんだけど
面白いからうちの奥さんにも読んでもらいたいんだ!」と。
その本は 表紙がさくらももこさんのイラストで描かれている
『アミ 小さな宇宙人』でした。
その彼はまもなく天国へ。
緩和ケア病棟に入院する日も決まり
その前日もアロマケアして
入院する荷物はこれでいいんだよね!って自分で準備した
カバンの中を見せてくれました。
何から何まで最後の最後まで自分のことは自分でされていました。
「明日は入院するけど病院にもアロマしに来てくださいね!」と言われ
サロンから伺う約束をしました。
入院の日の朝は雨がしとしと降っていました。
そんな早朝、所長からの電話。
「奥様から起きたときに息が止まっていたと連絡入ったから
今から訪問するけど 新川も一緒に来る?」と
アロマケアでの関わりを知っている所長は私に声をかけてくれたのです。
「はい!私も伺います!」と私も何が起こったのか
信じられない気持ちのまま最後の訪問をさせていただきました。
奥様に迷惑をかけないために入院を決めたけど
本当は奥様と最期まで一緒に居たかったのかもしれない。。。。
そして暫くして彼が面白いというこの本が気になり
Amazonで探してみましたがもう購入できなくなってました。
なぜか。。。
数年経ち最近また気になりだして図書館で予約してみました!!
4~5ヵ月待ち
予約したのも忘れたころ💦連絡があり
やっと読むタイミングが来ました!
彼との出会いがこの本を繋いでくれた。。
読んでみると「愛」でいっぱい💗!
気持ちが穏やかになっていくのが分かります!
大切なことがいっぱい。。。。
死を目の前にしている彼が穏やかに生活していけたのも
この本のお陰だったのかもしれない。。。
今、「アミ 小さな宇宙人」を読み終え
また彼のことを思いだすのです。
アロマを受けながら 穏やかな顔をしている彼を・・・・
ありがとう💗