「母の香りとなりました・・・」と一通のメールが届きました。
数ヶ月前、お客様から相談がありました。
「母はがんの末期状態です。病状の進みが急に早くなり余命数週・・・・
電車で数時間かかるので仕事が休みの時にしか行ってあげれません。
今私が母にしてあげられる事を精一杯してあげたいと思うんです。
母のためにアロマでマッサージしてあげたいのですがどうでしょか?
やってあげられたらきっと気持ちがいいと思うんですよね」と。
仕事もして遠く離れたお母様の看病にと
本当に大変な日々を送られていたと思います。
でも限られた時間、お母様のために何かしてあげたいと必死にだったに違いありません。
近かったら私もご一緒して実際オイルを決めたかったのですが
遠方だった為、娘さんから詳しく状態を聞いて
一緒にマッサージオイルとアロマスプレーを作りました。
翌日早速お母様のところへ行き、手と胸元にオイルを塗ってあげたと・・・・
息苦しさが楽になると言って喜んで、一人のときは自分でも塗っているようだと・・・・
娘さんはメールをくれました。
それから数日、自宅で頑張るのもとうとう限界で入院され
酸素も始まり緩和ケアとなりました。
「先生からあと数日と言われました。
辛い中でもアロマのスプレーは母のお気に入りで常に嗅いでます。
何か私も癒されるんですよ。
母の最期、娘として精一杯頑張りたいと思います。」っとまた連絡をくれました。
それから数日後娘さんの見守る中、天に召されていかれました。
それから2ヶ月たったころ娘さんから
スプレーを2本作って欲しいと連絡がありました。
レシピはお母様のために作ってあげた香りと一緒。
一本は一緒に看病されていたお兄様にあげるとか・・・・
「あの香りが母の香りとなりました」っと。
「母の香り」で『いい香りね』って笑顔を見せたお母様を思い出されるのでしょう。
辛い時期に一瞬見せた穏やかな笑顔です。
香りと共に思い出も運んでくれるんですね。
そして残されたご家族も癒してくれるんですね。