穏やかで、心地良い風に当たっていると、御世話になった貴女のことを想い、春の風のように去っていった貴女との別れに涙が頬を伝って止めどなく流れていきます。
貴女は、最後の最後まで微笑みを絶やすことなく姿勢を正して私と向き合い、私の目を優しく柔らかに見詰めて、何度も何度も頷いて下さいましたね。
それは、まさに秋の風が吹くころ、寒くなりがちな私の心をゆっくりと暖めて下さった御出会いしたあの日のときと、何一つ変わることはないもののように想えて、眉目秀麗であった貴女を、非の打ちどころのない素晴らしい御方であったと今更ながらに男泣きしてしまうのです。
貴女は、私に静かに佇み威厳を正すことの必要性を態度を以て表し、私は、貴女から志を高く持つことの危うさを問われて、真の強さを備える決意を貴女の前で御誓い申し上げました。
私は、貴女こそはと心に決めたはずであるのにと、今更ながらに想い出して、昔おっしゃった御言葉が、頭の中を駆け巡ります。
「愛情で満たされた世の中に醜い人は一人もいません」と。そのようなことを、ふと振り返る今、また涙が止まりそうにありません。貴女は、それ程までに素晴らしい御心の御方でしたと春の風に。
平成二十八年一月十二日
安 達 紀 行
貴女は、最後の最後まで微笑みを絶やすことなく姿勢を正して私と向き合い、私の目を優しく柔らかに見詰めて、何度も何度も頷いて下さいましたね。
それは、まさに秋の風が吹くころ、寒くなりがちな私の心をゆっくりと暖めて下さった御出会いしたあの日のときと、何一つ変わることはないもののように想えて、眉目秀麗であった貴女を、非の打ちどころのない素晴らしい御方であったと今更ながらに男泣きしてしまうのです。
貴女は、私に静かに佇み威厳を正すことの必要性を態度を以て表し、私は、貴女から志を高く持つことの危うさを問われて、真の強さを備える決意を貴女の前で御誓い申し上げました。
私は、貴女こそはと心に決めたはずであるのにと、今更ながらに想い出して、昔おっしゃった御言葉が、頭の中を駆け巡ります。
「愛情で満たされた世の中に醜い人は一人もいません」と。そのようなことを、ふと振り返る今、また涙が止まりそうにありません。貴女は、それ程までに素晴らしい御心の御方でしたと春の風に。
平成二十八年一月十二日
安 達 紀 行