S家の別宅

夫婦ふたりきりになりました。ふたりの生活をこれから楽しみたいなと思います。

「美貌の青空」より

2014-01-13 16:04:49 | Weblog
引きこもりの日々に読んでいた土方巽「美貌の青空」

この人の文章は少し病んでいる時ほど、強烈に身体に入ってくるのかもしれない。

「刑務所へ」という文章から・・・

「ぼくにとって、ただ一つだけ確実なことは、民主主義などという空手形にもう決して騙されることはないだろう
 ということだけだ。彼等の手から放たれるうす汚れた鳩からは、なんの未来の通信もぼくの許には届かないだろ
 う」

「文明化された道徳の全勢力は、資本主義的経済体制や政治体制と手を結んで、肉体を単に享楽の目的や手段、
 あるいは道具として使うことに強い反対を唱えている。いわんや、ぼくが舞踏と名づける無目的な肉体の使用
 は、生産性社会にとっての最も憎むべき敵であり、タブーでなければなるまい。」

ことばはどうか?

詩の言語もまた、資本主義的経済体制や、政治体制と対極に位置するものである気がする。

詩の言葉はメッセージ性も持たない、

誰かを啓蒙するものからはもっとも遠いところに位置する、

悪と善の境界は詩には存在しないし、上下もまったく無意味だ、

自然のなかに同化することは重要な気がする。

だから今の日本の状況のなかでは、皮肉にも詩は本来の姿で一番よく浮かび上がってくることもできる。

そんなことをきしむ身体を抱えながら考えた新年だった。





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