尾去沢や不老倉鉱山などに物資を届けた鹿角(花輪や大湯)の商店と同様、
かつて阿仁銅山のもと現阿仁合の商店街も、大いに栄えたという。
時間があったので、阿仁合駅前に車を置き、街歩きのパンフ片手に街を歩るいてみた。
鹿角では鉱山と縁が深いといわれる浄土宗の寺院のほか、
全国から集まってきた人々のため、さまざまな宗派の寺院も存在していた。
鉱夫の病といわれたヨロケ(珪肺)に効く「ナンコウ鍋」に使用するのは馬肉、
馬のホルモンやスジ肉の幟旗をだしている店、いかにも鉱山の街らしい。
商店街の外れに無縁塔あり、その無縁塔はどちらに向いて建っているのだろう。
浮世での罪から逃れるためか、宗教的迫害から縁を切るのか、
反対に、鉱山から追放され山法から無縁になるのか、
ここでの別れが、妻子らとの今生の別れとなったこともあったようである。