のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

シンデレラの靴

2008年02月25日 21時38分48秒 | Weblog
誰しも思い浮かべるシンデレラのアイテムと言えば、ガラスの靴だろう。

しかし、シンデレラの物語も様々なバリエーションがあるようだ。グリム兄弟が書いた

シンデレラは「灰かぶり姫」と呼ばれる。このお話は、元々のシンデレラ物語に近いと

いう。しかし、どこがどう近いのか?



現代人にガラスの靴でお馴染みのシンデレラは、シャルル・ペロー作だ。その元に

なった話は、バシーレというイタリア人が書いた。面白いのは、シンデレラアイ

テムであるはずのガラスの靴は、ペロー作にしか登場しないことだ。



よくよく考えて、ガラスの靴など、使い物にならないはずだ。何歩も歩かないうちに

割れてしまうだろう。ガラスの破片があちこち飛び散って、危険この上ない。継母も

そこまで無茶は要求しなかったろう。

魔法の力でボロ靴がガラスの靴になったと言うなら、12時で魔法の力が解けるのだ

から、元のボロ靴に戻らなければ筋が通らない。お話ではそうはなってない。王子様

は、靴を手がかりにしてシンデレラを探し回っているのだ。とすると、普段からガラ

スの靴を履かされていたことになる。

しかし、それは上に述べたように、無茶な要求なのだ。だからこそ、ペローの影響を

受けて物語りを書いたグリム兄弟ではあったが、王宮で開催される舞踏会に参加する

シンデレラに金や銀の靴を履かせている。

元の話、バシーレ著「ペンタメローネ(五日物語)」ではどうなっているか。

正解は、木の靴だ。

思うに、靴は、シンデレラの心象の象徴だ。ペローの作り上げたシンデレラ像は、大

変壊れやすい。壊れやすいから、回りの者、たとえば、妖精が助けるという形になっ

ている。言い換えると、物語りの聞き手に受け入れられやすいわけだ。

その点、木靴を履いたシンデレラは、憎たらしいほど頑丈だ。しかも、2番目の義母

を殺害さえしている。その後、3番目に母親になった女性との関係で初めて本格的な

"継子いじめ”の物語になるわけだが、妖精に助けてもらうというより、育てたこと

を恩に着せ、妖精を服従させている(妖精は、シンデレラに"種"から育てられた!)。



ストーリーとして、自然なのは元々の話と思う。それを飲み込んだ上で、改めてシン

デレラの話を読み返してみると、真の主人公は、彼女に意地悪をしていた姉たちだと

思えてくるから不思議だ。

意地悪しても、意地悪しても負けるが運命・・・の悪党たち・・・

そんな者達こそ、愛すべきではないか。何となれば、彼(お父さん)、彼女ら(義母さ

んや姉)は、ガラスの心の持ち主であることに間違いないのだから。


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