2011年12月28日にあった放送の動画は、
下記に
リンクさせてあるので、クリックして各自ご確認下さい。
☆「低線量被ばく 揺らぐ国際基準」
なお、「buveryの日記」
というサイトに
論難されたNHKの番組の
聞き取りが
記事になってました。
論点のより一層の理解ため
次に、その内容に転載します。
聞き散りした人によると、
括弧内は日本語字幕。
数字は分:秒、とのことです。
さて、聞き取りは、
13:33のところから始まります。
苦情の
寄せられた件が
日本語による表現に関する部分は
緑字により示し、
英語表現に関わるところは、
赤字表記とし、
区別・対応をしておきます。
では、以下、転載です。
西脇順一郎:
[ICRPの100mSvで0.5 % 死亡するというフリップをみせて]
これはどれだけ被曝したら癌でなくなるリスクがですね、どれだけ高くなるかということを示したグラフです。で、ICRPではですね、まあ、ここの、100mSvでは、0.5%、癌になるリスクが増えるとしています。一見すると、まあ大した事ないんじゃないかと思われるかもしれませんが、例えばこれが、一万人の人がこれを浴びた場合は50人が
(0.5%の死亡リスク 一万人で50人死亡 100万人で5000人死亡)
百万人の人が浴びた場合は5000人が、亡くならなくてもいい方が、癌で亡くなるリスクを負ってしまうと。
14:07
鎌田靖:
我々いつも疑問なのは、じゃあ、これよりも低い場合は、これが、まあ要するに正しいかどうかを含めて、えー、ほんとにこれでいいのかどうか、というのは、やっぱ、分からない。
室井佑月:
しかも、あれじゃないですか、幼児とか子供はもっとリスクがあがるんじゃないですか?
西脇順一郎:
まさにそこのとろこがVTRで見ていただいたように、内部被曝の影響とか、まあ、感受性の高い子供への影響ということで、やはり、低線量であっても影響が高いのではないか、という意見もある一方でですね、少しづつ浴びて行く場合には、まあ、細胞が、その抵抗力をもつ、放射線に対して抵抗力をもつとか、そういうような理由で、あの、低いんじゃないかという意見もあって、ここでの意見というのは分かれているわけなんですね。
14:44
鎌田靖:
で、その意見が分かれているという現状について、じゃあ、ICRPは今どういうことをやろうとしているんですか?
西脇順一郎:
そうですね、実はそのICRP自身が、この基準を見直すべきかどうか、議論を進めていることが分かってきたんです。
15:03
女性ナレーター:
10月、アメリカでICRPの会議が開かれました。ICRPはおよそ30ヶ国、250人の科学者や政府関係者で作るネットワークです。会議の一部だけが音声での取材を許可されました。福島第一原発の事故を受けて、低線量被曝のリスクの見直しを求める意見が相次ぎました。
a voice:
So they have the children and the mothers in Fukushima… (inaudible)… the same levels that are suggested for workers.
(8歳や10歳のこどもがなぜ原発労働者と同じ基準なのか)
another voice:
There are serious questions about the applicability of the ICRP for low dose rates exposures.
(ICRPの低線量リスクがこのままでいいのか大きな疑問が持ち上がっている)
16:06
女性ナレーター:
ICRPは低線量のリスクをどう見直そうとしているのか。カナダのオタワにある本部に直接聞く事にしました。事務局長のクリストファー=クレメント氏です。既に作業部会を作り、議論を始めているといいます。
Dr Clement:
One is the question of DDREF and one is the question of extrapolation. So, we have..the dose in this direction
(問題は低線量のリスクをどうするかです)
クレメント氏は私たちに驚くべき事実を語りました。これまでICRPでは低線量の被曝のリスクは低いとみなし、半分にとどめてきたというのです。
Dr. Clement:
…do know that they are looking not just at the numerical value of DDREF, but also at the whole concept of whether or not it really still applies.
(低線量のリスクを半分にしていることが本当に妥当なのか議論している)
17:15
女性ナレーター:
低線量のリスクを巡る議論は、実は1980年代後半から始まっていました。基準の根拠となっていた広島長崎の被曝のデータが、この頃修正されることになったのです。それまで原爆で1000mSvの被曝をした人は、5%癌のリスクが高まるとされてきました。それが日米の合同調査で実際はその半分の500mSvしか浴びていなかったことが分かったのです。半分の被曝量で同じ5%ということは、リスクは逆に2倍になります。しかし、ICRPでは低線量では半分のまま据え置き、引き上げないことにしたのです。
Dr Clement:
I think they've been, this question has been raised many times and the… continues to… they're looking at it.
(この問題は何度も議論されてきた)
A male voice:
How did the publication 60 came out with …(inaudible)?
(なぜ引き上げなかった?)
Dr Clement:
No, I don't know about the details, no, that was before my time I was in ICRP.
(私が委員になる前のことなので詳細は分からない)
18:36
女性ナレーター:
なぜ低線量のリスクを引き上げなかったのか、私たちは議論に関わったICRPの元委員に取材する事にしました。調べてみるとある事実が分かりました。当時の主要メンバーは17人、そのうち13人が核開発や原子力政策を担う官庁とその研究所の出身者だったのです。その一人、チャールズ=マインホールド氏、アメリカエネルギー省で、核関連施設の安全対策に当たっていた人物です。
19:24
女性ナレーター:
電話での交渉を重ねて、ようやく私たちの取材に応じました。
19:36
女性ナレーター:
チャールズ=マインホールド氏、1970年代から90年代半ばまでICRPの基準作りに携わってきました。低線量被曝のリスクを引き上げなかった背景には、原発や核関連施設への配慮があったと言います。
20:02
Dr Meinhold:
That's one of my problems…is that the people [who] work in the industry tend to want to keep its limits high. That's when they decided to put out their document… Oh… 1990, about then. In which the department could, you know, decided what they wanted. But they had to be careful because all the things that I said earlier. You got to be able to do the work. Right?
(原発や核施設は労働者の基準を甘くして欲しいと訴えていた)
(その立場はエネルギー省も同じだった)
(基準が厳しくなれば核施設の運転に支障が出ないか心配していたのだ)
20:32
[English -- inaudible]
マインホールド氏は自らも作成に関わったという、エネルギー省の内部文書を取り出しました。1990年、ICRPへの要望をまとめた報告書です。低線量のリスクが引き上げられれば、対策に莫大なコストがかかると試算し懸念を示していました。
(Facility Modifications $380M 施設の安全対策 3億8000万ドル)
マインホールド氏はアメリカの他の委員と協力し、リスクの引き上げに強く抵抗したといいます。
21:15
Dr Meinhold:
Warren Sinclar and Michael Fry, who are both again they are ...they are... they said it should be two to four. And why...the reason was that epidemiologists who just kind of used really the guesswork to come down from the Japanese survivor trend.
(アメリカの委員が低線量では逆に引き下げるべきだと主張したのだ)
(低線量のリスクを引き上げようとする委員に対抗するためだった)
女性ナレーター:
その後ICRPは原発などで働く労働者のために、特別な基準を作ります。半分のままに据え置かれた低線量のリスクをさらに20%引き下げ、労働者がより多くの被曝を許容できるようにしたのです。
22:02
Dr. Meinhold:
Then we said that the workers could have a, would [be] have a lower risk, just because they did not have children and older people live (sp?). We were not suggesting that there is any difference between those. But that's the way we, we approached. We didn't have that data.
(労働者に子どもや高齢者はいないのでリスクは下げても良いと判断した).
(科学的根拠はなかったがICRPの判断で決めたのだ)
転載は、以上です。
下記に
リンクさせてあるので、クリックして各自ご確認下さい。
☆「低線量被ばく 揺らぐ国際基準」
なお、「buveryの日記」
というサイトに
論難されたNHKの番組の
聞き取りが
記事になってました。
論点のより一層の理解ため
次に、その内容に転載します。
聞き散りした人によると、
括弧内は日本語字幕。
数字は分:秒、とのことです。
さて、聞き取りは、
13:33のところから始まります。
苦情の
寄せられた件が
日本語による表現に関する部分は
緑字により示し、
英語表現に関わるところは、
赤字表記とし、
区別・対応をしておきます。
では、以下、転載です。
西脇順一郎:
[ICRPの100mSvで0.5 % 死亡するというフリップをみせて]
これはどれだけ被曝したら癌でなくなるリスクがですね、どれだけ高くなるかということを示したグラフです。で、ICRPではですね、まあ、ここの、100mSvでは、0.5%、癌になるリスクが増えるとしています。一見すると、まあ大した事ないんじゃないかと思われるかもしれませんが、例えばこれが、一万人の人がこれを浴びた場合は50人が
(0.5%の死亡リスク 一万人で50人死亡 100万人で5000人死亡)
百万人の人が浴びた場合は5000人が、亡くならなくてもいい方が、癌で亡くなるリスクを負ってしまうと。
14:07
鎌田靖:
我々いつも疑問なのは、じゃあ、これよりも低い場合は、これが、まあ要するに正しいかどうかを含めて、えー、ほんとにこれでいいのかどうか、というのは、やっぱ、分からない。
室井佑月:
しかも、あれじゃないですか、幼児とか子供はもっとリスクがあがるんじゃないですか?
西脇順一郎:
まさにそこのとろこがVTRで見ていただいたように、内部被曝の影響とか、まあ、感受性の高い子供への影響ということで、やはり、低線量であっても影響が高いのではないか、という意見もある一方でですね、少しづつ浴びて行く場合には、まあ、細胞が、その抵抗力をもつ、放射線に対して抵抗力をもつとか、そういうような理由で、あの、低いんじゃないかという意見もあって、ここでの意見というのは分かれているわけなんですね。
14:44
鎌田靖:
で、その意見が分かれているという現状について、じゃあ、ICRPは今どういうことをやろうとしているんですか?
西脇順一郎:
そうですね、実はそのICRP自身が、この基準を見直すべきかどうか、議論を進めていることが分かってきたんです。
15:03
女性ナレーター:
10月、アメリカでICRPの会議が開かれました。ICRPはおよそ30ヶ国、250人の科学者や政府関係者で作るネットワークです。会議の一部だけが音声での取材を許可されました。福島第一原発の事故を受けて、低線量被曝のリスクの見直しを求める意見が相次ぎました。
a voice:
So they have the children and the mothers in Fukushima… (inaudible)… the same levels that are suggested for workers.
(8歳や10歳のこどもがなぜ原発労働者と同じ基準なのか)
another voice:
There are serious questions about the applicability of the ICRP for low dose rates exposures.
(ICRPの低線量リスクがこのままでいいのか大きな疑問が持ち上がっている)
16:06
女性ナレーター:
ICRPは低線量のリスクをどう見直そうとしているのか。カナダのオタワにある本部に直接聞く事にしました。事務局長のクリストファー=クレメント氏です。既に作業部会を作り、議論を始めているといいます。
Dr Clement:
One is the question of DDREF and one is the question of extrapolation. So, we have..the dose in this direction
(問題は低線量のリスクをどうするかです)
クレメント氏は私たちに驚くべき事実を語りました。これまでICRPでは低線量の被曝のリスクは低いとみなし、半分にとどめてきたというのです。
Dr. Clement:
…do know that they are looking not just at the numerical value of DDREF, but also at the whole concept of whether or not it really still applies.
(低線量のリスクを半分にしていることが本当に妥当なのか議論している)
17:15
女性ナレーター:
低線量のリスクを巡る議論は、実は1980年代後半から始まっていました。基準の根拠となっていた広島長崎の被曝のデータが、この頃修正されることになったのです。それまで原爆で1000mSvの被曝をした人は、5%癌のリスクが高まるとされてきました。それが日米の合同調査で実際はその半分の500mSvしか浴びていなかったことが分かったのです。半分の被曝量で同じ5%ということは、リスクは逆に2倍になります。しかし、ICRPでは低線量では半分のまま据え置き、引き上げないことにしたのです。
Dr Clement:
I think they've been, this question has been raised many times and the… continues to… they're looking at it.
(この問題は何度も議論されてきた)
A male voice:
How did the publication 60 came out with …(inaudible)?
(なぜ引き上げなかった?)
Dr Clement:
No, I don't know about the details, no, that was before my time I was in ICRP.
(私が委員になる前のことなので詳細は分からない)
18:36
女性ナレーター:
なぜ低線量のリスクを引き上げなかったのか、私たちは議論に関わったICRPの元委員に取材する事にしました。調べてみるとある事実が分かりました。当時の主要メンバーは17人、そのうち13人が核開発や原子力政策を担う官庁とその研究所の出身者だったのです。その一人、チャールズ=マインホールド氏、アメリカエネルギー省で、核関連施設の安全対策に当たっていた人物です。
19:24
女性ナレーター:
電話での交渉を重ねて、ようやく私たちの取材に応じました。
19:36
女性ナレーター:
チャールズ=マインホールド氏、1970年代から90年代半ばまでICRPの基準作りに携わってきました。低線量被曝のリスクを引き上げなかった背景には、原発や核関連施設への配慮があったと言います。
20:02
Dr Meinhold:
That's one of my problems…is that the people [who] work in the industry tend to want to keep its limits high. That's when they decided to put out their document… Oh… 1990, about then. In which the department could, you know, decided what they wanted. But they had to be careful because all the things that I said earlier. You got to be able to do the work. Right?
(原発や核施設は労働者の基準を甘くして欲しいと訴えていた)
(その立場はエネルギー省も同じだった)
(基準が厳しくなれば核施設の運転に支障が出ないか心配していたのだ)
20:32
[English -- inaudible]
マインホールド氏は自らも作成に関わったという、エネルギー省の内部文書を取り出しました。1990年、ICRPへの要望をまとめた報告書です。低線量のリスクが引き上げられれば、対策に莫大なコストがかかると試算し懸念を示していました。
(Facility Modifications $380M 施設の安全対策 3億8000万ドル)
マインホールド氏はアメリカの他の委員と協力し、リスクの引き上げに強く抵抗したといいます。
21:15
Dr Meinhold:
Warren Sinclar and Michael Fry, who are both again they are ...they are... they said it should be two to four. And why...the reason was that epidemiologists who just kind of used really the guesswork to come down from the Japanese survivor trend.
(アメリカの委員が低線量では逆に引き下げるべきだと主張したのだ)
(低線量のリスクを引き上げようとする委員に対抗するためだった)
女性ナレーター:
その後ICRPは原発などで働く労働者のために、特別な基準を作ります。半分のままに据え置かれた低線量のリスクをさらに20%引き下げ、労働者がより多くの被曝を許容できるようにしたのです。
22:02
Dr. Meinhold:
Then we said that the workers could have a, would [be] have a lower risk, just because they did not have children and older people live (sp?). We were not suggesting that there is any difference between those. But that's the way we, we approached. We didn't have that data.
(労働者に子どもや高齢者はいないのでリスクは下げても良いと判断した).
(科学的根拠はなかったがICRPの判断で決めたのだ)
転載は、以上です。
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