想田和弘@KazuhiroSoda さんのツイートだ。
――僕が以前書いたコラム「素朴な「感謝」がファシズムを支えるとき」で表明した向井理氏への違和感は、煎じ詰めれば向井氏の「歴史認識の脱文脈化」に対するそれだったのだと思う。→素朴な「感謝」がファシズムを支えるとき http://www.magazine9.jp/article/soda/14678/ …〔10:53 - 2015年6月24日 〕――
敗戦がほぼ決定という時期、
打ち出された方針が
「学徒出陣」であり、
「特攻隊」だ。
若い人が死ぬと分かっていて
「死んで来い」
という理不尽な命令がなされた。
時を同じくして、
南方にいた
日本人に兵站、今で言う、
いわゆる後方支援を戦闘行為ではないと軽んじられていた。
軍部は、
物資の補給をする代わりに
兵を送り込んでいただけだった。
「我々が来た以上、安心してください」
という新たに
赴任した兵士が言う。
しかし、何にもしない内に
食べ物がなく
次々に飢え死にする状態に追い込まれる。
そうするとまた、
兵士が送られてきて
「我々が来た以上、安心してください」
という。
まるで、人間を食ってくださいと言わんばかりに、だ。
実際、人食いのような悲劇が起こっていたようだ。
食料や武器の補給の当てなく、
日本軍の6割は、
飢えで死に絶えて行った。
一言で言って、
「無駄死」を強いられていたのだ。
その人たちに
「有り難う」
と言えるのだろうか。
この間の気持ちを分かりやすく説明するため、
たけお かーりょ(立憲派) @tookoka さんが絶妙なたとえ話をしている。
――特攻隊員の死に「感謝する」ということは、過労死した社員に「ありがとう」というようなもの。何かが狂ってます。〔2:33 - 2015年6月24日 〕――
職場の同僚の顔を思い浮べながら、
(彼は、過労死…)などと考えながら
感謝するのは無理だ。
ところで、
僕は、かつて、
こんな戦争体験を聞いたことがある。
軍部は、
特攻のため出撃する兵士に
マイクを切らさなかったというのだ。
意図は分らない。
特攻が成功したか否か、
その手ごたえを得るためだけかもしれない。
しかし、意図はどうあれ、パイロットの断末魔が聞けるのは
確かだ。
そしてきっと「天皇陛下、万歳!!」
と言うか否かの確認もできる――。
昔、本当に遠い昔、
兵隊さんは、
「お母さん」とか
彼女の名前を絶叫して死にゆくと聞いたことがあった。
「天皇陛下、万歳!!」と言って
死んで行くケースは非常にまれだというのだ。
(なぜ、そんなことが分る?)
と思ったけれど、
それが人情と言うことで納得した。
しかし、想像じゃなかったんだ、
実際に、スピーカに耳を当て断末魔を聞き取っていた
人間がいたという話を聞いて、
背筋が寒くなった。
「死んで、靖国で会おう」
という伝説がある一方で、日本の軍部上層部は、
(こいつら、「天皇陛下、万歳」とはいわないな)
と考えて、
敵愾心を煮え滾らせ、
虐待を繰り返していたのだろう。
そして
反発する兵士の顔を見ては
(こいつらに大和魂を叩き込んでやらねば)
と考えるわけだ。
そうなると、
益々、兵を信頼できなくなる無限ループに嵌まり込み、
新兵が敵兵に見えるかもしれない。
「死んで来い」
と命ずる上官に命を差し出した
兵士たちに
果たして「感謝」の気持ちを捧げて、
それで相通じるだろうか。
申し訳ないと思っても
申し訳ないとは言えない。
自分が「死ね」と命じた上官ではないからだ。
有り難うと
言ってやりたい気もする。
しかし、言えない。
彼らの死は、
無駄な死だったからだ。
僕は、
靖国神社を許せない。
そう思うのは、
太平洋戦争当時の
「自死」の
不合理を見せ難くさせていた役割りを感じるからだ。
その点、
向井理氏は、どう考えているのか。
想田氏が「マガジン9」というサイトで
引用している
2010年の8月15日に「幸せ」というタイトルの
向井氏のブログ記事を読んで
驚いた。
☆ 記事URL:http://www.magazine9.jp/article/soda/14678/
僕は、
この人、ジャーナリストか何かと思っていた。
しかし、文章を読んで
ただのアンポンタンであることが判明した。
しかし、
アンポンタンなりに
とんでもないエゴイストであることが了解できる。
彼は、こう言う。
――必死になって日本の行く末を案じながら散っていった人達のことを考えると感謝の気持ちで一杯です。さらにあの戦況下で無条件降伏まで持っていったのは凄いことだと思います。――
「無条件降伏」が
当時の日本軍にとっての目標のごとき記述をしている。
軍部にすれば、
自分たちが戦争責任から免れればそれでよかったはずだ。
彼等が必死になって責任逃れの算段をしていた
事情を考えると、
「無条件降伏か、やったね」
ということになるんだろうかな…。
要するに、
「無条件」は、
特典みたいなものなのか???
実に不思議な発想だと
感心しながら、
外国に任せっきりの状態は、
責任解除を意味し、目出度いことなのだろうか
などと考えている。
それで、
はっと思い出したのが
今期の国会の95日間の会期延長だ。
戦争の結末が
条件付きじゃなく、
無条件と言うところまでよくぞ戦い切った
という賛美なのだろうな。
それに通じるものを
「戦後最長国会」
という伝え方に感じた。
とことん、すなわち、
「無条件」
な国会審議に応ずる覚悟のようなものを、
この会期延長に感じる。
しかし、
「とことん」だとか言う情緒的な表現で色付けされるのは
曲者で、
印象操作と思える
(下記〔資料〕(1)参照)。
日曜と分かっているのに
その日まで
延長されているのだ。
一日延長される度、億単位のコストがかかるということが
わかっていて、そんなことしている
(サイト「ルートイン ホテルズ チェックインコラム」の「今日のキーワード」参照。
* http://www.tfm.co.jp/morning/sp/column/?action=p_detail&id=1&mode=10&date=200912&day=)。
なぜ、会期の延長にこだわるのかと言えば、
「一生懸命」を演出するためだ。
では、一体誰に「一生懸命」と思わせたいのか――。
それは、
メディア任せで
情報を分析しない、いわゆる一般国民(左翼でない)だ。
多数にモノを言わせて、
安保法制反対法制反対派をねじ伏せることなど、
いつでもできる。
肝心なことは、
国民に「熟議した」という錯覚を植え付けること。
安倍某としては、
「僕ちゃん、こんなに頑張ってるよ」
というアリバイ作りに
国会の会期延長制度を利用しているということだろう。
これって、
敗戦が決定的になったとき、
特攻隊という
無謀なことを兵士に命じて
己の罪の言い訳を作った当時の軍のやり方を
恐ろしいまでに再現している。
安倍某にとっては、
本当は、同朋の命などどうでもいいのだ。
自分の保身だけが問題なのだと思う。
保身のコツ、その1は、
(ここまで全力を尽くした)
という言い訳だ。
そんな
つまらん目的のため
血税が湯水のごとく使われる。
そのでたらめに気づかせないためには、
「制服向上委員会」という
少女たちによるアイドルグループであっても
徹底的に干し上げるってわけだな。
〔資料〕
「『熟議の戦後最長国会』とは笑わせる 」
日刊ゲンダイ(2015年6月25日付<24日発行> )
(1)
(2)
転載元:KK@Trapelus さんのツイート〔16:39 - 2015年6月24日 〕
――僕が以前書いたコラム「素朴な「感謝」がファシズムを支えるとき」で表明した向井理氏への違和感は、煎じ詰めれば向井氏の「歴史認識の脱文脈化」に対するそれだったのだと思う。→素朴な「感謝」がファシズムを支えるとき http://www.magazine9.jp/article/soda/14678/ …〔10:53 - 2015年6月24日 〕――
敗戦がほぼ決定という時期、
打ち出された方針が
「学徒出陣」であり、
「特攻隊」だ。
若い人が死ぬと分かっていて
「死んで来い」
という理不尽な命令がなされた。
時を同じくして、
南方にいた
日本人に兵站、今で言う、
いわゆる後方支援を戦闘行為ではないと軽んじられていた。
軍部は、
物資の補給をする代わりに
兵を送り込んでいただけだった。
「我々が来た以上、安心してください」
という新たに
赴任した兵士が言う。
しかし、何にもしない内に
食べ物がなく
次々に飢え死にする状態に追い込まれる。
そうするとまた、
兵士が送られてきて
「我々が来た以上、安心してください」
という。
まるで、人間を食ってくださいと言わんばかりに、だ。
実際、人食いのような悲劇が起こっていたようだ。
食料や武器の補給の当てなく、
日本軍の6割は、
飢えで死に絶えて行った。
一言で言って、
「無駄死」を強いられていたのだ。
その人たちに
「有り難う」
と言えるのだろうか。
この間の気持ちを分かりやすく説明するため、
たけお かーりょ(立憲派) @tookoka さんが絶妙なたとえ話をしている。
――特攻隊員の死に「感謝する」ということは、過労死した社員に「ありがとう」というようなもの。何かが狂ってます。〔2:33 - 2015年6月24日 〕――
職場の同僚の顔を思い浮べながら、
(彼は、過労死…)などと考えながら
感謝するのは無理だ。
ところで、
僕は、かつて、
こんな戦争体験を聞いたことがある。
軍部は、
特攻のため出撃する兵士に
マイクを切らさなかったというのだ。
意図は分らない。
特攻が成功したか否か、
その手ごたえを得るためだけかもしれない。
しかし、意図はどうあれ、パイロットの断末魔が聞けるのは
確かだ。
そしてきっと「天皇陛下、万歳!!」
と言うか否かの確認もできる――。
昔、本当に遠い昔、
兵隊さんは、
「お母さん」とか
彼女の名前を絶叫して死にゆくと聞いたことがあった。
「天皇陛下、万歳!!」と言って
死んで行くケースは非常にまれだというのだ。
(なぜ、そんなことが分る?)
と思ったけれど、
それが人情と言うことで納得した。
しかし、想像じゃなかったんだ、
実際に、スピーカに耳を当て断末魔を聞き取っていた
人間がいたという話を聞いて、
背筋が寒くなった。
「死んで、靖国で会おう」
という伝説がある一方で、日本の軍部上層部は、
(こいつら、「天皇陛下、万歳」とはいわないな)
と考えて、
敵愾心を煮え滾らせ、
虐待を繰り返していたのだろう。
そして
反発する兵士の顔を見ては
(こいつらに大和魂を叩き込んでやらねば)
と考えるわけだ。
そうなると、
益々、兵を信頼できなくなる無限ループに嵌まり込み、
新兵が敵兵に見えるかもしれない。
「死んで来い」
と命ずる上官に命を差し出した
兵士たちに
果たして「感謝」の気持ちを捧げて、
それで相通じるだろうか。
申し訳ないと思っても
申し訳ないとは言えない。
自分が「死ね」と命じた上官ではないからだ。
有り難うと
言ってやりたい気もする。
しかし、言えない。
彼らの死は、
無駄な死だったからだ。
僕は、
靖国神社を許せない。
そう思うのは、
太平洋戦争当時の
「自死」の
不合理を見せ難くさせていた役割りを感じるからだ。
その点、
向井理氏は、どう考えているのか。
想田氏が「マガジン9」というサイトで
引用している
2010年の8月15日に「幸せ」というタイトルの
向井氏のブログ記事を読んで
驚いた。
☆ 記事URL:http://www.magazine9.jp/article/soda/14678/
僕は、
この人、ジャーナリストか何かと思っていた。
しかし、文章を読んで
ただのアンポンタンであることが判明した。
しかし、
アンポンタンなりに
とんでもないエゴイストであることが了解できる。
彼は、こう言う。
――必死になって日本の行く末を案じながら散っていった人達のことを考えると感謝の気持ちで一杯です。さらにあの戦況下で無条件降伏まで持っていったのは凄いことだと思います。――
「無条件降伏」が
当時の日本軍にとっての目標のごとき記述をしている。
軍部にすれば、
自分たちが戦争責任から免れればそれでよかったはずだ。
彼等が必死になって責任逃れの算段をしていた
事情を考えると、
「無条件降伏か、やったね」
ということになるんだろうかな…。
要するに、
「無条件」は、
特典みたいなものなのか???
実に不思議な発想だと
感心しながら、
外国に任せっきりの状態は、
責任解除を意味し、目出度いことなのだろうか
などと考えている。
それで、
はっと思い出したのが
今期の国会の95日間の会期延長だ。
戦争の結末が
条件付きじゃなく、
無条件と言うところまでよくぞ戦い切った
という賛美なのだろうな。
それに通じるものを
「戦後最長国会」
という伝え方に感じた。
とことん、すなわち、
「無条件」
な国会審議に応ずる覚悟のようなものを、
この会期延長に感じる。
しかし、
「とことん」だとか言う情緒的な表現で色付けされるのは
曲者で、
印象操作と思える
(下記〔資料〕(1)参照)。
日曜と分かっているのに
その日まで
延長されているのだ。
一日延長される度、億単位のコストがかかるということが
わかっていて、そんなことしている
(サイト「ルートイン ホテルズ チェックインコラム」の「今日のキーワード」参照。
* http://www.tfm.co.jp/morning/sp/column/?action=p_detail&id=1&mode=10&date=200912&day=)。
なぜ、会期の延長にこだわるのかと言えば、
「一生懸命」を演出するためだ。
では、一体誰に「一生懸命」と思わせたいのか――。
それは、
メディア任せで
情報を分析しない、いわゆる一般国民(左翼でない)だ。
多数にモノを言わせて、
安保法制反対法制反対派をねじ伏せることなど、
いつでもできる。
肝心なことは、
国民に「熟議した」という錯覚を植え付けること。
安倍某としては、
「僕ちゃん、こんなに頑張ってるよ」
というアリバイ作りに
国会の会期延長制度を利用しているということだろう。
これって、
敗戦が決定的になったとき、
特攻隊という
無謀なことを兵士に命じて
己の罪の言い訳を作った当時の軍のやり方を
恐ろしいまでに再現している。
安倍某にとっては、
本当は、同朋の命などどうでもいいのだ。
自分の保身だけが問題なのだと思う。
保身のコツ、その1は、
(ここまで全力を尽くした)
という言い訳だ。
そんな
つまらん目的のため
血税が湯水のごとく使われる。
そのでたらめに気づかせないためには、
「制服向上委員会」という
少女たちによるアイドルグループであっても
徹底的に干し上げるってわけだな。
〔資料〕
「『熟議の戦後最長国会』とは笑わせる 」
日刊ゲンダイ(2015年6月25日付<24日発行> )
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転載元:KK@Trapelus さんのツイート〔16:39 - 2015年6月24日 〕
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