新聞の世論調査は、
支離滅裂だと思っている。
この支離滅裂さにつき、道筋をつけた学者がいる。
内田樹氏だ。
この人は、こう言う
(サイト「内田樹の研究室」記事、「Japan Times の記事から「安倍訪米」を前にした内外からのコメント」参照)。
――政策に対する支持率が低いのにもかかわらず、内閣支持率が高いということは、日本国民は政策以外の点で安倍晋三を支持しているということになる。
論理的にはそれ以外にない。
では、「政策以外の点」とは何か。
日本人が心に思っているけれど、心理的抑圧があって容易には言挙げできないことと言えば、二つのタブーについてしかない。
アメリカと天皇制である。
たぶん日本人に安倍がアピールする最大の理由は安倍がこの二つの禁忌に挑んでいるからだと私は思う。
安倍は対米従属のポーズをとりながら、アメリカに対する嫌悪と敵意が漏洩することを少しも意に介さないし、ナショナリストのポーズをとりながら、天皇にいかなる敬意も示さない――と。
☆ 記事URL:http://blog.tatsuru.com/2015/04/14_1010.php
「論理的にはそれ以外にない」
と書いてある。
僕が反論を書けば、
きっと「非・論理的人間」として
リストアップされるに違いない。
しかし、ここで黙せば、
無理が通ってしまうと思うので、
道理を書こう。
そもそも「支持率の低いのは、政策」と決めつけてある。
内閣の支持率と対比させ、
一見合理的に見える。
しかし、国民の側から見て、
支持しますか、支持しませんかと問われて、
ここまでは政策、
内閣に限っては政策論を離れるという
頭の切り替えをしているかどうか、
大いに問題だ。
冒頭、新聞の世論調査は、
支離滅裂だと記した。
これを率直に述べた僕のブログ記事がある。
タイトルは、
「改憲(壊憲)ステップ、その7 ~ 多数者を僭称する」だった。
☆ 記事URL:http://blog.goo.ne.jp/nrn54484/e/2415e1f27969839ec04679743421b067
時期的には、
イスラム国において後藤さんらが
処刑された直後にとられた世論調査だ。
次のような、
データが得られた。
① 人質殺害事件への安倍政権の対応について
「評価する」が57%。
② 日本人2人が拘束されていることを知りながら中東を訪問したタイミングにつき、
55%の人が「適切だったとは思わない」と答えた。
③ 「『イスラム国』と戦う国への2億ドルの支援表明」が「イスラム国」の日本への対応を刺激したかどうかにつき、
62%の人が「刺激した」と答えた。
④ 政府の対応をめぐる情報公開については
「全て公開すべき」「ある程度公開すべき」という人が74%に達した。
以上のデータで論点を整理してみよう。
①は、内閣の支持を問う設問と見ていいだろう。
他方、②~④の設問は、
ある意味、細かな政策の是非を尋ねている考えられる。
しかし、問いが個別的か総括的かの違いで、
個別的に尋ねれば評価が低く、
総括的に尋ねれば、評価が高いというような関係性は認められない。
ただ、人情として、
次の期待するという気持ちを込めて、
総括的に問われた場合は、
点数が甘くなるということぐらいはあるだろう。
各論で否定的評価が多く、総論で肯定的評価が増えるのは、
その限りでなら納得できる。
さて、この支持の中身に目をやると、
総括的で、①は、
内閣の支持を問う設問と類型的に同じだと言える。
しかし、この設問で
57%という肯定的評価の多さを
内田氏が上に掲げた
「(反)アメリカ」と「天皇制」というタブーに安倍某が触れた結果とする
視点は妥当なのであろうか。
たとえ、アメリカが影響するとしても、
内田氏の理解とは反対に親米的な立場が評価を押し上げたのではないか。
したがって、タブー云々の視点は妥当でない。
では、世論調査は支離滅裂なことが
記してあり、
そこから我々が学ぶものは何もないで
済ましてしまっていいものか。
思うに、
「洗脳」という観点から
考えたとき、
なぜ、支離滅裂な世論調査結果が公表されるのか、
納得のいく説明が可能だ。
すなわち、洗脳のポイントは、
矛盾したことを言い、相手を思考停止の状態に追い込んでこそ
効果を発揮する。
同じことを繰り返し言うことがまま強調されるが、
それだけでは失敗する。
エレベーターの昇降ボタンを同時に押し、
上にも下にも行かせないことが
決定的に重要だ。
いわゆる「勘繰る」状態に追いやって、
相手が何事かに
「察し」がつけば、
そのように行動してしまうわけだ。
世論調査に即して
説明する。
①が総論。
安倍政権を支持するというランプが点く。
②~④は、各論。
①を根拠づけるべく、
安倍政権の政策はいいぞという評価が並ぶというのでは、
反発を招く。
そして反発されればメッキが剥がれるということがあるから、
各論では、
否定的な事柄を書き並べる。
しかし、それでは、
内容が支離滅裂だから
内閣支持の方向に流れないだろう
というのは、
考え方が甘いのだ。
思考停止の状態で同調圧力が働くため、
知らぬ内に、
「私も安倍政権を支持しよう」
という結論に辿りついてしまうのではないか。
人間は、
思考ではなく、感情で動く。
何度も同じことを聞かされ感情的に受容したとき、
それが真実となる――。
しかし、単純に同じことを繰り返しても、
反発されれば、
その情報をブロックしてしまう。
だから一回ひねりで
相手の頭に情報を軟着陸させる。
内田氏を
「この支離滅裂さにつき、道筋をつけた学者がいる」
として紹介した。
筋道のないところに「道筋をつけた」と本人が思いこんだとき、
洗脳されたことになるというわけだ。
支離滅裂だと思っている。
この支離滅裂さにつき、道筋をつけた学者がいる。
内田樹氏だ。
この人は、こう言う
(サイト「内田樹の研究室」記事、「Japan Times の記事から「安倍訪米」を前にした内外からのコメント」参照)。
――政策に対する支持率が低いのにもかかわらず、内閣支持率が高いということは、日本国民は政策以外の点で安倍晋三を支持しているということになる。
論理的にはそれ以外にない。
では、「政策以外の点」とは何か。
日本人が心に思っているけれど、心理的抑圧があって容易には言挙げできないことと言えば、二つのタブーについてしかない。
アメリカと天皇制である。
たぶん日本人に安倍がアピールする最大の理由は安倍がこの二つの禁忌に挑んでいるからだと私は思う。
安倍は対米従属のポーズをとりながら、アメリカに対する嫌悪と敵意が漏洩することを少しも意に介さないし、ナショナリストのポーズをとりながら、天皇にいかなる敬意も示さない――と。
☆ 記事URL:http://blog.tatsuru.com/2015/04/14_1010.php
「論理的にはそれ以外にない」
と書いてある。
僕が反論を書けば、
きっと「非・論理的人間」として
リストアップされるに違いない。
しかし、ここで黙せば、
無理が通ってしまうと思うので、
道理を書こう。
そもそも「支持率の低いのは、政策」と決めつけてある。
内閣の支持率と対比させ、
一見合理的に見える。
しかし、国民の側から見て、
支持しますか、支持しませんかと問われて、
ここまでは政策、
内閣に限っては政策論を離れるという
頭の切り替えをしているかどうか、
大いに問題だ。
冒頭、新聞の世論調査は、
支離滅裂だと記した。
これを率直に述べた僕のブログ記事がある。
タイトルは、
「改憲(壊憲)ステップ、その7 ~ 多数者を僭称する」だった。
☆ 記事URL:http://blog.goo.ne.jp/nrn54484/e/2415e1f27969839ec04679743421b067
時期的には、
イスラム国において後藤さんらが
処刑された直後にとられた世論調査だ。
次のような、
データが得られた。
① 人質殺害事件への安倍政権の対応について
「評価する」が57%。
② 日本人2人が拘束されていることを知りながら中東を訪問したタイミングにつき、
55%の人が「適切だったとは思わない」と答えた。
③ 「『イスラム国』と戦う国への2億ドルの支援表明」が「イスラム国」の日本への対応を刺激したかどうかにつき、
62%の人が「刺激した」と答えた。
④ 政府の対応をめぐる情報公開については
「全て公開すべき」「ある程度公開すべき」という人が74%に達した。
以上のデータで論点を整理してみよう。
①は、内閣の支持を問う設問と見ていいだろう。
他方、②~④の設問は、
ある意味、細かな政策の是非を尋ねている考えられる。
しかし、問いが個別的か総括的かの違いで、
個別的に尋ねれば評価が低く、
総括的に尋ねれば、評価が高いというような関係性は認められない。
ただ、人情として、
次の期待するという気持ちを込めて、
総括的に問われた場合は、
点数が甘くなるということぐらいはあるだろう。
各論で否定的評価が多く、総論で肯定的評価が増えるのは、
その限りでなら納得できる。
さて、この支持の中身に目をやると、
総括的で、①は、
内閣の支持を問う設問と類型的に同じだと言える。
しかし、この設問で
57%という肯定的評価の多さを
内田氏が上に掲げた
「(反)アメリカ」と「天皇制」というタブーに安倍某が触れた結果とする
視点は妥当なのであろうか。
たとえ、アメリカが影響するとしても、
内田氏の理解とは反対に親米的な立場が評価を押し上げたのではないか。
したがって、タブー云々の視点は妥当でない。
では、世論調査は支離滅裂なことが
記してあり、
そこから我々が学ぶものは何もないで
済ましてしまっていいものか。
思うに、
「洗脳」という観点から
考えたとき、
なぜ、支離滅裂な世論調査結果が公表されるのか、
納得のいく説明が可能だ。
すなわち、洗脳のポイントは、
矛盾したことを言い、相手を思考停止の状態に追い込んでこそ
効果を発揮する。
同じことを繰り返し言うことがまま強調されるが、
それだけでは失敗する。
エレベーターの昇降ボタンを同時に押し、
上にも下にも行かせないことが
決定的に重要だ。
いわゆる「勘繰る」状態に追いやって、
相手が何事かに
「察し」がつけば、
そのように行動してしまうわけだ。
世論調査に即して
説明する。
①が総論。
安倍政権を支持するというランプが点く。
②~④は、各論。
①を根拠づけるべく、
安倍政権の政策はいいぞという評価が並ぶというのでは、
反発を招く。
そして反発されればメッキが剥がれるということがあるから、
各論では、
否定的な事柄を書き並べる。
しかし、それでは、
内容が支離滅裂だから
内閣支持の方向に流れないだろう
というのは、
考え方が甘いのだ。
思考停止の状態で同調圧力が働くため、
知らぬ内に、
「私も安倍政権を支持しよう」
という結論に辿りついてしまうのではないか。
人間は、
思考ではなく、感情で動く。
何度も同じことを聞かされ感情的に受容したとき、
それが真実となる――。
しかし、単純に同じことを繰り返しても、
反発されれば、
その情報をブロックしてしまう。
だから一回ひねりで
相手の頭に情報を軟着陸させる。
内田氏を
「この支離滅裂さにつき、道筋をつけた学者がいる」
として紹介した。
筋道のないところに「道筋をつけた」と本人が思いこんだとき、
洗脳されたことになるというわけだ。
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