サイト「みんな楽しくHappy♡がいい♪」が
「福島県や環境省が
異常な反応を示しています」とコメントされてます。
打ち消しに必死になればなるほど、
「なぜ?」
という疑問が生じます。
これに関して、
漫画の原作者、雁屋哲氏が
こんな声明。
――反論は、最後の回まで,お待ち下さい
「美味しんぼ 福島の真実篇」、その22で、鼻血について書いたところ、色々なところで取り上げられて
スピリッツ編集部に寄れば、「大騒ぎになっている」そうである。
私は鼻血について書く時に、当然ある程度の反発は折り込み済みだったが、ここまで騒ぎになるとは思わなかった。
で、ここで、私は批判している人たちに反論するべきなのだが、
「美味しんぼ」福島篇は、まだ、その23,その24と続く。
その23、特にその24ではもっとはっきりとしたことを言っているので、
鼻血ごときで騒いでいる人たちは、発狂するかも知れない。
今まで私に好意的だった人も、背を向けるかも知れない。
私は自分が福島を2年かけて取材をして、
しっかりとすくい取った真実をありのままに書くことがどうして批判されなければならないのか分からない。
真実には目をつぶり、誰かさんたちに都合の良い嘘を書けというのだろうか。
「福島は安全」「福島は大丈夫」「福島の復興は前進している」
などと書けばみんな喜んだのかも知れない。
今度の「美味しんぼ」の副題は「福島の真実」である。
私は真実しか書けない。
自己欺瞞は私の一番嫌う物である。
きれい事、耳にあたりの良い言葉を読み、聞きたければ、他のメディアでいくらでも流されている。
今の日本の社会は「自分たちに不都合な真実を嫌い」「心地の良い嘘を求める」空気に包まれている。
「美味しんぼ」が気にいらなければ、そのような「心地の良い」話を読むことをおすすめする。
本格的な反論は、その24が、発行されてからにする。
雁屋 哲 (2014-05-04)ー―
――取材などについて
最近、「美味しんぼ」に書いた鼻血の件で、取材の申し込みを色々頂戴しています。
しかし、前にも書いた通り、「美味しんぼ 福島の真実篇」は、この後、その23、その24まで続きます。
取材などは、それから後にお考えになった方が良いと思います。
また、今回の件で、色々な方がスピリッツ編集部に電話をかけてくるそうです。
書いた内容についての責任は全て私にあります。
スピリッツ編集部に電話をかけたり、
スピリッツ編集部のホームページなどに、抗議文を送ったりするのはお門違いです。
何かご意見があれば、この私のページ当てにお送り下さい。
ただし、yahooメール、Gメールのように、幾らでも作れて、
一回こっきりで捨てられるようなフリー・メルによるものは、自動的に、はねる仕組みになっています。
私に意見を仰りたいのなら、ご自分の契約しているプロバイダーの正規のメールアドレスから、送って下さい。
これは、以前に、そのようなフリー・メールによって、このページがダウンしたことがあるからです。
雁屋 哲 (2014-05-09)――
野口邦和・日本大准教授(放射線防護学)によると、
――急性放射線障害になれば鼻血が出る可能性もあるが、
その場合は血小板も減り、目や耳など体中の毛細血管から出血が続くだろう。
福島第1原発を取材で見学して急性放射線障害になるほどの放射線を浴びるとは考えられず、
鼻血と被ばくを関連づけるような記述があれば不正確だ。――
とのことです。
また、立命館大の安斎育郎名誉教授(放射線防護学)は、
こう言います。
――放射線影響学的には一度に1シーベルト以上を浴びなければ健康被害はないとされるが、
心理的ストレスが免疫機能に影響を与えて鼻血や倦怠感につながることはある。
福島の人たちは将来への不安感が強く、このような表現は心の重荷になるのでは。
偏見や差別的感情を起こさない配慮が必要だ。――と。
しかし、この人たちの見方には
次のような
鎌中ひとみさんからの批判があります。
――野口さんの見解ですが、
急性放射線障害をそのまま今回の鼻血にあてはめて断定的に否定をしていらっしゃいますが
いかがなものか、断定してしまっていいのか? と思います。
私も取材の中で沢山の鼻血経験を聞いています。
生まれて初めて出した、子どもたち、大人たちが多いです。
ベラルーシの医師に訊ねたところ
鼻の粘膜にセシウムが吸着し、そこから出てくるガンマ線で皮膚がない場所にある毛細血管が破壊されるのだ、
という答えでした。
そしてその破壊された毛細血管からセシウムが体内に入っていく、と。
チェルノブイリでも非常に多くの子どもたちが鼻血を出して
あまりに大量で、救急車が出るくらいだったといいます。
広島でも鼻血を出した人を肥田先生は沢山目撃しています。
チェルノブイリの子どもたちが日本に保養に来ると
最初は良く鼻血を出していた、と里親たちも言っています。
先日、私のカメラマンも福島から帰ってきて鼻血を出しました。
50代です。
井戸川町長の被爆線量は事故直後26万ベクレルぐらいあったそうです。
事故後から彼は鼻血が出るようになった。だからその関連を疑っている訳ですよね?
実際、本当に沢山いますよ。
例えば国会でも証言されています。
「179-参-東日本大震災復興特別委…-8号 平成23年12月02日
○参考人(宍戸隆子君)
北海道に避難している方たちといろいろ話をしまして、その中で、例えば鼻血なんですけれども、
そういうような症状を訴えていたお子さんが非常に多かったです。
熊谷大議員(自民党)の予算委質問(2012年3月)。
「四月から七月二十二日現在の保健室利用状況では、内科的症状で延べ人数四百六十九名。
内科的症状では、頭痛、腹痛、鼻出血…順に多くということ、
野口さんと安斎さんの意見を聞いても
統計化されていなければ科学的ではない、と言われても
現象として鼻血は出ている。それを訴えている人がいる。
その事実を簡単に否定するのではなく、もっと慎重に検討を続けるという
姿勢が望ましいのではないですか?
急性放射線障害にならなくとも
事故後、福島から北関東、首都圏にかけて多くの人たちから鼻血が出た、実際でている。
白血病の副作用としての鼻血とはもちろん違うものです。
それが直接重篤な病気に直結するものでもないかもしれません。
私が須賀川で会った少年は事故直後
レジ袋にばしゃばしゃと溜まるぐらい鼻血がでたが今は止まっていて、元気でした。
野口さんと安斎さんの意見は絶対ではない、まだ謎がある、と私は思っています。
そして偏見を助長するから解明されてもいない事実は語るな、ということではない、のではないですか?
風評被害を助長するという声の影に事実が抑圧されている。
そんな現実があると福島に行くたびに私は感じています。――
さて、ここまで、
サイト「みんな楽しくHappy♡がいい♪」に寄りかかりつつ、
参考資料となるものを
紹介しました。
最後に、
タイトルに掲げた設問
「福島県や環境省は、なぜそんなに、鼻血ごときで必死になるのか。」
に答えたいと思います。
なぜ、鼻血ごときにこだわるかー―。
思うに、
鼻血ごときの後ろに
「福島の事故は無視して差し障りがない」
という大きな嘘が一個ぽつんと
あるきりなのを
政府はよく知っているからでしょう。
知らなきゃ、
北朝鮮の核武装に大騒ぎしません。
核の脅威を
分かっているのです。
だから
蟻の一穴になるのを
恐れているってことでしょう。
しかし、対応を
明らかに誤っています。
危機管理が
なっていない根本の原因は、
政府・官僚たちの
エリート意識に伴う愚民観です。
そこの自覚が
ないから、
かえって世間の耳目を
集めてしまうような結果に
なっています。
たかが鼻血、されど鼻血の
重さをこれから
当局は、
思い知ることになるでしょう。
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