のんきに介護

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原子力規制委員会は、スピーディ情報を活用しない決定をした

2015年04月22日 05時00分28秒 | 放射能の脅威
4月18日、

原子力規制委員会が原発事故の際に放射性物質の拡散状況を予測する

「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」(SPEEDI=スピーディ)の削除を決定したという

(下記〔資料〕参照)。

意味が分からんな…。

理由は、

「SPEEDIで放射性物質の放出のタイミングや

その影響の範囲が正確に予測されるとの前提に立って住民の避難を実施するとの考え方は危険」

だとのことだ。

どこがどう危険なのか、

これでは説明になっていない。

スピーディを使えば、

予測が

実際に即して動的だ。

ある瞬間には

A地点が安心でも、

次の瞬間にはB地点がより安心という風に

情報の中身が変化する。

その点、

規制委見解では、

事後的な情報に基づいて対処するから変化がなく信頼できるということか。

しかし、事後的な判断では遅い。

福島の事故で経験済みではないのだろうか。

「SPEEDIのようなシミュレーションを活用した手法で、放射性物質の放出状況の推定を行う」

という規定を削除するのは、

事故が起きたとき、

原子炉の都合次第で、

ガス抜き(放出)を行いたい。

その際、

住民のことまで考えていられないということなのだろうか。

そんなに自信がないのなら、

それこそ原発を再稼働する考え方を捨てればいいのだ。

住民の安全を考えるのは、

日本が民主国家であれば当然の要請だ。

しかるに、

規制委としては

知らしめず、寄らしむ態度をとるのは、

下の画像のようなスピーディ情報が拡散すれば影響が広範囲に及ぶと

考えるからだろう。

挙句に

福島では、

3・11当時、

知事が税収の減ることを危惧したという

笑止千万な事情が背景にある。



しかし、住民から

目と耳を奪う方が

何をどうしたらいいのか分からない分、

混乱は、

増すだろう。

また、福島のとき、

ヨウ素剤が

東電の職員や病院関係者だけが服用していた

事実からしても、

スピーディ情報を特殊な職業従事者の独占物のように活用されるだろう

という疑心暗鬼がある。

すなわち、それらの者の

身内の健康のみが優先されるといった

倫理に反する事態が少なからず生じるだろうと推量される。

また、それらの出来事は、

暴露されたが最後、

事故の際の

特殊な事情として忘れさられず、

許されもせず、

後々の復興の際の手かせ、足かせになるに違いない。


〔資料〕

「『SPEEDI』削除決定へ 自治体反対押し切る 規制委、原子力災害対策指針改正」

   産経新聞(2015.4.19 06:00更新 )

☆ 記事URL:http://www.sankei.com/affairs/news/150419/afr1504190001-n1.html



 原子力規制委員会が、原発事故の際に放射性物質の拡散を予測する「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」(SPEEDI=スピーディ)の活用を明記していた原子力災害対策指針を今月中に改正し、SPEEDIの記述の削除を決めたことが18日、分かった。規制委には原発の立地自治体からSPEEDIを活用するよう意見書が寄せられていたが、それを押し切る形となり、自治体の反発が予想される。

 規制委によると、現行の指針は「SPEEDIのようなシミュレーションを活用した手法で、放射性物質の放出状況の推定を行う」と記載していたが、これらの文章を削除するという。

 代わりに、実際に測定された実測値を基準に避難を判断。重大事故が起きた場合、原発から半径5キロ圏は即時避難、5~30キロ圏は屋内退避後に、実測値に基づいて避難するとしている。

 東京電力福島第1原発事故では、政府中枢にSPEEDIの存在が知らされず、SPEEDI自体もデータがうまく収集できなかったため、初期避難に混乱を招いた。結果的に、原発周辺の住民の中には放射性物質が飛散した方向へ避難した人も多く、政府は強い批判を浴びた。

 このため、規制委は風向きなど天候次第で放射性物質が拡散する方向が変わり、予測が困難であることを重要視。昨年10月には、「SPEEDIで放射性物質の放出のタイミングやその影響の範囲が正確に予測されるとの前提に立って住民の避難を実施するとの考え方は危険」と判断した方針をまとめていた。

 しかし、新潟県は3月末、「実測値のみによる防護措置の判断では被(ひ)曝(ばく)が前提となるため、判断材料の一つとして予測的手法も活用し、早めに防護措置が実施できる仕組みとするように」と要望する意見書を規制委に提出。福島県も「安全で確実な避難をするためにはSPEEDIの予測精度を高めることも必要。使えるものは使っていくべきだ」と反発していた。

 規制委関係者は「自治体の反対意見は承知しているが、丁寧に理解を求めていきたい」と話している。

(原子力取材班)

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