一見、見落としがちな「天賦人権説」の傍にある西欧思考

ネトウヨの毒舌な伯父さんbot @NTUY_uncle_botさんのツイートです。

――所詮「愛国心」なんてもんは、西洋近代レジームの産物だからねえ。〔20:31 - 2015年6月22日 〕――

この指摘、鋭いと思いませんか？

天賦人権説は、

近代国家成立の過程で、

どうしても打ち倒さなければならない

対象として、

「国」がありました。

その国は、

神によって権威づけられた

絶対君主に支配されてました。

人権思想というのは、

かくして

国家の権威に対抗するものとして

神を

味方につけ直す考え方と言えるでしょう。

この理念を

主導したのはブルジョワです。

すなわち、資本家たちです。

日本が

もし、資本主義社会を標榜するなら、

人権思想に基づく

「自由」「博愛」「平等」の

理念を受け入れねば

ならないはずです。

それが昨今、歴史修正主義なる考え方が席巻して、

日本古来の文化をもって、

国家概念の中心軸に据える運動が

あるようです。

ただ、日本文化と言っても

１９３０年代の

時代の空気を指すようです。

その薄っぺらさは、

鼻をつまむような悪臭を放っています。

放たれた悪臭は、

「愛国心」

という飾り物をつけられ

空気中を漂っています。

この悪臭、

下手すると中枢神経を可笑しくするようです。

その有毒性は、

安倍晋三という愚かな男の

国会答弁を見れば見れば了解できます。

時々、

へらへら笑って、

その薄気味の悪いこと、悪いこと。

さて、

安倍の放つ悪臭の素は、

「日本会議」

という団体にあるようです。

この団体の用意した

憲法改正案は、

「天賦人権説」の排除です。

確かに、

「天」という概念は、

宗教的です。

しかし、この概念、

なにも西欧が起源ではないです。

日本の古来宗教の

御本尊は、

「アマテラス大御神」の

「アマテラス」は、

漢字で書けば、「天照」です。

「天」が進行の拠り所だったのは

この女神の

お名前からして明らかです。

しかし、

強引にこれを西欧思想のシンボルとして

排除しようとするのは、

それに成功すれば、

「天」に権威づけられた「天皇」の

復権につながると考えるからでしょう。

しかし、その思想は、

西欧の

「王権神授説」

とちっとも変りありません。

しかし、その点は、

頬被りするのですな。

しかし、どんなに知らぬ、存ぜぬを貫こうとしても、

「国家」の概念は、

西洋に由来するものです。

となれば、

西欧思想の拒絶一点張りでは

「愛国」も語れないということになります。

ついでに言うと、

「天賦人権説」とはフィクションだと認識してます。

漢字で書くから

しかめっ面に見えまして

こんなもの日本古来のものであるはずがない

ということになるのです。

しかし、こんなもの、

西欧であった売り言葉に買い言葉と思います。

国王：王権は神からの贈り物じゃ。

民衆：神様は、私達の罪を赦し、神の似姿である人間のままでいることを許しました。それこそが神からの贈り物です。

というやり取りの中で、

一方が王権神授説、他方が天賦人権説と呼ばれただけの話です。

それをあえて、

一方の売り言葉には知らぬ振りを決め込み、

他方の買い言葉のみ

都合よく憲法から取り除くと言ってしまえば、

日本は、

近代国家へと脱皮できなくなります。

国王と民衆との間の

激しいやり取りと暴力的な衝突から

人でなく、

法が支配する

「国家」が誕生したのですから。