のんきに介護

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フレデリック・ルマルシャン氏 / 「原発事故は元に戻れない大惨事」

2012年09月22日 11時42分13秒 | Weblog
ベラルーシでは

「原発に近づけば近づくほど、

住民は運命だとあきらめてそこで生産されるものを食べている」という事実があるようです。

同地を定期的15年間にわたり訪問した、

フランスの社会人類学者フレデリック・ルマルシャンが

そうおっしゃいます。

さて、その方のお話が swissinfo.chにおいて

2012年9月14日、

スイスであったらしく、

その報告を

里信邦子(さとのぶ くにこ)氏

がなさってます。

タイトルは、

「フランス人学者の考察 原発事故は元に戻れない大惨事」

以下、要点を書き出しておきます。

☆ 原文はこちら(リンク)。


<まとめ>

――チェルノブイリやフクシマのような原発事故は、ほかの事故や災害とはまったく違うということですが、どう違うのでしょうか。

 原発事故では、「元に戻れない」ということが、ほかの災害と大きく違うところだ。
チェルノブイリの半径30キロ圏内は元に戻らない「失われた土地」。なぜなら、放射性物質は何世紀にもわたり消えることがないからだ。現在チェルノブイリの30キロ圏内では、動植物が「放射能による独自の生態系」を形成している。

また、原発事故では「修復ができない」ということが、ほかの災害とは違う。いくら資金や技術を投入しても修復できない。なぜなら、例えばチェルノブイリでは除染は不可能だと分かったからだ。


――健康面では、どうでしょうか?
「病気にかかるがまた回復する」という「繰り返されながら継続する線的な時間の流れ」というものがある。これが原発事故では切断される。つまり(微量被曝を、特に内部被曝を食物などを通して受け続けることで)果てしなく健康を害し続けるからだ。

例えばセシウム137では、徐々に体内に蓄積され、がん以外でも、神経系、内臓、造血機能に打撃を与える。特に心臓疾患は子どもに多く、10歳ですでにスポーツが出来なくなる場合もある。そしてこの心臓疾患を一生抱えていくことになる。



――こうした、元には戻れない、人類が経験したことのない大惨事は「計算できるリスク」に頼るからだと述べられていますが、詳しく説明してください。


「計算できるリスク」とは、統計モデルを使って危険を計算し予想するもの。保険会社のリスク計算や、政府や企業などが一般にセキュリティー対策に使うものだ。

ところが、チェルノブイリ原発事故は、モスクワから来た原発の安全検査をする技術者が冷却装置を止める実験をして、コントロールできなくなっていって爆発したものだ。こうした、ある日技術者が来て実験し大災害を引き起こすということは、「計算できるリスク」外のことだった。

フランスの原発もある日、飛行機が墜落して大惨事を引き起こすかもしれないということは「計算できるリスク」外のこと。フクシマの原発事故も、計算されたリスクモデルを超えた高さの津波に襲われた。

世界の原発産業は、この「計算されたリスク」のコンセプトに頼りすぎる。この「計算されたリスク」に頼ることで、ほかのリスクを排除してしまうという過ちを犯す。
言い換えれば、「計算されたリスク」モデルこそが大災害を引き起こすのだと言うことだ。

では、どうすればよいのか?それは、大惨事を予想できる「新しい想像力」を活用することだろう。



――最後に、ドイツが3・11後に脱原発に舵を切ったのに対し、フランスはほとんどこうした動きがありません。このことをフランスの学者としてどう捉えますか。


フランスは「核の中毒」に陥っている国。75%の電力を原発に頼っている。従ってこの国はそう簡単に原発から抜け出せない。

ただ、2035~2045年ごろから、原発に頼っている国は徐々に原発から抜け出す方向に移行することがすでに予想されている。ウランがなくなるからだ。

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