琉球大学矢ヶ崎克馬教授によると、
ウクライナでは、年間被曝線量が
5mSV以上を「移住義務地域」としています
(前のブログ記事、
「郡山市は、どうして子どもの保護を拒絶するのか」参照)。
福島では、
そのような基準が無視され、
子どもたちが
放置されています。
9月14日に
神戸大学の山内知也教授(放射線エネルギー応用科学)が
行った福島市渡利地区の調査をしたようです。
それによりますと、測定した10か所中、
4か所で2μSv/h(地上50cm)を超える地点があったと言います。
年間被曝線量は、
2×24×365で出ます。
計算しますと、
17520です。
単位は、μSv。
これをミリ表記にすると、
17・52mSvになります。
5mSvを基準に考えたら、3倍以上です。
この数値、南相馬市の子供・妊婦の
特定避難勧奨地点指定基準を超える数値らしいです。
Web上のニュースサイト情報です
(「福島の子供たちの被曝が止まらない」日刊SPA!参照)。
また、福島市が除染を行った渡利小学校の通学路雨水枡では、
地上1cmの線量で22.6μSv/hを記録したらしい・・・。
そのほか、除染された側溝でも地上1cmで5.5μSv/hを記録。
そんなこんなで、
8月23日、
ニューヨークの国連総本部前にて、
福島県で農業を営む佐藤幸子さん(53歳)は、
レセプションを終えて目の前に現れた野田首相に訴えたそうです。
「野田首相、福島の子供たちを守れないで、原発の安全を世界中に言うのは卑怯だ!!」と。
もともと渡米の目的は、
米国の市民団体、議員、原子力規制委員会に福島の現状を知らせることだったようです。
話した感触として、
「米国には福島の現状がよく伝わっていないようで、
マスコミも議員も原子力規制委員会も、熱心に話を聞いてくれました。
『福島ではまだ子供たちが生活しているのか?』
と驚く人もいました」と報告されています
(上掲ニュースサイト参照)。
思うに、上の佐藤さんの報告で
「米国には」とあるのを、
「日本では」と書き換えても同じことが当てはまるように感じます。
違うのは、
日本ではアメリカと異なって、
『福島ではまだ子供たちが生活しているのか?』
と驚く人がいない、ということです。
諦めというか、
無関心でいることによって
無力感に陥るのを避けているかのようです。
その要因の一つになっているのが
新聞報道の
ありようではないかと思えます。
たとえば、
上述したWebのニュースサイトは、
渡利地区にある保育園「こどものいえ そらまめ」では、
「行政の対応を待ってはいられない」と、
児童の保護者や近隣住民が自主的に除染を始めたそうです。
園長の門間貞子さんは、
「子供たちは、
泥にまみれて遊べる庭を取り戻しました」
と語られたそうです。
でも、今まで通ってきた
公園や山には連れていくことができません。
在籍児童23人のうち、
残っているのは9人。
みんな自主避難して行ったと言います。
福島市の放射線量を下げなければ、
人口流出の止まりません。
窮状が
なるほど、伝わってはきます。
同じ、渡利地区の園長を取材して、
米国CBSニュースは、2011年6月の放映で
次のように述べます、
「園の創設者、門馬貞子さんは、
この施設の運営を続けると心に誓っていると、
私に話してくれました。
しかし、彼女はもはや家賃を支払うことができなくなっています」と
(管理人の名前は、小林 順一さん。ハンドルネームidonochawanさんが
運営しているサイト「星の金貨プロジェクト」所収、
「 日本の放射能ジレンマ : 去るべきか、恐怖の中で暮し続けるのか? 」
というタイトルで翻訳された米国CBSニュース参照)。
簡潔でしょ?
それでいて、一番、肝心なものが伝わってきてます。
すなわち、福島の地に
残っている者の窮状が肌で感じれるってことです。
そこが大切なんです。
これが、
表現力の差です。
家賃を支払う余力がないという一事で
困窮の具合が
伝わる上にも伝わってきます。
日本のジャーナリストって、
この辺りの筆圧が
弱いなと
素人ながら感じます。
家賃云々だけの例では
頼りないですか。
もう一つ、題材を上げておきましょう。
日本のニュースサイトでは
上に説明した通り、
子ども達が
高線量被ばくしている事実を摘示しようとして
「この数値、南相馬市の子供・妊婦の
特定避難勧奨地点指定基準を超える数値です」と、
やっちゃってます。
これが
米国CBSニュースになると、
「政府は年間被爆利用の制限を、
福島県内に限り20ミリシーベルトまで緩めています。
それは
マンモグラフィー検査(乳ガン検査)を、
50回受けるのと同じ量の被爆をすることになります」
という表現になります。
南相馬市には
沼内恵美子さん、通称ぬまゆさんというブロガ―がいます。
その人を通して、
ここは大変な地域だぞ、
という認識が
僕には成立しています。
しかし、僕の見方が全てではありません。
(この人、嘘つきなんだ)
と言わんばっかりに
難癖をつけてくる人がいます。
無意味な論争は避けたいんで
極力、無視するようにしてます・・・
ただ、他方で、
誰もがそんな風に論争を敬遠してしまうと、
生贄になる覚悟で
ぬまゆさんが幾らパーソナルな部分を晒されても、
情報が滞ってしまいます
(現に滞っているでしょう)。
結果、了解事項が
「南相馬」という名を出されても
イメージが貧弱なままに終わるのじゃないでしょうか。
つまり、「特定避難勧奨地点指定基準」
と言うに止まるだけでは、
概念として、
具体性によって肉付けされていないので
他人に伝わり難いのです。
上のCBSのニュースを翻訳して下さった
「星の金貨プロジェクト」
の管理人、小林順一さんの語られている通り、
「太平洋戦争」開戦の当時と比肩しえる事柄です。
戦争が始まる前、
日本海軍ですら『成算は無い』として開戦に反対だったものを、
国民を煽って
開戦に至らしめる原因のひとつを作ったのが
当時の日本の新聞社」でした。
加えて、戦争中は
『大本営発表』というウソを右から左に流し続け、
結局は原爆投下、ソ連の参戦、というところまで日本を引きずっていき、
日本の敗戦をよりいっそう悲惨なものにした責任の一端も担った」ということ。
伝えるべきことは、
そう多くないのです。
しかし、確実に
伝えなければならない。
その責任を自覚的に負って頂きたいです。
そうすれば、
「日本の本当の状況を国民に伝えていれば、
国民は早期に
戦争を終わらせる事を望んだでしょう」
(「星の金貨プロジェクト」参照)。
みんなで、ありのままのことを
ありのままに共有する情報というのが
思いの外、大切と思います。
ジャーナリストのみなさんに猛省をお願いする所以です。
太平洋戦争開戦時、国民が知るべき情報が
伝えられていなかったことと
現在、僕たちが
大して何も
福島の実情を知らないこととは、
問題の本質として
同じだ、ということです。
かたや戦争、かたや原発。
見た目、違うものでありながら、
中身、同じというやつです。
シンプルに、
しかし、そうは言っても、
大衆に媚びない
報道をしてもらいたいです。
ウクライナでは、年間被曝線量が
5mSV以上を「移住義務地域」としています
(前のブログ記事、
「郡山市は、どうして子どもの保護を拒絶するのか」参照)。
福島では、
そのような基準が無視され、
子どもたちが
放置されています。
9月14日に
神戸大学の山内知也教授(放射線エネルギー応用科学)が
行った福島市渡利地区の調査をしたようです。
それによりますと、測定した10か所中、
4か所で2μSv/h(地上50cm)を超える地点があったと言います。
年間被曝線量は、
2×24×365で出ます。
計算しますと、
17520です。
単位は、μSv。
これをミリ表記にすると、
17・52mSvになります。
5mSvを基準に考えたら、3倍以上です。
この数値、南相馬市の子供・妊婦の
特定避難勧奨地点指定基準を超える数値らしいです。
Web上のニュースサイト情報です
(「福島の子供たちの被曝が止まらない」日刊SPA!参照)。
また、福島市が除染を行った渡利小学校の通学路雨水枡では、
地上1cmの線量で22.6μSv/hを記録したらしい・・・。
そのほか、除染された側溝でも地上1cmで5.5μSv/hを記録。
そんなこんなで、
8月23日、
ニューヨークの国連総本部前にて、
福島県で農業を営む佐藤幸子さん(53歳)は、
レセプションを終えて目の前に現れた野田首相に訴えたそうです。
「野田首相、福島の子供たちを守れないで、原発の安全を世界中に言うのは卑怯だ!!」と。
もともと渡米の目的は、
米国の市民団体、議員、原子力規制委員会に福島の現状を知らせることだったようです。
話した感触として、
「米国には福島の現状がよく伝わっていないようで、
マスコミも議員も原子力規制委員会も、熱心に話を聞いてくれました。
『福島ではまだ子供たちが生活しているのか?』
と驚く人もいました」と報告されています
(上掲ニュースサイト参照)。
思うに、上の佐藤さんの報告で
「米国には」とあるのを、
「日本では」と書き換えても同じことが当てはまるように感じます。
違うのは、
日本ではアメリカと異なって、
『福島ではまだ子供たちが生活しているのか?』
と驚く人がいない、ということです。
諦めというか、
無関心でいることによって
無力感に陥るのを避けているかのようです。
その要因の一つになっているのが
新聞報道の
ありようではないかと思えます。
たとえば、
上述したWebのニュースサイトは、
渡利地区にある保育園「こどものいえ そらまめ」では、
「行政の対応を待ってはいられない」と、
児童の保護者や近隣住民が自主的に除染を始めたそうです。
園長の門間貞子さんは、
「子供たちは、
泥にまみれて遊べる庭を取り戻しました」
と語られたそうです。
でも、今まで通ってきた
公園や山には連れていくことができません。
在籍児童23人のうち、
残っているのは9人。
みんな自主避難して行ったと言います。
福島市の放射線量を下げなければ、
人口流出の止まりません。
窮状が
なるほど、伝わってはきます。
同じ、渡利地区の園長を取材して、
米国CBSニュースは、2011年6月の放映で
次のように述べます、
「園の創設者、門馬貞子さんは、
この施設の運営を続けると心に誓っていると、
私に話してくれました。
しかし、彼女はもはや家賃を支払うことができなくなっています」と
(管理人の名前は、小林 順一さん。ハンドルネームidonochawanさんが
運営しているサイト「星の金貨プロジェクト」所収、
「 日本の放射能ジレンマ : 去るべきか、恐怖の中で暮し続けるのか? 」
というタイトルで翻訳された米国CBSニュース参照)。
簡潔でしょ?
それでいて、一番、肝心なものが伝わってきてます。
すなわち、福島の地に
残っている者の窮状が肌で感じれるってことです。
そこが大切なんです。
これが、
表現力の差です。
家賃を支払う余力がないという一事で
困窮の具合が
伝わる上にも伝わってきます。
日本のジャーナリストって、
この辺りの筆圧が
弱いなと
素人ながら感じます。
家賃云々だけの例では
頼りないですか。
もう一つ、題材を上げておきましょう。
日本のニュースサイトでは
上に説明した通り、
子ども達が
高線量被ばくしている事実を摘示しようとして
「この数値、南相馬市の子供・妊婦の
特定避難勧奨地点指定基準を超える数値です」と、
やっちゃってます。
これが
米国CBSニュースになると、
「政府は年間被爆利用の制限を、
福島県内に限り20ミリシーベルトまで緩めています。
それは
マンモグラフィー検査(乳ガン検査)を、
50回受けるのと同じ量の被爆をすることになります」
という表現になります。
南相馬市には
沼内恵美子さん、通称ぬまゆさんというブロガ―がいます。
その人を通して、
ここは大変な地域だぞ、
という認識が
僕には成立しています。
しかし、僕の見方が全てではありません。
(この人、嘘つきなんだ)
と言わんばっかりに
難癖をつけてくる人がいます。
無意味な論争は避けたいんで
極力、無視するようにしてます・・・
ただ、他方で、
誰もがそんな風に論争を敬遠してしまうと、
生贄になる覚悟で
ぬまゆさんが幾らパーソナルな部分を晒されても、
情報が滞ってしまいます
(現に滞っているでしょう)。
結果、了解事項が
「南相馬」という名を出されても
イメージが貧弱なままに終わるのじゃないでしょうか。
つまり、「特定避難勧奨地点指定基準」
と言うに止まるだけでは、
概念として、
具体性によって肉付けされていないので
他人に伝わり難いのです。
上のCBSのニュースを翻訳して下さった
「星の金貨プロジェクト」
の管理人、小林順一さんの語られている通り、
「太平洋戦争」開戦の当時と比肩しえる事柄です。
戦争が始まる前、
日本海軍ですら『成算は無い』として開戦に反対だったものを、
国民を煽って
開戦に至らしめる原因のひとつを作ったのが
当時の日本の新聞社」でした。
加えて、戦争中は
『大本営発表』というウソを右から左に流し続け、
結局は原爆投下、ソ連の参戦、というところまで日本を引きずっていき、
日本の敗戦をよりいっそう悲惨なものにした責任の一端も担った」ということ。
伝えるべきことは、
そう多くないのです。
しかし、確実に
伝えなければならない。
その責任を自覚的に負って頂きたいです。
そうすれば、
「日本の本当の状況を国民に伝えていれば、
国民は早期に
戦争を終わらせる事を望んだでしょう」
(「星の金貨プロジェクト」参照)。
みんなで、ありのままのことを
ありのままに共有する情報というのが
思いの外、大切と思います。
ジャーナリストのみなさんに猛省をお願いする所以です。
太平洋戦争開戦時、国民が知るべき情報が
伝えられていなかったことと
現在、僕たちが
大して何も
福島の実情を知らないこととは、
問題の本質として
同じだ、ということです。
かたや戦争、かたや原発。
見た目、違うものでありながら、
中身、同じというやつです。
シンプルに、
しかし、そうは言っても、
大衆に媚びない
報道をしてもらいたいです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます