のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

三ヶ月の待機

2008年05月22日 17時11分09秒 | Weblog
葬式の翌日、出勤すると主任から「泊まり勤務は、やらなくていい」と言われた。

(僕の提案が受け入れられたんだ!)としか思わなかった。

僕のやる仕事は、日中、全盲の人の介助をするだけとなった。ただ、とびとびの勤務

日だったので、生活費がどんどん不足して行った。それでも、自分の提案が受けいれ

られたと信じて疑っていなかった。


三ヶ月が経過した。


主任から呼び出しを受け、解雇の旨、告げられた。理由は、”資格がないから”とい

うことだった。

(そんなもん、最初から分かっていることやん)

しかし、逆らっても意味がない。「分かりました」と了解した。

ただ、一つだけ、お願いとして頼みごとをした。Mさんへ手紙を、施設に送るので、

本人に手渡して欲しいということだった。


最後のお別れを、と思ってグループ・ホームに寄った。

新顔の職員がいたので、この三ヶ月間の様子を質問した。

「S君は平穏ですよ。でも、他の人の調子が悪いです。総動員体勢で介護に当たって

ます」ということだった。


(介護というよりは、騒動の鎮圧といったほうが事実に近いのではないか)


ホームに顔を出したとき、P君が筋トレをしていた・・・。あれは、自分の不安を訴

えるデモンストレーションだったのかもしれない。


主任には、見事に、予想を裏切られた。

僕は、主任を完全に誤解していた。この人と雑談する機会があって、

「主任にとって、介護って、自分の人生にどんな意味を与えるものですか?」と尋ね

たことがある。

「ただのビジネスです」という返答が返ってきた。

うっかり聞き流したが、僕の場合とは、姿勢が明らかに異なっている。僕は、ビジネ

スという割り切り方はしてなかった。

Mさんが転任させられた後、次に吹き飛ばされるのは自分だ、という思いにとらわれ

ていたのかもしれない。

あのミーティングでの僕の爆裂発言の後、辞めて行った職員は十人に及ぶ。僕と違っ

て、正職員だった者もいる。主任は、管理職として、彼らを育てる責任があった。


・・・それが僕のために、転落して行った・・・


S君をめぐっての、僕の提案は、新たな脱落者を生む。そうなれば、自分も責任を免

れなくなるだろう、ということを主任自身が口にしていた。


施設長は、長期入院中だった・・・

そのこともあって、解雇に踏み切ったということなのかもしれない。

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3 コメント

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予想はしたものの (kayo)
2008-05-22 21:35:54
前回の話の流れから予想はしたものの、解雇なんてよくそんな結論出しましたね、現場の状況見れば返って自分の首を絞めるような事になるのに・・・
福祉施設の管理職としてビジネスライクで物事を処理して行く、そういう現実もあるのですね。
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苦渋の解雇・・ (obichan)
2008-05-23 00:43:59
忠太さんのいないことが、どんなに大変なことか否が応でも体験せざるを得なかったのでしょう。たぶん、ビジネス的にみてそれがマイナスになってしまうと感じたのだと思います。
ビジネスだけではなかったはずです。人が育たないというところも考慮して苦渋の結果だったと思います。辛い結果だったのです。仕方なかったのです・・・
忠太さんのことは十分、主任さんもわかってらっしゃった。

今の私にはそれが痛いほどわかります。
忠太さんのやってきたこと無駄にはなってない・・
無駄にはなってないです・・・
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面目ない (忠太)
2008-05-23 22:10:25
☆kayoさん

そうなんですよ。

主任さん、自分の首を絞めてしまったと思います。一時の感情に駆られて、僕を締め出した。しかし、利用者を落ち着かせるのに3ヶ月もかかったわけです。僕がMさんから引継ぎに要した時間とて、ほとんどゼロです。また、僕がいなくなったことで、全盲者の人も暴れ出すでしょう。(これって、思い上がりではありません。自分の体験から断定できるのです)

全盲の人を納得させるまでに要する時間と労力とかも考えると、利用者の心を甘く見ているな、という印象があります。

結果として、僕と利用者の絆を確認する羽目になってます。解雇した立場にいる者として、最悪の選択です。

”一流”であることに拘る施設の幹部たちが、その結末をどう見るかです。

僕は、どっかで、主任のため心配してあげてます。この人も、僕を解雇した後、解雇されてると思います。

☆obichanさん

お優しいですね。

僕がやってきたこと、無駄になりませんように!、と心から願って下ってるのですね。

でも、ビジネスと割り切って、”介護”に関われる人って、怖いですよ~。ビジネスで”恋愛”もできちゃう人です。
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