ナースは最も信頼されている専門職

2013-08-20 11:46:38 | 看護/医療全般
  Nurses are the morst trusted profession.(ナースは最も信頼されている職業人)という表現は、看護の国際会議で、よく出てくる。

 これは、ギャラップ調査(Gallap poll)というアメリカの世論調査(世界で先駆的な世論調査だといわれている)でのことで、ナースは、過去13年間(ナースが調査対象の職業に加えられたのが1999年なのでそれ以後)のうち12年、「もっとも倫理的で正直な専門職者」の第一位を維持している。1位を外したのは同時多発テロが起こった2001年で、その時は、消防士が一位になっている。それのみが例外で、ナースは12年間、もっとも信頼できる倫理性の高い職業人である↓
http://www.gallup.com/poll/159035/congress-retains-low-honesty-rating.aspx

 医療職は全体はやはり、一般の人々から信頼性が高いが、ナースがダントツ1位である。医師は3位。ナースは医師に15ポイントの差をつけ、高い倫理観を持つ誠実な専門職であると考えられている。

 ナースはうそをつかない。患者を始めとして、立場の弱い人々の権利を擁護し代弁する(アドボカシー)。つまり患者を中心にケアを考えていくわけで、それが社会に正しく伝わっていれば、もっとも信頼できる専門職だと認識されるのは、当然である。

 世界各国、ナースの順位の高さは共通である。ただ、アメリカで、もっともメジャーな世論調査でこれだけ明瞭な数字が出ていることは注目に値する。(1999年に調査対象の専門職リストにナースを加えるようになったのは、やはり、それだけ、一般世論に看護の重要性、ナースの実践内容について、いろいろな機会を見つけて説明し、訴えてきたアメリカナースの努力があったからだと考える)

 先週土曜日の愛媛県看護協会のコミュニケーションの研修で、「ナースは最も信頼されている専門職」という言葉が国際会議でよく言われることであることを説明した。信頼を寄せられていることから、ナースが行うケアの患者満足度が高い。それが現在では病院の質評価の重要要素になっていることを述べたのだ。

 なぜ、コミュニケーションの研修にそのようなことを強調したのかというと、看護はそれだけ社会から支持されていること、そして、ナースのやっていることを、患者や家族、医師などの他職種、一般の人々にしっかり説明できることにより、看護への注目が高まり、配慮が増え、予算を始めとした方針や社会政策が看護を重視したものになっていくこと、それは、ナースの自分勝手な要求ではなく、一般の人々が求める看護を守ることにつながることを重要なことであることを伝えるためであった。
 
 
 参考までに、上記の昨年のギャラップ調査の結果を下記に記しておく(2012年11月26-29日)。政治家への信頼はやはり低い。

(パーセントは「非常に高い(倫理性と誠実性を備えた職業人)」への回答率)

1.看護師 85%
2.薬剤師 75
3.医師  70
4.エンジニア 70
5.歯科医師 62
6.警察官 58
7.大学教師 53
8.聖職者 52
9.精神科医 41
10.カイロプラクター 38
11.銀行家 28
12.ジャーナリスト 24
13.企業の幹部 21
14.州知事 20 
15.弁護士 19
16.保険会社の営業担当者 15
17.上院議員 14
18.HMO(病院グループ)のマネージャー 12
19.株式ブローカー 11
20.広告業 10
21.国会議員 10
22.車のセールスマン 8




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松山に行ってきた

2013-08-18 23:34:24 | 対人コミュニケーション
  8月16日(金)、17日(土)と道後温泉に行ってきた。休暇ではない。愛媛県看護協会主催のナースのための対人コミュニケーションの研修の講師としてだ。

 自分でも今更ながら、びっくりしたのだが、四国に行くのは、初めてである。伊予かんとじゃこ天、一六タルト、漱石先生は、よく知っているのだが。。。初めて行って、道後温泉にも入った。道後温泉の改修工事が予定されているために「その前に」、と思った人が多いからか(タクシーでそのようなことを聞いた)、家族連れの観光客が多かった。「家族で来たい」という気持ちはよく分かった。私も次回は、そうしたい。

 一昨年に出版した渡部富栄著『対人コミュニケーション入門 看護のパワーアップにつながる理論と技術』(ライフサポート社刊)を読んでくださったことがきっかけで、研修のオファーをいただいた。

 この本を使い、対人コミュニケーションの基本構図、スキル、治療的コミュニケーション、ナースの存在感を高めるコミュニケーション、コンフリクト・アプローチを採りあげ、最後に演習を組んだ。愛媛のナースは穏やかな印象なのだが、芯の強さを感じた。

 『対人コミュニケーション入門 看護のパワーアップにつながる理論と技術』は第3刷に入った。

 書いたときは看護学生から中堅のナースまでを対象に考えていたが、現在は、看護教育の3年制や大学の学部のテキスト、大学院のゼミの資料などに使われ、また、今回のように専門職団体や病院での継続教育の研修などでの採用が進んでいる。介護職にも読まれている。さらに、保健医療に限らず、コミュニケーションや声を使う仕事の人たちの中にも手に取る人が増えてきている。出版社のライフサポート社の佐藤社長いわく、「徐々に浸透していっている」らしい。 

 松山市の坊っちゃん列車↓


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