夫婦でシネマ

夫婦で見た映画と、個別に見た映画について感想をかいてます。全て映画館で見た映画で、ミニシアター系の映画をたくさん紹介!

みえない雲

2007年02月25日 | ま行の映画
Story
ハンナ(パウラ・カレンベルク)は、幼い弟のウリーと母親の3人でドイツの片田舎に暮らす、ごく普通の女子高生。目下、転校生で理数系に強いエルマー(フランツ・ディンダ)が気になっているところ。
しかし、高校での期末試験の最中、突如サイレンが鳴り響く。近郊の原子力発電所が事故を起こしたのだ。放射能を帯びた雲が迫って来る前に街を脱出しなければならない。母親が出張中でウリーが1人家で留守番をしているため、必ず迎えに行く、というエルマーの声を背にハンナは家に急ぐ。一刻の猶予もないためにハンナはウリーを連れて、自転車で避難するが、ウリーの自転車が暴走して車に轢かれてしまう。放射能雨を浴びて被爆したハンナは病院に収容され、そこでエルマーと再会する。未曾有の事故の犠牲者は3万人を超え、エルマーにも被爆の症状が現れる。そんな中でも、ハンナとエルマーはお互いの愛を確かめ合い、共に生きて行く決意をするのだった。
2006年/ドイツ/グレゴール・シュニッツラー監督作品





評価 ★★☆☆☆

映画としての出来映えはどうあれ、考えさせられました。ドイツ以上の原発大国である日本でも、いつ起きるとも知れない事故です。
しかし、日々の生活を送る上で既に原発は欠かせないものになっています。火力発電に偏向すれば温暖化が問題になってくるし、特に日本の場合、中東で戦火があがれば原油供給が絶たれてしまいます。(ちなみにアメリカはその点したたかで、米州エネルギー自給構想というのがあって、中東で事が起これば南北アメリカ大陸産の原油でまかなえる体制になっています。)その他の発電方式はまだ効率上の問題があるし。そういうわけで、簡単に原発反対で済む問題でもありません。私たちはどっちに転んでも絶体絶命の崖っぷちで生きているということですね。

映画の内容としては、逃げ惑う群衆の描写が、明日は我が身の冷や汗ものでした。パニック終息後の後半が弱かった気がします。
ハンナが自ら放射能雨をあびる場面がちょっと解せませんでしたが、弟を守りきれなかった罪の意識からの贖罪を求めての行為と思われます。
最後にエルマーと二人で弟を葬る場面が希望を抱かせるものになっているので、少し救われた気持ちになりました。

(「みえない雲」2007年2月 名演小劇場にて鑑賞)

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは! (アイマック)
2007-06-16 12:36:32
TBありがとうございました!

ほんと考えさせられる映画でしたね・・・
ハンナが雨を浴びたのは理解できる気がしますよ~
弟くんの悲劇は痛ましい出来事でした。
希望を抱かせる最後で救われました^^
ハンナ役の女優さんの毅然とした演技が印象に残りました!
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ハンナが素敵! (wanco)
2007-06-17 11:39:06
アイマックさん、おはようございます。

TB&コメントありがとうございました。
ハンナ役の女性は魅力的でしたね。
ラストで「髪をなびかせるの」といって車から身を乗り出して風を受けるシーンがとても良かったです。
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