Story
お蘭(小泉今日子)によって吉原の玉菊屋に連れてこられた8歳の少女。きよ葉(土屋アンナ)と名付けられた彼女は、高級花魁・粧ひ(菅野美穂)に面倒を見られることになった。玉菊屋から脱走を図り続けるきよ葉だったが、粧ひに導かれ吉原一の花魁を目指す事を決意する。やがて17歳となったきよ葉は、美貌と鼻っ柱の強さで一躍江戸中の注目を集める存在に。そんなきよ葉は、お客として来たうぶな青年・惣次郎(成宮寛貴)と初めての恋に落ちるのだが…。(goo映画より)
2007年/日本/蜷川実花監督作品
評価 ★★★☆☆
この映画は、漫画家・安野モヨコのコミック「さくらん」を映画化したもので、監督はフォトグラファーの蜷川実花で、初監督作品になります。
この映画は名古屋のセンチュリーシネマで鑑賞したのですが、満席に近いほどの大盛況で、「さくらん」という映画にちなんでか、着物姿で鑑賞している女性客がちらほらと見られましたね。
この映画館のあるパルコギャラリーでは『さくらん極彩色絢爛展』(3月2日~14日迄)・『花魁撮影会』(3月10日・11日)などのイベントが開催されていて、映画鑑賞後も「さくらん」の余韻を楽しめるようになっていました♪(^^)
感想ですが、一言で言うと映画「マリー・アントワネット」の和装版を観ているような雰囲気でした。監督の蜷川実花もソフィア・コッポラと同じく元フォトグラファーの女性監督なので、とにかく映像に無茶苦茶こだわっているような感じ。豪華絢爛な衣装や小道具の数々を鮮やかな美しい色彩で描き出し、映像を観ているだけでも楽しめます。
また、音楽監督に椎名林檎を起用していますが、椎名林檎の歌う現代風な音楽ともマッチしていて、遊女として生きる女性の哀しさ、虚しさをよりドラマチックに表現していました。
ただ映像にこだわりすぎたせいか、肝心の物語の方が上手く描き切れていないため、いまひとつこの映画の面白さが伝わってこなかったですね。私は安野モヨコの描くリアルな女性像が好きで、このコミックも映画を観る前に読んだのですが、映画は原作をなぞっているだけの印象を受けました。
吉原遊郭に生きる主人公・きよ葉は、辛い境遇に耐えながらも誰にも媚びずに自分らしく生きようとする、現代にも通じる格好いいヒロインです。そのきよ葉に土屋アンナを起用したせいか、彼女のやんちゃぶりばかりが目立ってしまって、雰囲気だけの格好良さしか伝わってこなかった気がします。
かえって、その脇を演じる花魁役の菅野美穂と木村佳乃の方が、体当たりの演技でとてもリアルに感じられました。特に濡れ場のシーンは、土屋アンナの場合、奇麗に描き過ぎで物足りなさを感じる人もいたと思いますが、菅野美穂と木村佳乃はさすがベテラン女優と言えるだけの大胆な演技で、充分に魅せてくれたと思います。^^;
男性陣は女性陣に押されっぱなしで印象が薄いですが、きよ葉を陰で見守り、支え続ける玉菊屋の清次役・安藤政信が自然体な演技で好印象が持てました。
また、吉原の遊女になぞらえて、水槽の中でしか生きられない金魚の姿を映画では描いていますが、この金魚の映像が過剰に登場するのでちょっとうんざりしました。それよりも遊女たちの生き様というか、人間ドラマの方にもっとスポットをあててほしかったような気がします。
同じ吉原遊郭の遊女たちを描いた、名取裕子主演の映画「吉原炎上」の方がずっと面白かったですね。せっかく映像は美しいのに、ドラマの部分が薄っぺらい印象になってしまったのはとても残念でした。
映画『さくらん』公式サイト
(「さくらん」2007年3月 名古屋 センチュリーシネマにて鑑賞)
お蘭(小泉今日子)によって吉原の玉菊屋に連れてこられた8歳の少女。きよ葉(土屋アンナ)と名付けられた彼女は、高級花魁・粧ひ(菅野美穂)に面倒を見られることになった。玉菊屋から脱走を図り続けるきよ葉だったが、粧ひに導かれ吉原一の花魁を目指す事を決意する。やがて17歳となったきよ葉は、美貌と鼻っ柱の強さで一躍江戸中の注目を集める存在に。そんなきよ葉は、お客として来たうぶな青年・惣次郎(成宮寛貴)と初めての恋に落ちるのだが…。(goo映画より)
2007年/日本/蜷川実花監督作品
評価 ★★★☆☆
この映画は、漫画家・安野モヨコのコミック「さくらん」を映画化したもので、監督はフォトグラファーの蜷川実花で、初監督作品になります。
この映画は名古屋のセンチュリーシネマで鑑賞したのですが、満席に近いほどの大盛況で、「さくらん」という映画にちなんでか、着物姿で鑑賞している女性客がちらほらと見られましたね。
この映画館のあるパルコギャラリーでは『さくらん極彩色絢爛展』(3月2日~14日迄)・『花魁撮影会』(3月10日・11日)などのイベントが開催されていて、映画鑑賞後も「さくらん」の余韻を楽しめるようになっていました♪(^^)
感想ですが、一言で言うと映画「マリー・アントワネット」の和装版を観ているような雰囲気でした。監督の蜷川実花もソフィア・コッポラと同じく元フォトグラファーの女性監督なので、とにかく映像に無茶苦茶こだわっているような感じ。豪華絢爛な衣装や小道具の数々を鮮やかな美しい色彩で描き出し、映像を観ているだけでも楽しめます。
また、音楽監督に椎名林檎を起用していますが、椎名林檎の歌う現代風な音楽ともマッチしていて、遊女として生きる女性の哀しさ、虚しさをよりドラマチックに表現していました。
ただ映像にこだわりすぎたせいか、肝心の物語の方が上手く描き切れていないため、いまひとつこの映画の面白さが伝わってこなかったですね。私は安野モヨコの描くリアルな女性像が好きで、このコミックも映画を観る前に読んだのですが、映画は原作をなぞっているだけの印象を受けました。
吉原遊郭に生きる主人公・きよ葉は、辛い境遇に耐えながらも誰にも媚びずに自分らしく生きようとする、現代にも通じる格好いいヒロインです。そのきよ葉に土屋アンナを起用したせいか、彼女のやんちゃぶりばかりが目立ってしまって、雰囲気だけの格好良さしか伝わってこなかった気がします。
かえって、その脇を演じる花魁役の菅野美穂と木村佳乃の方が、体当たりの演技でとてもリアルに感じられました。特に濡れ場のシーンは、土屋アンナの場合、奇麗に描き過ぎで物足りなさを感じる人もいたと思いますが、菅野美穂と木村佳乃はさすがベテラン女優と言えるだけの大胆な演技で、充分に魅せてくれたと思います。^^;
男性陣は女性陣に押されっぱなしで印象が薄いですが、きよ葉を陰で見守り、支え続ける玉菊屋の清次役・安藤政信が自然体な演技で好印象が持てました。
また、吉原の遊女になぞらえて、水槽の中でしか生きられない金魚の姿を映画では描いていますが、この金魚の映像が過剰に登場するのでちょっとうんざりしました。それよりも遊女たちの生き様というか、人間ドラマの方にもっとスポットをあててほしかったような気がします。
同じ吉原遊郭の遊女たちを描いた、名取裕子主演の映画「吉原炎上」の方がずっと面白かったですね。せっかく映像は美しいのに、ドラマの部分が薄っぺらい印象になってしまったのはとても残念でした。
映画『さくらん』公式サイト
(「さくらん」2007年3月 名古屋 センチュリーシネマにて鑑賞)
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