

評価 ★★☆☆☆
甘酸っぱい青春ラブストーリーなのかな?と期待して観にいったのですが、正直ハマれなかった。あまりにもベタな展開が多かったせいだと思う。
せっかく蒼井優をはじめ、若手実力派の役者たちがそろっているのに、この映画では彼等の個性をうまく引き出せていなかった気がして残念です。
また個人的な感想ですが、蒼井優演じる主人公の作品が抽象画ばっかりだったので、美大の特待生という設定なのに、上手いのか下手なのかよく分からなかったのも残念。
おまけに伊勢谷友介演じる美大生が、個展に出品した自分の作品を、値段がつけられたことへの反感からか、自ら燃やしてしまうシーンがあって、そのシーンも私はちょっと感情移入できなかった。
というのは、以前、村上隆著(六本木ヒルズのキャラクターをデザインしたり、ルイ・ヴィトンとコラボレートしたことでも有名なクリエーターです。)の「芸術起業論」を読んだことがあるのですが、その本の内容が、日本人の芸術家は世界にくらべると商業意識がかなり低いので、アートをビジネスとしてもっと捉えるべきだ、というものでした。
そこで私個人の意見ですが、アートでごはんを食べていくには、きれいごとだけでは通用しないし、お金で評価されることへの反感も時代おくれのような気がしたのです。
私は原作のコミックを読んでいないので、映画オリジナルの展開かどうか分かりません。
この映画で唯一面白かったと感じたのは、加瀬亮演じる真山の描き方でした。
普段はクールで、美大では先生や生徒からも信頼されているのに、バイト先の女性を好きでストーカーまでしてしまうほどアブない一面も持っている。
そんな複雑なキャラクターを加瀬亮は違和感なく演じて、最後のバイト先の女性に告白するシーンは、思わず引き込まれてしまいました。
また、別の女性を想う真山に一途に恋し続けるあゆも、その切なさが伝わってきて良かったです。
全員が片思いという設定は面白いと思う。でもキャラクターによってはその描き方が弱くて、どんなにベタな展開になってもいいから、もっと見ていてドキドキハラハラする要素がほしかった。彼等の恋愛をもっと上手く描けていたら、映画全体の印象も変わっていたに違いないです。
この映画の予告を見て、公開を楽しみにしていただけに、見終わった後、少し期待を裏切られた気持ちがしたのは、とても残念でした。
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