Story
春の浅い頃、タエコ(小林聡美)はとある海辺の町の空港に降り立った。大きなトランクを一つ提げて、民宿「ハマダ」に宿をとった。観光する所もない田舎町だが、ハマダの近くには不思議な人々が集っていた。毎朝、浜辺で行われる「メルシー体操」、近所でぶらついている高校教師のハルナ(市川実日子)、笑顔でカキ氷を振舞うサクラ(もたいまさこ)。彼らのマイペースさに耐え切れないタエコは、ハマダを出て、町でもうひとつの民宿「マリン・パレス」に移ろうとするが…。(goo映画より)
2007年/日本/荻上直子作品
評価 ★★☆☆☆(辛口)
『バーバー吉野』『かもめ食堂』の荻上直子監督の最新作。
この映画は、物語を期待して観に行った人はちょっとダメかもしれません。登場人物たちが全編、ダラダラと過ごす日々が描かれているだけで、何の事件も起こらないし、登場人物たちの間に何のドラマも生まれない。『かもめ食堂』のゆったりとした穏やかな世界観が好きで、また、あのユルユルな感じの雰囲気をもう1度味わいたくて、この映画も楽しみにしていたんですけどね。。正直、ちょっと期待外れでした。。
都会に疲れて、どこかの南の島に旅行しにきた主人公タエコ(小林聡美)。このシチュエーションは癒されるかなーと思って期待していたんですけど、彼女が泊まることになる民宿ハマダの住人たちが奇妙というか、、ちょっと無神経な感じの人達で。。癒されるどころか、見ていて首をかしげたくなるようなシーンがたくさんありました。
例えば、民宿「ハマダ」を経営している民宿の主人ユージ(光石研)。タエコが泊まりに来た最初の晩に、自分は用事があるからと、お客さんに対して「冷蔵庫の物を勝手に食べて下さい。」と言って、夕食をきちんと用意しないで出かけてしまう。普通はこんなこと絶対あってはならないことですよね。。おまけに、タエコは一人旅のお客さんなのに、毎食、ハマダの住人たちと向かい合って一緒にご飯を食べることを強いられる。いくら泊まり客が少ないからといって、これも失礼な話だと思うんだけどなぁ。。
それから、ハマダに春になると泊まりにくるサクラ(もたいまさこ)。彼女がまた不思議な人物で、民宿の人でもないのにタエコを毎朝起こしにくるし、カキ氷は苦手だというタエコに、しきりに自分の作るカキ氷を振る舞おうとする。ユージがこの土地に住むきっかけにもなったカキ氷なので、よっぽど美味しいのかもしれないけど、それにしてもやっぱり押し付けがましい気がしましたね。。もたいまさこさんは、画面に出てくるだけで笑ってしまうような不思議な存在感を持った女優さんですが、その持ち味が今回いまひとつだったのは残念です。。
また、なぜかハマダに遊びにくるハルナ(市川実日子)がさらにひどい。。サクラと親しくなったタエコに焼きもちをやいたのか、タエコに事ある毎に悪態をついてくる。おまけに、高校教師でありながら授業はしょっちゅう遅刻するし、疲れたからといって授業をサボり、サクラのカキ氷屋に休憩にくる始末。。それに対して本人はまったく悪びれた様子はなし。。市川実日子さんはわりと好きな女優さんなのですが、この役柄はなんだかいただけなかったな。。
この映画の「何が自由か、知っている」というキャッチコピーですが、登場人物たちが「自由」気ままに過ごすことが本当の自由なんでしょうか。。この映画では、思わせぶりな台詞が続きますが、実感がこもっていないので、心にまったく響いてこない。。タエコやユージ、サクラがどうして旅に出ようと思ったのか、その辺りの背景をもう少し描くだけでも、この映画の印象は違ってきたと思うんですけどね。
それから、タエコを追って来たヨモギ(加瀬亮)ですが、てっきり、タエコのことが好きで追っかけて来たのかと思ったのに、実際は彼女の旅に便乗して楽しんでいるだけだったので、何か一波乱起こるのではないかと期待していただけに残念でした。。
この映画は、最後まで登場人物たちが何者なのか明かされないまま終わってしまいます。それはそれでかまわないのですが、彼らが魅力的に描かれていないため、この映画に共感することが出来なかったです。南の島の美しい風景には心が和みましたが、やっぱり人間ドラマが稀薄だと感情移入できないんですよね。。この映画で登場する「メルシー体操」とか、赤いマフラーで颯爽と現れるもたいまさこさんとか、そういったワンシーンはとても面白かったんですけどね。
映画『めがね』公式サイト
(「めがね」2007年10月 長野グランドシネマズにて鑑賞)
春の浅い頃、タエコ(小林聡美)はとある海辺の町の空港に降り立った。大きなトランクを一つ提げて、民宿「ハマダ」に宿をとった。観光する所もない田舎町だが、ハマダの近くには不思議な人々が集っていた。毎朝、浜辺で行われる「メルシー体操」、近所でぶらついている高校教師のハルナ(市川実日子)、笑顔でカキ氷を振舞うサクラ(もたいまさこ)。彼らのマイペースさに耐え切れないタエコは、ハマダを出て、町でもうひとつの民宿「マリン・パレス」に移ろうとするが…。(goo映画より)
2007年/日本/荻上直子作品
評価 ★★☆☆☆(辛口)
『バーバー吉野』『かもめ食堂』の荻上直子監督の最新作。
この映画は、物語を期待して観に行った人はちょっとダメかもしれません。登場人物たちが全編、ダラダラと過ごす日々が描かれているだけで、何の事件も起こらないし、登場人物たちの間に何のドラマも生まれない。『かもめ食堂』のゆったりとした穏やかな世界観が好きで、また、あのユルユルな感じの雰囲気をもう1度味わいたくて、この映画も楽しみにしていたんですけどね。。正直、ちょっと期待外れでした。。
都会に疲れて、どこかの南の島に旅行しにきた主人公タエコ(小林聡美)。このシチュエーションは癒されるかなーと思って期待していたんですけど、彼女が泊まることになる民宿ハマダの住人たちが奇妙というか、、ちょっと無神経な感じの人達で。。癒されるどころか、見ていて首をかしげたくなるようなシーンがたくさんありました。
例えば、民宿「ハマダ」を経営している民宿の主人ユージ(光石研)。タエコが泊まりに来た最初の晩に、自分は用事があるからと、お客さんに対して「冷蔵庫の物を勝手に食べて下さい。」と言って、夕食をきちんと用意しないで出かけてしまう。普通はこんなこと絶対あってはならないことですよね。。おまけに、タエコは一人旅のお客さんなのに、毎食、ハマダの住人たちと向かい合って一緒にご飯を食べることを強いられる。いくら泊まり客が少ないからといって、これも失礼な話だと思うんだけどなぁ。。
それから、ハマダに春になると泊まりにくるサクラ(もたいまさこ)。彼女がまた不思議な人物で、民宿の人でもないのにタエコを毎朝起こしにくるし、カキ氷は苦手だというタエコに、しきりに自分の作るカキ氷を振る舞おうとする。ユージがこの土地に住むきっかけにもなったカキ氷なので、よっぽど美味しいのかもしれないけど、それにしてもやっぱり押し付けがましい気がしましたね。。もたいまさこさんは、画面に出てくるだけで笑ってしまうような不思議な存在感を持った女優さんですが、その持ち味が今回いまひとつだったのは残念です。。
また、なぜかハマダに遊びにくるハルナ(市川実日子)がさらにひどい。。サクラと親しくなったタエコに焼きもちをやいたのか、タエコに事ある毎に悪態をついてくる。おまけに、高校教師でありながら授業はしょっちゅう遅刻するし、疲れたからといって授業をサボり、サクラのカキ氷屋に休憩にくる始末。。それに対して本人はまったく悪びれた様子はなし。。市川実日子さんはわりと好きな女優さんなのですが、この役柄はなんだかいただけなかったな。。
この映画の「何が自由か、知っている」というキャッチコピーですが、登場人物たちが「自由」気ままに過ごすことが本当の自由なんでしょうか。。この映画では、思わせぶりな台詞が続きますが、実感がこもっていないので、心にまったく響いてこない。。タエコやユージ、サクラがどうして旅に出ようと思ったのか、その辺りの背景をもう少し描くだけでも、この映画の印象は違ってきたと思うんですけどね。
それから、タエコを追って来たヨモギ(加瀬亮)ですが、てっきり、タエコのことが好きで追っかけて来たのかと思ったのに、実際は彼女の旅に便乗して楽しんでいるだけだったので、何か一波乱起こるのではないかと期待していただけに残念でした。。
この映画は、最後まで登場人物たちが何者なのか明かされないまま終わってしまいます。それはそれでかまわないのですが、彼らが魅力的に描かれていないため、この映画に共感することが出来なかったです。南の島の美しい風景には心が和みましたが、やっぱり人間ドラマが稀薄だと感情移入できないんですよね。。この映画で登場する「メルシー体操」とか、赤いマフラーで颯爽と現れるもたいまさこさんとか、そういったワンシーンはとても面白かったんですけどね。
映画『めがね』公式サイト
(「めがね」2007年10月 長野グランドシネマズにて鑑賞)
良かった~
私とおんなじように ハマダに対して 腹を立ててくれたヒトがいて~~(笑)
この映画 最初はフツーだったんですが
ネットで皆さんの
「癒された~~」という感想を読むたびに
どんどん キライになっていったのです。(笑)
そうなんですか・・そんなキャッチコピーだったんだ。
あれは 自由ではなく
ワガママ 責任放棄だと(特に 光石さんと市川さん役)思います。
ブログ拝見したんですが、お体の方はもう大丈夫ですか?。。
疲れなどがたまったのかもしれないですね。。
季節の変わり目ですし、お体大事になさってくださいね。。
本当にこの映画に「癒された~」というレビューが多かったですね。。
私も猫さんと同じくハマダには腹を立てちゃったもんですから、、意見が合って嬉しかったです~。^^;
「めがね」というタイトルから、めがねを外すことで自分の心の壁をなくせば、もっと生き方が楽になるよ、という意味合いもあったんでしょうけど、正直、この内容ではそこまで伝わることは難しかったように思います。。
なんだか雰囲気だけを楽しむ映画になってしまったのが残念でした。。
次回作に期待?かな。。
初めてコメントさせて戴きます。
評判のいい本作、殆ど少数派のワタシですが、
ここにも共感できる記事を見つけて嬉しいです~♪
>癒されるどころか―
以下の感想に嬉しく頷いております。
>「めがね」というタイトルから、めがねを外すことで自分の心の壁をなくせば―
は、ワタシも考えましたが、違うと思います。
何より、全員めがねを掛けッぱですから(笑)
翌年のシーンでもタエコさんは島でかけてますし。
結果、この監督あまり練ってないで見切り発進しちゃったんだというだけの気がします。
「ゆるい」→「癒し」という単純さ。
このゆるいが、ルーズさ、無神経さと渾然としちゃってるので気分が悪くなりました
こちらこそ初めまして!nyancoと申します。
コメントありがとうございました。
本当に評判のいい本作ですが、、私も残念ながらそんなに良い映画とは思えなかったです。。
一見、癒されるような雰囲気があるんですけどね。。
kiraさんのおっしゃる通り、この作品の主旨が明確でないままに見切り発進しちゃったんだと思います。。
せっかくいい役者さんが揃っていたのにもったいなかったですね。。
TBありがとうございました。
これからもどうぞ宜しくお願いします♪
僕は「かもめ食堂」がある意味ヒットし過ぎたために、監督はわざと軌道修正をしたのかなとも思いました。前作は「癒し」のオンパレードでしたからね。
こちらにもコメントありがとうございました。
それはあるかもしれないですね。
私は「癒し」の部分が心地良かったのですが、^^; 監督は新しいタイプの映画を開拓したかったのかもしれないです。
でも、同じキャストをまた起用してしまうと、お客さんの方はどうしても「かもめ食堂」の二番煎じを期待してしまうんでしょうね。
今回は意識的に登場人物のバックグランドをぼかしていましたね。
南国での「たそがれ」に生きる人たちのバカンスは
ちょっと刹那的・厭世的・逃避的世界観なので
観客の賛同を得にくく「癒し」に繋がらなかった。
もう少し登場人物たちの背景が分かれば、彼らに共感できたと思うのですが、これではちょっと難しかったですね。。
なんというか、かもめ食堂と同じような面白さが味わえるのではないかと期待しすぎたのかもしれません。。
私も癒されるのではないかと思って観に行ったのですが、首をかしげるようなシーンが多くて賛同しづらかったです。。