スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師

Story
19世紀、ロンドン。フリート街で理髪店を営むベンジャミン・バーカー（ジョニー・デップ）は愛する妻と娘と共に幸せに暮らしていた。しかし、美しい妻に恋をしたターピン判事（アラン・リックマン）の陰謀で、バーカーは無実の罪を着せられ、投獄されてしまう。15年後、妻と娘を奪われたバーカーはスウィーニー・トッドと名前を変え、フリート街に戻って来た。理髪店を構え、パイ店の店主、ミセス・ラペット（ヘレナ・ボナム=カーター）の協力を得て、ターピン判事への復讐を始める。（goo映画より）
2007年/アメリカ/ティム・バートン監督作品





評価　★★★★☆

ティム・バートン独特のスタイルが楽しめました。前回の「チョコレート工場」に対して、今回はひたすらダークに徹しています。
ロンドンの場面はグレーを基調とした色調に徹して、カラーなのに白黒みたいな映像。ホラーファンタジーの雰囲気たっぷりです。一方、ミセス・ラベットが空想する海辺の場面はどぎつい色彩に溢れて対照的。カラーと白黒そして赤の使い分けが鮮烈でした。

判事への復讐が目的のはずだったのに、次第に狂気に取り憑かれて行くデップの演技が強烈。歌唱の場面も違和感無くはまっていました。復讐に取り憑かれてしまった男は、目の前にかつての愛する妻が現れても気づかない、というのは悲劇です。ヘレナ・ボナム=カーターもグロいメイクで怪演。これが、かつては「眺めのいい部屋」の少女だったのかと思うと、感慨もひとしお（涙）でした。

しかし、最後にデップの娘ジョアナと船乗りの少年アンソニーの扱いが尻切れとんぼだったのが残念。せめて、二人で逃げて行く場面が挿入されていれば、暗い物語に少しは救いになったんですが。


映画『スウィーニー・トッド』公式サイト


（「スウィーニー・トッド　フリート街の悪魔の理髪師」2008年1月　長野グランドシネマズにて鑑賞）