夫婦でシネマ

夫婦で見た映画と、個別に見た映画について感想をかいてます。全て映画館で見た映画で、ミニシアター系の映画をたくさん紹介!

幻影師アイゼンハイム

2008年09月09日 | か行の映画
Story
19世紀末ウィーン。ハプスブルク帝国末期の芸術文化の都では、大掛かりな奇術=イリュージョンが一世を風靡していた。中でも絶大な人気を誇っていたのは、アイゼンハイム(エドワード・ノートン)という名の幻影師。ある日彼は舞台の上で、幼なじみのソフィ(ジェシカ・ビール)と再会する。今では、皇太子の婚約者として注目を集める彼女は、その後ほどなく皇太子(ルーファス・シーウェル)邸で謎の死を遂げてしまう。謀殺の噂も沸き立つ一大スキャンダルのさ中、アイゼンハイムはソフィの幻影を蘇らせる前代未聞のイリュージョンを発表するのだが…。(goo映画より)
2006年/アメリカ=チェコ/ニール・バーガー監督作品





評価 ★★★★

5月に観た「幻影師アイゼンハイム」を今頃アップです。

ハプスブルク帝国末期のウィーン。一つの歴史が終わろうとしている不安定な時代を舞台に、現実と幻が混沌とした物語が展開します。これはまさにその幻想的な物語と映像に酔いしれる映画でした。
この時代は、降霊術が盛んに行われていた時期だと思いますが(大半はトリックでしたが)、アイゼンハイムの魔術ももしかしたら本物かも、と思わせる摩訶不思議さに満ちていました。終末感ただよう時代に、人々は超自然的なものにすがってしまいがちですが、そんな時代に一瞬開いた夢物語といった感を呈しています。

エドワード・ノートン、ポール・ジアマッティ、ルーファス・シーウェルなど、出演者がそろって好演。特筆すべきはポール・ジアマッティ。彼が演じるウール警部は、ルーファス・シーフェル演じる皇太子に仕えていて、アイゼンハイム(エドワード・ノートン)を追いつめる立場にある訳ですが、次第にアイゼンハイムの奇術に魅せられていきます。ここのところを絶妙な距離感を保ちながら演じているのが、さすがの名優ですね。
令嬢ソフィを演じるジェシカ・ビールも、美女というほどでなく、まぁ美人かなぁ~という微妙なところなのも逆にリアルで良かったです。(笑)

全てのタネが明かされるラストのどんでん返しが実に爽快に決まってました。見事に騙されたポール・ジアマッティの”やられたぜ!あの野郎!”という表情とともに、こちらも騙された心地良さに嬉しくなってしまう幕切れでしたね。





評価 ★★★★

幻影師のトリックも圧倒されたのですが、それ以上にアイゼンハイムとソフィの身分違いの恋にもドキドキさせられました。アイゼンハイムを演じたエドワード・ノートンが、男の色気があって、この映画ではいつになくセクシーに見えましたね。

その反対に、ソフィを演じたジェシカ・ビールは、公爵令嬢の役柄も悪くはなかったのですが、いまひとつ魅力に欠けたかな。。というのは、私の中でジェシカ・ビールは『テキサス・チェンソー』でのヒロイン役の方がとても格好良かったので、そっちの役柄の方がすごく印象に残っている女優さんなんですね。『テキサス~』の方が、いかにもアメリカン・ガール的で可愛らしかっただけに、今作のヒロイン役はちょっと見劣りしてしまったかな~。。

この映画では、エドワード・ノートン、ポール・ジアマッティ、ルーファス・シーウェルの3人の共演者が、それぞれの持ち味にあった役どころで好演し、作品を大いに盛り上げていました。3人のアンサンブルの妙ですね。特にnyancoもポール・ジアマッティが良かった!

私は最後までトリックを見破れなかったので、ラストのラストで繰り広げられる意外な結末に、本当に圧倒されました~。このまま悲恋で終わってしまうのかと思いきや、予想を覆す見事などんでん返しで、大満足のラストでしたね。
ただ、一つ難点があるとしたら、作品全体が奇麗にまとまりすぎていた感があるので、今ひとつ心に刻み込まれるような、印象に残るシーンというものがなかったような気がします。人間ドラマがよく出来ていただけに、もっと掘り下げて描かれていたら、更に面白くなったのではないかと思うとちょっと残念でしたね。


映画『幻影師アイゼンハイム』公式サイト


(「幻影師アイゼンハイム」2008年5月 日比谷 シャンテシネにて鑑賞)

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