耳をふさがず、周囲の音も聞こえるイヤホンやヘッドホンの新製品が相次いで発売されている。オンライン会議などで付けたままでも周囲と会話ができ、利便性が高いとして好評だ。装着感や音漏れ防止など、各メーカーの得意な技術で競える市場としても注目を集めている。(田中俊資) 多様な機能 ソニーは11日、ワイヤレスイヤホンの新製品を発売した。本体に穴が開いており、周囲の音も妨げずに聞くことができる。騒音の大きさに合わせて、音楽などの再生音量を自動調整する機能もついている。 2022年に発売した旧モデルから改良し、耳の形に合わせて変形する軟らかい素材の部品を使用した。耳の圧迫感を軽減して装着時の安定感が増すため、落下や紛失の防止につながる。 NTTグループで音響事業を手がけるNTTソノリティも、耳をふさがないヘッドホンを7月に発売した。耳を覆わないが音漏れは抑えられるとして、「耳スピーカー」とPRする。空気の振動である音に、波形を反転させた別の音を当てると、打ち消し合って音が消える原理を応用した。NTTの通話や通信に関する研究成果を活用した。 アンカー・ジャパンも、耳に引っ掛けて使い、周囲の音が聞こえるイヤホンの新製品を11月に発売予定だ。 ニーズの変化 近年、消費者がイヤホンやヘッドホンに求める機能は変化している。 オンラインの会議や授業が普及し、家事や運動などをしながら音楽を楽しむ人も増えた。イヤホンやヘッドホンの装着時間が長くなり、圧迫感の軽減とともに、周囲の音が聞こえることを求めるニーズが高まった。オンライン会議中でも周囲の呼びかけや家の生活音に気付くことができ、屋外では人や車との衝突防止にもつながるためだ。 耳をふさぐタイプでも、マイクを通して周囲の音が聞ける製品が増えているという。 メーカー各社にとっては、技術力でも他社と差別化を図れるため、新製品開発への関心は高まっている。 調査会社BCNによると、24年1〜9月のマイク付きイヤホンの国内販売数のうち、左右が分離し、周囲の音を聞き取れる製品のシェア(占有率)は19・8%と、23年の7・0%から大幅に増えた。 同社の森英二アナリストは「比較的新しい製品群で、参入するメーカーが増えている。品種が豊富になるにつれて消費者が認知し、販売数の増加も期待できる」と指摘している。 |
ソニーなどは少し前、いかに周りの音を消して音楽を聴くかという技術を開発していましたが・・・
今は逆に周りの音が聞こえるとは。