11日に発表した2015年4~6月期の決算では、売上高が345億1600万円、営業損益が9億5400万円の赤字となりました。売上高は前年同期比12.5%減、赤字幅も増大しています。居酒屋を中心とする国内外食事業が店舗の撤退で大幅な減収となったことに加え、介護事業の採算が悪化したことが主な原因です。 国内外食事業は、4月以降、新規出店が4店、撤退が26店となっており、不採算店舗からの撤退が続いている状況です。また、これまで利益を上げていた介護事業の採算が悪化したことも、足を引っ張りました。介護事業ではあらたに2棟の施設を開設したのですが、入居率は78.3%と低迷しています。昨年の同じ期には84%の入居率でしたから、施設の数を増やしたものの、顧客の獲得が追い付いていない状況であることが分かります。介護事業は1億3400万円の赤字となり、全体の赤字幅を拡大させています。 もっとも外食事業の撤退は想定の範囲内です。同社は昨年度100店舗の撤退を実施しましたが、今年度も引き続き85店舗の撤退を計画しています。このリストラが終了しないと、基本的に業績は回復しませんから、具体的な数字として表れてくるまでにはもうしばらく時間がかかるでしょう。 心配なのは同社の財務体質です。同社の自己資本比率は7%を切っており、危険水域に近い領域に入っています。外食での赤字は想定内としても、介護事業の採算が悪化するということになると、同社の財務状況を懸念する声が高まってくるかもしれません。 一部では、同社が介護事業の売却を検討しているとの報道が出ています。同社はこれを否定していますが、現在の財務状況を考えると、介護事業の売却が有力な選択肢の一つとなることは間違いないでしょう。売却価格は200億円ともいわれていますが、これに対して、同社の自己資本はわずか85億円です。売却が実現すれば同社の財務体質は一気に改善することになります。 まだ遠い本格的な復活への道筋 一連のリストラが終了し、事業売却あるいは増資などで財務体質を改善できれば、見かけ上の業績は回復します。しかしながら、居酒屋という業態そのものが変化するわけではありません。メニューの刷新やアルコール比率の低いレストラン業態への進出など、いくつかの新機軸を打ち出してはいますが、本格的な復活への道筋はまだ見えていないというのが現実でしょう。 (The Capital Tribune Japan) |
さて、どうなるワタミ!