これは旺ちゃんの水分表の記録ノート。
去年の8月から書き始め
2冊目に突入しもう少しでこの2冊目も終わりそう。
入院中「水分表」といって
ミルク量、尿量、食事量等を
病院におかれている用紙に記入し毎日提出する。
日々の変化がわかるようこうやってノートへ
自分なりに記録することをこの1年続けている。
1冊目はこんな感じで
2冊目はこんな感じ。
1冊目のノートの表紙に書いてあるのが
旺ちゃんの病名。
・単心房
・単心室
・肺動脈閉鎖
・右胸心
・心臓逆位
・共通房室弁
・心房内臓錯位症候群
・無脾症候群
・右大動脈弓
・左上大静脈
・重症房室弁逆流
旺盛に生きると書いて『旺生(おうしょう)』
これだけの病気と戦っている。
あらためて思う。
名前に見劣りしない生き様だと。
心臓病に限ったことではないかもしれないけど
同じ病名でもその子によって症状や経過が全く違うということを思い知った。
そして全く同じ病気持っている子はいない。
旺ちゃんの病名を見てわかるように
心臓病は複数の病気を合併するから。
つい旺ちゃんと同じ病名の子を探してしまう。
それは傷の舐め合いをするためじゃない。
同じ病気を持った子の元気な姿が
元気に育っている姿が
勇気そのものになるから。
希望の光となるから。
同じ病気の子は特に
希望の光でずっといてほしいから
より一層応援したくなる。
病名に限らず心臓病というだけで
自分の子どもと重なり頑張ってほしいと思う。
心臓病は手術をしたら完治ではない。
それに手術ができない場合もある。
根治術もあるが根治とはいっても心臓病。
一生薬を飲み続けないといけないケースも少なくないだろう。
もう手術をしなくていい子でも
定期的に心臓カテーテル検査などで心臓の状態を評価し
継続的に経過をみていく必要がある。
旺ちゃんのように単心室の子は
基本的に0~3歳くらいの間に最低でも3回の手術
1.シャント手術
2.グレン手術
3.フォンタン手術
を受けなければならない。
旺ちゃんの場合は心機能の悪さから
フォンタン手術を受けることができないけれど。
どの術後も循環形態ががらっと変わるため
術後のきつさは計り知れない。
みているこっちが耐えられない程だ。
看護師さん曰く
「赤ちゃんだから子どもだから乗り越えられる。大人は耐えられないだろう。」だそう。
旺ちゃんもグレン後外科の先生から
「グレン後のきつさをたとえるならずっと逆立ちしている状態。
子どもはその循環に慣れるんです。
適応していくんです。」と説明を受けた。
心臓病は
シンデレラのように王子様と結婚してハッピーエンドみたいに
退院したからといってハッピーエンドって終われない。
退院しても学校に通っていても社会人になっても
戦いは続く。
術後だけでもゾッとする程きついというのに
こんな状態を何度もこの子たちは乗り越えて大きくなっていく。
だからなのかこの子たちはみんな頑張り屋さん。
無理をすることに慣れているから
ちょっと位の事では挫けない。
『身体障害者』や『心臓病児』というと
弱いイメージがあるかもしれない。
でも実際は全く違う。
体力的には健康な子に敵わないかもしれない。
でも心臓病の子は本当はとても勇敢で強い!
そのかわり諦めが悪くて弱音を吐くのはヘタクソ。
そして人に助けてもらわないといけないことが多いから
小さな頃から人の優しさに多く触れている分
本当の優しさを知っている。
イメージなんて本当に当てにならない。
ガラスの靴なんか履かない。
このプレミアな心臓で勝負するから。
天使の姿をした勇敢な戦士たち。
どうか負けないで。