奥様は海外添乗員〜メモリアル

添乗後記~旅のおわりに

    

毎度ながらこうして旅の写真を見ていると、忙しい旅(=仕事)とはいえ、写真の中には写っていないその時々の光景までがフラッシュバックしてくるから不思議。これも旅の、そして写真の魅力なのかも?どうやらスイスの山とは相性がいいらしく、今回もお天気に恵まれたからなおさらそう思えるのかも知れないけれど。美しい街並みや博物館といった人が作り出したものを見て廻る旅とは全く異なり大自然にどっぷり浸かることができた今回の旅では、普段感じられない、いや忘れてしまってる様々なことを感じさせられた。いい事も悪い事も含めて。

    

スイスの旅で毎度楽しみにしている野生動物との遭遇。今回もかわいいマーモットたちの姿を遠目に眺めながら「おぉ、みんな元気でいたかぁ?」と、ひとり彼らとの会話を楽しんでいたのもつかの間。そこに居合わせたどこぞのバスのドライバーに「ビスケットもっていないか?」と。「この間は手に持ったビスケットを直接食べたよ。」と得意げに話す彼。正直私は愕然とした。彼らマーモットは本来とっても音には敏感で、人の気配を感じただけで巣穴に潜ってしまう。たくさんの家族で暮らす彼らは巣穴から出る時に必ず見張り役を立てるほど警戒心を持ってるはずなのに…餌付けされつつある?それが何を意味するのか、たぶんビスケットをあげてた彼は考えたこともないだろう。

    

人が作り出したものなら簡単に修復できる。でも一度壊れてしまった自然や生態系を元に戻すことはそう容易いものじゃないはず。暑ければクーラーで冷やし寒ければヒーターで温める、そんな都合のいい生活を当たり前のように享受してるのは人間だけ。自然界で生きる動物や植物たちは、時に厳しい自然に逆らうことなくうまく順応しながら生きてる。年の半分は雪に閉ざされるスイスではあっても、彼らにとってはそここそが生きる場所だ。壊すのは容易い。そして生態系の崩れはいつか必ず私たち人間の元に返ってくる。そうなってから気づいても遅いってこと、利口な人間ならわかってるはずなのに。また来年も、そして再来年も同じこの場所で元気な彼らと出会えますように…


写真上段:逆さモンテローザ(左側・4,634mはスイスとイタリアの国境をまたぐ最高峰)
写真中断:山間の岩場に多く生息するマーモット(地リス科の一種)
写真下段:エギュ・ドゥ・ミディ(右奥の頂)を望む



みなさんからのコメントはいつも楽しく読ませていただいています。ただ諸々の理由によりこの年明けからコメントへのお返しはしていませんのでどうぞご了承下さい。また旅関係のご質問やリクエストに関しては、できるだけ今後のブログ上に反映させていきたいと思っています。

← 今回も後記にお付き合い、ありがとう。

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